中嶋彰子さん/声楽/オーストリア・ウィーン

中嶋彰子さん 15歳でオーストラリアに渡り、シドニーで音楽教育を受ける。1990年の全豪オペラ・コンクール優勝を機に、シドニーとメルボルンのオペラハウスにてデビュー。1999年、ウィーン・フォルクスオーパーと専属歌手契約を結び、その卓越した歌唱力と演技力、華やかな存在感で圧倒的な人気を獲得。一躍劇場のトップスターに。イタリア・ベルカント・オペラからモーツァルト、シュトラウス、ヴェルディ、そしてフィリップ・グラスなどの現代作品まで、幅広いレパートリーも魅力のひとつ。

 

- まずは簡単な経歴から教えて下さい。
中嶋 北海道で生まれて10歳までは釧路市で育ちました。工学博士の父の仕事の関係でその後は東京、15歳からはオーストラリアのシドニーへ移住しました。音楽好きの父の影響で、小さい頃から音楽がそばにありましたね。シドニー音楽大学在学中に、専門の指導者のもとで声楽の個別レッスンを3年間受けました。1990年、日本人では初めてなのですが、全豪オペラコンクールに優勝したのです。その時の副賞としてヨーロッパに行くチャンスがあったのですが、オペラハウスにデビューをしたので1年間オーストラリアで活動していました。その後、イギリスのアカデミー・オブ・エンシェント・ミュージックからお仕事が入り、シドニーオペラハウスに2カ月の休暇を頂いてロンドンへ渡りました。もちろん、ロンドンでもじっとしていられなくて、コンクールやオーディションを積極的に受けて回りました。
- 直接ウィーンではなくロンドンだったのですね。
中嶋 はい。まずはロンドン、そしてオランダへ行って国際コンクールにも出場しました。ヨーロッパでのレベルがどのくらいなのか、力試しで受けてみたのです。
- その時の結果はいかがでしたか?
中嶋 3位入賞でした。お陰でいろいろな先生からお声を掛けて頂いたり有益な情報を教えて下さって、次はイタリアに行こうと思ったのです。それで、イタリアでは自分で直接劇場に行ったり、電話をしてオーディションをしていないか問い合わせしました。
- それは、飛び込み訪問のような感じですか?
中嶋 はい、随分と驚かれました。普通はエージェントがいて交渉事をするのですが、私の場合は新人で誰も助けはいませんでしたから、この際試してみようと思い、勇気を出して「オーストラリアからきた26歳の日本人です。エージェントはいません」という感じで、直接交渉でした。
- すごい! 積極的ですね。
中嶋 そうなのです。色々ありましたが、4,5軒の劇場でチャンスが到来しまして、気づいたらオーストリアで2件イタリアで3件仕事が入ってきました。突然転がって来た仕事もありました。インスブルックのバロック音楽祭に関わっているイギリス人の指揮者は「声楽家を育てる」ということを、オランダのコンクールで教えてもらい、レッスンしてもらいたく電話帳で相手を探してアポイントを取り伺いました。するとレッスン中に先生が主役の方が降板するお話をし始め、私に主役として参加する気はないか?と話が転換しました。音楽祭の芸術監督兼指揮者だった事も知らずにレッスンしてもらっていた私は腰が抜ける思いでしたが、毎日コーチをしてくれるなら頑張ると約束し、ヘンデルのオペラ「アルチーナ」のタイトルロールを2週間で暗譜し、舞台に立ちました。とても大変でしたが、何も知らない=恐れ知らず、みたいな、今思えば貴重ないい経験でした。(笑)
- 何だかとてもドラマティックで、オーストラリアを出て2年の間にすごい展開のお話ですね。
中嶋 今思うと、そうですね。2か月の予定がロンドン、ナポリ、インスブルックとあっという間に数年がたった感じです。ヨーロッパへ拠点を移すきっかけとなったのが、インスブルックの小さな劇場での専属契約のお話だったのですが、正直いって迷いました。シドニーオペラハウスは国際歌劇場で、ステータス的にははるかに上でしたから。
- 決心された理由はなんでしたか?
中嶋 実は名の知れない小さな地方歌劇場に専属歌手になるなんて!と誰もが反対しました。でも私はオーストラリアで音楽の教育を受けた日本人・・・語学的にも文化的にも私はまだまだ勉強不足だと知っていました。オーストラリアでは将来を約束される大役が待っていて、キャリア的にはそれを捨てるなど、とんでもない事だとは分かっていましたが、若い今を使わなければ、本物にはなれないと直感したんです。初めて来たヨーロッパで、こんなにたくさんお仕事のチャンスを与えられたのは、きっと運命だろうとも思いました。オペラを生んだヨーロッパをもっと知ってみたい、オペラで歌う語学をしゃべりたい。この土地に腰を据えて生活し、人々と語り合い、本当の文化人になりたいと思ったのが理由です。
- オーストラリアへは、ぜんぜん戻られなかったのですか?
中嶋 全然戻っていないですね。1996年に一度だけバズ・ラーマンの「ラ・ボエム」のムゼッタ役のため出演しました。
- 流れがとても急なのですが、そのような中で特に気を付けていた事はありますか?
中嶋 国際的な仕事場は甘くありません。実際は戦場の様なものです。甘く見ていると直ぐに隣や後ろに構えている歌手に自分のポジションを狙われます。そんな中、身体の大きな欧米人とどう渡り合っていくか、そして自分なりに、かつ社交的に、しかし無理をして体調を壊さず毎日の仕事をこなして行くかなど、気を使う事はたくさんです。健康が第一でした。休む時は休み、仕事は精一杯楽しくするよう心がけていました。
- その戦い方は、ご自身で試行錯誤のような感じですか?
中嶋 そうですね。私が進んだ道には目印が無かったですから。シドニーに移った15歳の頃から、どうすれば国際社会で溶け込んでいけるのかというのは大きな課題でした。学校内でもイジメはありましたし、揉まれ方が全然違います。頑張りすぎて失敗する事もよくありました。
- 日本と海外との違いはどのようにお感じなりましたか?
中嶋 過去に強く感じた時は、例えばオランダのコンクールの最終日です。私は母国語と英語ができるので国際的な場面でも上手くやっていけると浅く思っていました。ところがそこにいたロシア人、スウェーデン人、トルコ人、メキシコ人などは母国語、英語はもちろん、優れた語学力で何カ国語も交わし、社交的な最終日の場所では冗談を言ったり、社会問題を口論し合ったりと上手に対応できる芸術家のひよこ兼社会人達でした。それに比べ、内気な日本人は日本人同士で固まるか、冗談などはもちろん飛びませんし、情報交換など国際人としての自覚が薄いので上手くできず、せっかくの交際のチャンスを失ってしまいがちでしたね。教科書で勉強する語学とコミュニケーションをしたくて伸びる生きた語学力の違いでしょうか、大きな違いを感じましたね。プロの歌手も割合的に海外に日本人が少ないのも才能というより、そう言った所にも問題があるのではないかと私は思います。
- 20年のキャリアからなる言葉ですね。
中嶋 やるべき事は技術だけではなく、芸術家としての姿勢がどうであるかということで自分らしさを素直に表現するに尽きると思っています。そこで自身が持て、道が開くのではないでしょうか。
- 芸術家としての姿勢を教えることは、難しく感じますが。
中嶋 いえ、実はそんなに難しくないのですよ。先を見ている人がほとんどですから。どこの国の方でも、海外で頑張って勉強をするとなると、相当な覚悟していらっしゃいます。正しい鍵があればドアは簡単に開くといった感じかしら。また教える立場としては、天性的に優れた歌手からいい生徒は生まれないといわれますし、苦労をしている声楽家の方がいい先生になれるとも言われます。
- 教える方も大変ですね。
中嶋 声楽の場合は、身体が楽器ですから、その人それぞれに合った技術を考えるのが大切な事ですね。新しい技術を取り入れることでも今迄のものが崩れたりします。例えば、ドラマチックな歌手がレッジェーロな歌手に私のやる通り歌いなさいといってもそれは無理です。理想は悪い癖や、恐怖感などをほぐし、自然体に戻してあげる事だと私は考えます。歌手の勉強は語学、発声、発音、反響盤である体の仕組みの理解など教えることは欠かせませんが、それだけではなく時代や地位の違う役柄の理解、哲学的な事にも触れて教えます。
- 努力がまったく違うのですね。
中嶋 そうですね。ただこちらのシステムもいいと思いますよ。音大に行かなくても、本当に習いたい先生に習うシステムはいい事だと思います。わたしも経験者です。
- 中嶋先生には、春にもウィーンの講習会でお世話になる予定です。ところで、音楽はお父様の影響だとお聞きしましたが、声楽を選ばれた理由はなんでしょうか?
中嶋 歌好きは父譲りなのかもしれません。まだ北海道にいた幼い頃に、よく大自然の中で自作の歌を口ずさんでいました。具体的には中学2年生の頃に、全校生徒の前でシューベルトを歌う機会があって、その時に声楽に目覚めたのだと思います。ただ、オペラはうんざりというか好きではなかったですね。
- まさかこんな展開になるとは、ですね。
中嶋 そうですね、いいオペラに出くわしたというのか、自分が知っているものとは全然違っていたので衝撃を受けました。それからです、もっと知りたいと。
- ウィーンで声楽家として活動されていていい点と悪い点はありますか?
中嶋 いい点はウィーンには常に音楽があり、声楽家である事は市民に尊敬され、大切にされる事です。劇場に通うお客様は毎日のようにいらっしゃるので「今日は昨日とくらべて」なんてお客様同士で情報交換されるので、毎日がチャレンジであることは歌う方も刺激になり良い事だと思います。悪い点というのか、時折演技者の方でアドリブが入ることがあるのですが、私は対応が出来ないのでやめて下さいとお願いしています。もちろん、プロですから台本通りには舞台の上では進めるわけですが、たとえば日本人だから訛りがあるなんて許されることではありませんので、しっかりとコーチングを個別でレッスン料を支払って受けます。
- たいへんですね。
中嶋 舞台裏はそのようなものですね。言い訳は一切ダメです。
- 日本人として有利だったことはありますか?
中嶋 ないです。まず舞台に立つ時、私が日本人であるといった意識が特にないというのもありますが。日本人観光客の方たちが来られて、応援して下さるなど嬉しい事もありますが、日本人だからと特別扱いは一切ありません。
- ウィーンで成功を勝ち取られた理由はなんでしょうか?
中嶋 毎日の地道な努力や研究に尽きますね。また、そう言った勉強を楽しんでいます。興味があるから続けられる、やりたいことをやれる幸せなことだと感じています。ここウィーンは音楽好きがたくさんいます。皆さん親しみをこめて声を掛けて頂いたり、アドバイスを頂いたり幸せな環境です。
- 好きだから続けられる、ということですね。
中嶋 もちろん、そうですね。
- 逆に好きでもできないことはありますか?
中嶋 人との関係です。たとえば演出家であったり、パートナーであったり、合わないと感じることもあります。あとは、体調を崩した時ですね。もちろんプロですから、仕事として責任感があるわけです。ましてソリストはピラミッドでいうと頂点の存在です。選ばれた人として、責任を果たさなくてはなりません。なので、役は好きでも指揮者や演出家との絡みの問題で満足な仕事ができないと思った時はきちんと断ります。そしてムリをしないことです。ムリをすると体調を崩し結局は他人に迷惑を掛けます。皆さまに満足をして頂くためにも、この2点は必ず守っています。舞台人は常に心身共にベストを尽くすよう心掛けるのが大切です。
- なかなか難しい境地だと思いますが。
中嶋 よく仲間と話をしますが、音楽家と芸術家の違いはなんだろうと。ただ音を出すだけではなく、表現をしなくてはだめだと思うのです。限られた音符でいかに表現するか、楽譜では表現しきれない音をどう伝えていくのか、です。
- とても深い内容ですね。やはりそれは海外での音楽活動から得られた境地ですか?
中嶋 大きな劇場では同じ出し物を何年も繰り返し上演します。よって同じ役をたくさんの歌手が歌います。自分なりの音楽が無ければ仕事は回って来ません。劇場に選んでもらえる歌手になるには、勉強は机の上だけではない分けです。ですから海外留学の場合は特にその国にしっかりと浸っていろいろなものをみて吸収してほしいですね。旅行者の視点ではなく生活者として経験する事は貴重な経験になると思いますです。おしゃべりしたり、考え方の違いを発見したり。国によって音色も違うのですよ。何にインスピレーションを受けたか考えたりしましょう。すると音楽を深く理解できます。
- ウィーンで日本人の学生をみて、もったいないと感じることはありますか?
中嶋 日本人同士でかたまってしまう傾向があることですね。現地の友人をたくさん作ればいいと思います。たとえばペンフレンドでもいいのです。細く長く付き合えるような。その思い出は必ず自分に何かを残していきます。
- ウィーンを楽しむ何か秘訣のようなものはありますか?
中嶋 自分でウィーンを探すことです。ガイドブックに頼らないで、自分しか知らないウィーンを見つけて下さい。自分で探せるところがたくさんあるのですよ。私も日本に行った時は、自分の足で日本を探します。
- 自分で体験する大切さですね。
中嶋 好奇心は大切です。
- これからの音楽的なビジョンをお聞かせ下さい。
中嶋 私今40代後半なのですが、50代の声楽家は何をすべきなのか、を考えています。役柄もどんどん新しい役をレパートリーに入れていますが、最高の演出家とオペラの大役を徹底的にこなしたいです。それとは別に、これからは制作や演出も手掛けていきたいなと思っています。
- クリエイティブの血がさわぐ…という感じですね。
中嶋 今年は演出作品が2本あります。その1つは、シェーンベルグの「月に憑かれたピエロ」とお能を混合した舞台作を12月に予定しています。この夏には、群馬国際アカデミーで600人ほどの子どもたちの詩や作文を素材に脚本とした音楽劇を公演したのですが、とてもいい経験になりました。
- すごいですね。そのきっかけはなんでしょうか?
中嶋 昨年3月の震災以降、しょんぼりというか元気のない前向きになれない日本の様子にジレンマを感じてしまい、今後のために何かしなくてはと思ったのです。そして日本人は元気だよと、世界にアピールしたかったのです。
- 大がかりですね。いかがでしたか?
中嶋 子どもたちと一緒に汗をかいて何かをやり遂げたという大きな達成感はすばらしいものでした。ワークショップも大成功で、DVDの発売やテレビでも10月に放映される予定です。
- これからも何か企画はお考えですか?
中嶋 音楽の力をベースとして、根本的な何かを伝えていく、歌ってよかった聴いて良かった、と観客の皆さんと感動を共にできるような企画をしていきたいですね。また、技術ばかりではなく、また技術があるからこそ聴かせられる音声表現、そして自分の持っているものや持っていないものを全てさらけ出せる、勇気を持って自分を表現出来る、そんな素晴らしい音楽家を育ててみたいと思います。
- 中嶋さんにとって一言でいうと音楽とはなんでしょうか?
中嶋 哲学的なのですが、音楽とはスピリチュアルな「生きる」という意味を感じさせられるものだと思います。生きている瞬間を感じさせるというのか考えさせる力が、音楽にはあると信じています。それは神への感謝に近いものかもしれません。私は北海道という大自然の中で育ったのですが、寒い時に太陽の暖かさに感謝するような、あるいは孤独さ、切なさ、生きているから感じる思いが音楽に存在する、そんな感覚です。それは理屈ではなく生きているものには必要な何かだと思うのです。
- そこには何か答えがあるのでしょうか?
中嶋 いえ、ないと思います。感じる者それぞれが個人であるから。だから、私は壁のない音楽家になりたいと思っています。壁がなければ、音楽家の魂がふっと出ていくことが出来ます。また、そんなことが出来る技術を磨いていきたいし勉強をしていきたいですね芸術を文章にすることはとても難しいのですが…。
- むずかしいですね。では最後に、海外で勉強をしたい若い生徒さんへ何かアドバイスをお願いします。
中嶋 海外に出てみることは、絶対大切なことです。視野も広がりますから。またその経験によって見えることもありますし、日本の良さも感じるでしょう。そして海外へでたら他人を頼らないで自分で頑張ってみる、自分で道を開いていくことを心掛けて欲しいです。どうぞ、羽を拡げて外へ出てみて下さい。
- ありがとうございました。

 

 

ダンス留学アンドビジョン【最新情報vol.10. 2015-09-29 07:00:00】

\|/             \|/ ─☆─ *゜:*”*:*’*:’*:’*:*☆*: ─☆─ /|\              /|\ 【1】ごあいさつ&ご案内 ・゜゜・*:.。..。.:*・*:゜・*:.。. .。.:*  │* ┏━━━━━━━━┓* │ _人_┃ 様 ┃_人_  Y ┗━━━━━━━━┛ Y  │            │ こんにちは!アンドビジョンのです♪ 中秋の名月、スーパームーン皆さんご覧になりました?! 気温もだいぶ涼しくなってきましたね♪♪ よく食べ、よく寝て、よく踊るw そんな秋にしたいですねw ┏─☆┏─☆┏─☆┏─☆┏─☆┏─☆┏─☆┏─☆┏─☆┏─☆ │国││内││語││学││レ││ッ││ス││ン││情││報│ └─┛└─┛└─┛└─┛└─┛└─┛└─┛└─┛└─┛└─┛ アンドビジョンでは留学のための語学レッスンも行っています。 先生はもちろん各国のネイティブスピーカー。 レッスン時間や内容は、すべてあなたに合わせて、 フレキシブルに更可能。ご自分にあったカリキュラムをリクエストできます! 実際、留学経験者の多くが、渡航前に準備すべきだったこととして、語学をあげられます。 100%ダンスに集中するために、語学の準備はしっかりと! http://www.dance-abroad.com/program/language/1262-language-lesson-in-tokyo.html 資料のご請求、ご質問などある方は TEL:03-3278-3450 MAIL: このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。 までご連絡ください! *★*―――――――――*★* 【3】海外語学学校情報  *★*―――――――――*★* ◆ランゲージ・スタディーズ・インターナショナル 学びたい語学を学びたい都市で。世界中にある校舎からピックアップ。 留学が有意義なものとなるようサポート体制がしっかりしている学校。 あなたの目標にぴったりのプログラム探しから留学ライフをスタッフがお手伝いしてくれます。 http://www.dance-abroad.com/program/1218-language-studies-international-lsi.html ◆カプラン・インターナショナル・カレッジ 憧れの都市と思い通りのコース選択で、心置きなくゴールを目指す留学。 8カ国45校舎、数多くのコースから、希望にぴったりのコースを選択。 目標をしっかりと持っているあなたを万全のサポートでしっかりと応援してくれる学校です。 http://www.dance-abroad.com/program/5971-kaplan-international-college.html ゜・:,。゜・:,。★゜・: 【4】学校情報 ,。゜・:,。☆゜・:,。゜ 学校情報はイギリスに特化しました☆ ◆イングリッシュ・ナショナル・バレエ・スクール 世界トップレベルの舞台芸術があふれるロンドンで、バレエに没頭しよう。 名門イングリッシュ・ナショナル・バレエ団の付属校。3年間のフルタイム・トレーニングで、プロとしての技術、心構えを築く。 http://www.dance-abroad.com/country/europe/uk/5920-english-national-ballet-school.html ◆セントラル・スクール・オブ・バレエ 世界を魅了する文化と伝統の都市ロンドンの中心で、プロダンサーとして歩きはじめる。 ヨーロッパ最大、そして中心地として世界中から学生が集まる教育都市・ロンドン。この伝統と今が濃密に入り混じる場所で、バレエを学びませんか。 http://www.dance-abroad.com/country/europe/uk/5838-central-school-of-ballet.html ◆エルムハースト・スクール・フォー・ダンス イギリス・バーミンガムにあるバレエ団の提携学校で、バレエダンサーへの最初のステップを踏む。 バーミンガム・ロイヤル・バレエの提携学校、エルムハースト・スクール・フォー・ダンス。ダンスも、他の教育も、環境も質が高いことで知られています。 http://www.dance-abroad.com/country/europe/uk/5972-elmhurst-school-for-dance.html ◆ロイヤル・バレエスクール ロイヤルの名を冠するクラシック・バレエ専門学校。世界トップクラスの教育を提供 国際色豊かなロンドンにあるイギリス王室の勅許を受けた由緒正しいバレエスクールの名門。世界で活躍するダンサーを数多く輩出。 http://www.dance-abroad.com/country/europe/uk/5837-the-royal-ballet-school.html 資料のご請求、ご質問などある方は TEL:03-3278-3450 MAIL: このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。 までご連絡ください! ☆:*:★:*:☆:*:★:*:*:☆ ★ 【5】講習会情報 ★ ☆:*:★:*:☆:*:★:*:☆☆ ◆クイーンズランドバレエ団ワークショップ 南半球の世界都市ブリスベンで学ぶクラシックバレエとコンテンポラリーダンス オーストラリア屈指のバレエ団、クイーンズランド・バレエが開くワークショップ。 世界と地域をつなぐ地道な活動で培われた良質のレッスンが体験できます 【期間】 第一期:2016年1月11日〜16日 第二期:2016年1月18日〜23日 http://www.dance-abroad.com/major/6332-queensland-ballet-summer-school.html ↑↑↑締め切り間近です!!! ◆ナショナルシアターバレエスクール冬期講習 オーストラリアで最も歴史あるバレエスクールによる人気の集中講座。 名門オーストラリア・バレエ団の現役プリンシパル、アンバー・スコットがゲスト講師!トップレベルのバレエを体感しよう。 【期間】 2016年1月11日〜1月16日 http://www.dance-abroad.com/major/6390-national-theatre-ballet-school-summer-school-ntbs.html 佐藤真左美先生、ナショナルシアターバレエスクール校長補佐をされてます。 http://www.dance-abroad.com/interview/1186-masami-sato.html ↑↑↑ 佐藤先生のインタビュー記事です♪♪ ◆ウィーン春期音楽&ダンス講習会 2016年春。世界最高峰ウィーン国立音楽大学 & ウィーン・ダンスアーツの講師陣から直接レッスンを受ける大チャンス! 音楽は世界的名門校・ウィーン国立音楽大学の教授陣、ダンスは超一流バレエ学校のダンスアーツの講師陣が集結! オーディションなしで、著名教授から直接レッスンを受けるチャンスです。 音楽留学・ダンス留学専門会社・アンドビジョンが全面サポートするウィーン春期講習会は、初めての方にもオススメ! 安心&お得に本場の空気を体感しましょう。長期留学をお考えの方の下見留学や、先生とのコネクションを作りたい方にもうってつけの講習会です! 【期間】 2016年3月6日(日)〜3月12日(土) http://www.dance-abroad.com/major/6536-vienna-master-class-in-spring-dance.html ゜.:。£+゜..:。£+゜.:。†゜.:。 【6】海外オーディション情報 ゜.:。£+゜..:。£+゜.:。†゜.:。 ◆コロラドバレエがスタジオカンパニーのダンサーを募集しております!! ◆リッチモンド・バレエがダンサーを募集しております。 身長162.56cmから170.18cm の女性ダンサー、 身長177.8cmから190.5cm の男性ダンサーを募集しております。 契約は38から42週間になります。 ◆サラソータバレエの現地オーディション、ニューヨークオーディションがございます。 (DVDオーディションも受け付けております♪♪) http://www.dance-abroad.com/order.html ↑↑↑↑↑ たくさんの方のご応募お待ちしております♪♪ ☆。,・~〜・,。★。,・~〜・,。 【7】編集後記/次回予告 ☆。,・~〜・,。★。,・~〜・,。 気になる情報はありましたか? 今週から海外の語学学校の情報も盛り込んでみました♪ 多くの留学経験者が語学力を付けていけば、、 っとおっしゃっていました。 ダンスと一緒に語学もしっかりご準備できるようにお手伝いさせていただきたいと思います。 皆さんからのご意見・ご感想をお待ちしてます♪ MAIL: このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。 そして、ご友人にも是非ご紹介ください!(゜▽゜) テレ朝系の動画配信サービスで展開しております”だんすたっ!”♪♪ 今年の夏も学生の熱いダンスの大会が配信されております!! 是非チェックしてみてください♪♪ http://www.tv-asahi.co.jp/douga/danceta このメルマガの購読者の方も出演されてるかも?!w メルマガ登録は、やメールアドレス変更は簡単に登録できます!! HPから登録できるので、やってみてくださいね! http://www.dance-abroad.com/  _ ∧_∧ __ /  (・ω・) /チラ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 次回のメルマガは、 10月13日(火)発行予定です。 お楽しみに!p(^^)q

佐藤佑樹さん/モーツァルテウム音楽大学夏期国際音楽アカデミー&アレグロ・ヴィーヴォ室内楽マスタークラス

-まず簡単な自己紹介、現在までの略歴を教えてください。 佐藤さん:京都市立芸術大学卒業後、大学院に進学し、卒業後は一年間社会人を経験した後、現在留学に向け準備中です。 -今まで講習会などに参加したことはありますか?海外に行かれたことはありますか? 佐藤さん:昨年ウィーン国立音大のサーマーセミナーに参加しました。それが人生で最初の海外セミナー参加となり、それをきっかけに興味を持ち今年の夏もセミナーに応募しました。 -この講習会に行きたいと思った理由やきっかけはなんでしょうか? 佐藤さん:ウィーン国立音大の教授のレッスンを受けることを目的に昨年も参加し、昨年レッスンを受けた先生は、ご年齢の問題で新規の生徒を受け付けていないということで、帰国後アンドビジョンさんにヒンターフーバー先生と繋いでいただき、先生が参加される講習会に今年は参加しました。 -講習会はどんなスケジュールが組まれていましたか? 佐藤さん:モーツァルテウムは45分、アレグロ・ヴィーヴォは約60分のレッスンでした。モーツァルテウムは14〜15人の参加者で、一人3回のレッスンでした。アレグロ・ヴィーヴォの参加者は5〜6人でほぼ毎日レッスンでした。可能な限りレッスンしてくださる先生で、受講生の数に応じてレッスン時間と回数を調整するという感じでした。 -先生はどんな人でしたか? 佐藤さん:人間味溢れる方で、朗らかでいつも笑顔で本当に優しい先生でした。また、とても真面目で、レッスン前の時間は既に先生が練習されていたりと音楽に対して誠実な方でした。熱量高く、ご自身に対してハードルが高い方なのかなと思いました。口調とか表情まで厳しいわけではないですが、笑顔でレベルの高い要求をしてくるというギャップが面白い先生でした。セミナー期間中に先生が伴奏されたコンサートでは、全曲暗譜で演奏されていて、セミナー期間中でも隙間時間で練習をして、音楽を深く理解して演奏する為にそこまでしている姿はとても刺ささりました。ピアニストとしての理想の姿を体現されている方だなと思ったので、僕にとっては理想とする完璧なピアノの先生でした。オンラインレッスンをずっと受けていましたが、対面でのレッスンは比べ物にならなかったです。コミュニケーションを取るにしても、オンラインかつ通訳を挟んでのコミュニケーションは距離があり、雑談をする時間もないので、仲良くなれる雰囲気を作れなかったですが、対面でレッスンを受けて、ようやく先生との距離が近くなり仲良くなることができました。また、目の前で演奏を聞いていただいて、目の前で指摘してもらえるのはレッスンの質としてとても高かったです。 -レッスンでは、どんなことを教わりましたか?教わったことで、印象に残っていることはありますか? 佐藤さん:楽譜に忠実に演奏することです。堅苦しい演奏とか楽譜にぴったり合うようにちゃんと弾きましょう。ということではなく、楽譜に書いてあることを正しく読んで理解した上で最大限好きなように演奏する。そこまでやって初めて楽譜通りなんだということが本質だと感じました。楽譜通り弾けているうえで、より深くより表現しよう。という演奏の組み立て方、練習の仕方が、どの時代どの作品でも一貫していました。クラシック音楽は楽譜ありきの音楽なので、それを守った上で素敵な演奏にしていく姿勢からウィーンの伝統みたいなものを感じました。ウィーンの音楽が素敵な理由は、そういう姿勢にあるんじゃないかなと感じましたね。 -レッスンは何語で受けましたか? 佐藤さん:英語でコミュニケーション取っていました。モーツァルテウムの方でも通訳さんに手助けいただく機会はほとんどなかったです。通訳さんを介さないレッスンはスムーズで、同じ時間ですが長い時間レッスンしてくれているような感覚になりました。 -講習会中に、人前で演奏する機会(コンサートやコンクールなど)はありましたか? 佐藤さん:両方ありました。講習会全体の代表者コンサートも両方あり、それとは別にクラス全員門下生同士で聞き合うというのがありました。音楽祭の中のセミナーだったので、コンサートは毎日ありチャンスがあれば演奏できる人もいました。 -練習はどこでしたのですか?どのくらい練習出来ましたか? 佐藤さん:モーツァルテウムでは練習室を1日3時間まで借りることができました。初日にレッスン日程が分かるので、事前に受付で予約していました。アレグロ・ヴィーヴォでは、近くの音楽高校の練習室を借りていました。8部屋の練習室があり、8:00〜14:00、14:00〜20:00までの2分割での予約。ただ、午前中に練習した日はその後練習ができないので、翌日朝からレッスンなどは困りましたね。受講生同士でコミュニケーション取って、短時間借りることもありました。 -レッスン以外の時間は何をしていましたか? 佐藤さん:観光はほとんどしませんでした。外食程度です。基本的にはすぐ寝て、また早く起きて練習しなきゃいけないような状況でした。あとは、レッスン前後は聴講したり、時間ある時は他の先生のレッスンを聴講したりもしました。 -街のようすはいかがでしたか?(治安、人々の様子、外観など)  佐藤さん:両方ともそんな悪いっていう感じではないと思います。スリの被害はやはり聞きました。バスや特にスーパーマーケットでの被害を聞くことが多かったです。最低限の貴重品の管理とかはしておかないといけないと思います。街の様子はザルツブルグも中央駅から離れてしまうとだいぶ田舎町ですが、綺麗に整備されていました。欲しいものが揃わないことはないと思います。ホルンはハイジを想像させるような場所で、見渡す限り畑と野原が広がっています。夏でしたが夜中は14度くらいまで下がることもあり、昼間も少し肌寒いくらいでした。天気が変わりやすいので、傘を持っていないと困りました。 -宿泊先はどこに泊まりましたか?どうでしたか? 佐藤さん:学生寮に宿泊しました。モーツァルテウムの方は広めのワンルームで、キッチンがあり、コンロ2口あり、料理がちゃんとできるような環境で冷蔵庫も付いていました。コインランドリーが寮にありますが、周りの受講生などによって清潔度が変わったりするので日本人的には抵抗があるかなと。アレグロ・ヴィーヴォの部屋は狭かったです。二段ベットと机1台とクローゼットのみでした。2人部屋だったので、気を使う必要があり一人部屋に比べると快適ではないかと思います。コインランドリーも綺麗で、食堂の食事も美味しかったです。 -お食事はお口に合いましたか? 佐藤さん:モーツァルテウムでは自分で料理したり、大学前のサンドウィッチ屋さんによく行っていました。 -宿泊先と講習会場はどのように移動しましたか? 佐藤さん:モーツァルテウムはバスを利用しました。アレグロ・ヴィーヴォの移動は歩きです。徒歩で5〜10分くらいでした。 -海外の人達とうまく付き合うコツはありましたか? 佐藤さん:コミュニケーションをちゃんと取ることだと思います。挨拶もそうですし、合う合わないはあるので、無理に全員と仲良くする必要は決してないと思いますが、話せるかなって思った時に話してみたり、小さなコミュニケーションをちょっとずつ挟むのが大事かなと思います。拙い英語でも、話しかけてくれるってことが嬉しいし、一言でもコミュニケーションに繋がると思います。 -留学中に、困ったことなどはありますか? 佐藤さん:困った事ではないですが、生活必需品を色々持っていきましたが、現地で簡単に手に入るので荷物減らせるかなと思いました。あと、アプリを活用して生活することが必要です。コインランドリーの支払いもアプリだったので、アプリを活用できるかできないかでは天国と地獄みたいなぐらい違うと思います。 -留学して、何か自分が成長したなと思う事はありますか? 佐藤さん:朝から晩までピアノのことしか考えない生活だったので、しんどかったですが行って良かったと思っています。観光する時間もなかったので、楽しい思い出かと言われるとそうではないですが、一か月間とは思えないぐらい濃厚で、ものすごい成長のある時間でした。ヨーロッパは、音楽に集中しやすいような環境なのかなとも思いました。クラシック音楽に関わりのあるものがスッと視界に入ってくることが小さなモチベーションになって、クラシック音楽やピアノに向かっていける部分があったと思うので音楽家として成長する上で留学することはとても良い選択だなと思いました。 -今後留学する人にアドバイスしておきたいこと、しっかり準備しておいたほうがいいことなどありますか? 佐藤さん:事前の練習はやっとけばやっとくほどセミナー期間中は楽だと思います。また、音楽に関係のあるものに関しては全部用意してから行った方がいいかなと思います。例えば先生に渡す楽譜とかは基本的に原本を持っていき、どの版の楽譜を使っているかや、間違いがないか確認してから渡航した方がスムーズです。やる気や目的があって、ちゃんと練習している人には先生も思い入れ持ってレッスンをしてくださるので、少しでも留学したい気持ちがあれば海外に行ってレッスン受けて、ガッツリ音楽に集中したら絶対思い出に残るセミナーとか渡航になるかなと思います。 -今後の活動は?進路などありましたら教えてください。 佐藤さん:ウィーン国立音大を受験予定です。入学してヒンターフーバー先生のレッスンを受けて、ヨーロッパ国際コンクールとかにもチャレンジしたいと思っています。ウィーン古典派とブラームス、シューマンの研究に力を入れ、帰国した時に研究を生かして子供達に指導できればいいなと思っています。 -ご協力ありがとうございました。

★2/17・ 18:00-【☆ウィーン国際夏期ピアノ講習会☆】現地講習会担当者がプログラムについて解説致します!★

ウィーン国際夏期ピアノ講習会
Information Session
~ウィーン国際夏期ピアノ講習会オンライン説明会~
参加費無料・完全予約制・オンラインでの参加も可能です

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場所:≪アンドビジョン・東京オフィス≫
〒101-0052
東京都千代田区神田小川町3-8 神田駿河台ビル2階
JR御茶ノ水駅御茶ノ水口から徒歩7分、東京メトロ半蔵門線神保町駅から徒歩5分程度

♪参加ご希望の方は、こちらからオンライン予約フォームを送信して下さい。

※説明会予約を選択→その他ご要望等に“ウィーン国際夏期ピアノ講習会”とご記入下さい。

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キューバ共和国

キューバ国旗キューバは「カリブ海の真珠」といわれるほど美しいシラスなのビーチを持つ島。歴史的には経済困難に陥ったりさまざまな苦難がある国だが、観光業で復活した。キューバ独特の料理やサルサ音楽、人々の明るい笑顔も魅力的な国だ。

基本情報
正式国名&英語表記 キューバ共和国 Republic of Cuba
首都 ハバナ
面積 110,922km2(本州の約半分)
人口 1,127.3万人(2002年ECLAC)
人種 ヨーロッパ系25%、混血50%、アフリカ系25%(推定)
言語 スペイン語
宗教 宗教は原則として自由
通貨 ペソ。補助通貨はセンターボ。
為替レート 1ペソ=1米ドル(公式レート)=107.695(2005年6月4日)
(非公式レートは1ドル=約26〜28ペソ)
紙幣 1、3、5、10、20、50、100
硬貨 1センターボ、5センターボ、20センターボ、1ペソ、3ペソ
電圧 110/220V、60Hz
時差 マイナス14時間。サマータイム実施期間はマイナス13時間
祝日 1/1 解放記念日、5/1 メーデー、7/26 革命記念日、10/10第1次独立戦争開始記念日、12/25クリスマス
在留邦人数 201人(2004年)日系人約800人
電話国番号 53
緊急電話番号 警察案内センター:(53-7)82-0116/パトカーの呼び出し:(53-7)62-9066/(53-7)62-9067、消防署:(53-7)81-1115、救急車:(53-7)40-4551/(53-7)40-5093

物価
キューバの物価は幅広く、旅行者価格の場合は日本と同じぐらいか、割安なこともある程度だろう。税金が15%かかってくる。観光客相手の所では米ドルの使用も可能。1食あたり安くて105キューバペソから高くて420キューバペソ程度。宿泊は315ペソから高くて2100ペソといったところ。観光客のいない地方になると物価は一挙に安くなる。
GDP 27,600百万ペソ(02年中銀)
一人当たりGDP 2,445ペソ(02年中銀)
経済成長率 2.6%(03年経済企画省)
物価上昇率 -1.4%(02年中銀)
失業率 3.0%(03年経済企画省)
主要貿易品目
(1)輸出 砂糖、鉱物、魚介類、コーヒー、タバコ
(2)輸入 燃料、工業製品、化学品、機械
主要貿易相手国 (1)輸出 ロシア、オランダ、カナダ、スペイン、中国
(2)輸入 ベネズエラ、スペイン、中国、カナダ、イタリア

気候
キューバの気候は亜熱帯性海洋気候で、乾季と雨季がある。乾期は11月から4月、雨期は7月から10月年間を通して平均気温25.5度と暖かいが、貿易風の影響で夏の暑さも意外に過ごしやすい。ハリケーンが9,10月は多いので、計画をきちんと立てよう。
現在の天気
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ビザ 観光目的で30日以内の滞在ならビザは必要ないが、かわりに「ツーリスト・カード」が必要。学生ビザについてはこちら
パスポート 残存有効期間が滞在日数以上あること

大使館などの在日政府機関
キューバ共和国大使館 Embassy of the Republic of Cuba in Japan
〒106‐0044 港区東麻布1丁目28-4
Tel:03-5570‐3182
開館時間:9:30〜17:30 (木・金は 17:00 まで)
領事部開館時間:9:30-12:00
ビザの取得について
電話番号:03-5570-4481 FAX番号:03-5570-4483

現地日本大使館
在キューバ大使館 Cuba
Embajada del Japon
Centro de Negocios Miramar, Edi, 1-5 to. Piso, Ave. 3ra, Esq, a 80, Miramar, Playa, Habana, Cuba
(Apartado No. 752)
Tel: (53-7) 204-3355 Fax: (53-7) 204-8902

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千々岩英一さん/ヴァイオリン/パリ管弦楽団副コンサートマスター/フランス・パリ

「音楽家に聴く」というコーナーは、普段舞台の上で音楽を奏でているプロの皆さんに舞台を下りて言葉で語ってもらうコーナーです。今回はフランスでパリ管弦楽団副コンサートマスターとして、パリ地方音楽院およびパリ市立音楽院教授としてご活躍中の千々岩英一(チヂイワエイイチ)さんをゲストにインタビューさせていただきます。「音楽留学」をテーマにお話しを伺ってみたいと思います。
(インタビュー:2009年3月)


ー千々岩英一さんプロフィールー

パリ管弦楽団副コンサートマスター
パリ管副コンマス千々岩英一さん

東京芸術大学音楽学部附属音楽高校を経て同大学を卒業後、フランス政府給費留学生としてパリ国立高等音楽院に学び、審査員全員一致の一等賞を得て卒業。田中千香士、数住岸子、ピエール・ドゥカン、オリヴィエ・シャルリエ、フィリップ・ヒルシュホルン、ワルター・レヴィンの各氏に師事。1998年よりパリ管弦楽団で副コンサートマスター。パリ国立地方音楽院およびパリ市立音楽院(パリ13区モーリス・ラヴェル音楽院)教授。ソリストとしてドナウエッシンゲン音楽祭(ツァグロセク指揮フランス国立管弦楽団)、パリ・シャトレ座のパリ管弦楽団定期演奏会、東京シティフィルハーモニック管弦楽団の定期演奏会などに出演した他、室内楽奏者としてベルリン芸術週間、「パリの秋」音楽祭、ルーヴル、オルセー美術館室内楽シリーズ、イギリス・オールドバラ音楽祭など多数演奏。CDはスカルコッタス作品集 (Bis) 、ノーノ、ラッヘンマンの弦楽四重奏曲(仏Assai)、マルク・アンドレ・ダルバヴィの協奏曲(エッシェンバッハ指揮パリ管、仏Naive)などが出ている。


-初めに簡単にご経歴をお願いします。

千々岩 1969年に東京に生まれ、5歳からバイオリンとピアノを始めました。10歳からバイオリンに専念するようになり、東京芸大の付属高校、東京芸大と進み、その後、パリ国立高等音楽院に留学しました。音楽院在籍中にパリ管弦楽団の副コンサートマスターになって、今年で11年目です。

-バイオリンを始められたきっかけは何ですか?

千々岩 はじめにピアノを習った先生のお姉さんが、芸大をオーボエ専攻で出た方だったんですが、バイオリンも教えておられていたんです。それで、せっかくだから両方習ったらいいのではないか、ということで、始めました。僕は、習い始めてすぐに、「自分はピアニストになる」と決めていたんですが、8 歳くらいのときに、ピアノの先生から、「ピアノで食べていくのは難しいから、バイオリンに専念したほうがいいのでは」と言われて、バイオリニストの先生(小林久子氏)について仕方なくバイオリンに集中するようになりました。

-そんなに早くからプロになる道を考えていたんですね!

千々岩 音楽家の家系ではないのですが、父親も母親もとても熱心でした。音楽に憧れがありつつも自分ではできなかったという想いがあったのだと思います。僕自身、バイオリン、ピアノに関わらず、小さい頃から音楽がとても好きだったので、「これを職業にしたい!」と思ったのも、だいぶ早かったですね。

-それでは、8歳のときに先生から「ピアノでは食べていけないわ」と言われたときは、ショックでしたか?

千々岩 先生(平尾はるな氏)はパリ音楽院で勉強されて、プロの世界をよく知っている方でした。先生からしたら、男がピアノでコンサーティストをやっていくには、よっぽどの飛び抜けた才能がないと難しいと感じたのではないでしょうか。その点、バイオリニストなら、オーケストラでも弾く機会があるので可能性があるのではないか、という話だったんです。もっともそのころはオーケストラなんて、TVで見るくらいで生で聴いたこともないし、興味ありませんでしたが。

-そこからは、もうバイオリンを中心に学んでいかれたのですか?

千々岩 そうですね、10歳からはバイオリン一本でした。ピアノは高校の副科で再開するまでは先生には付かず、自己流で弾いていた程度でしたが、今でも、本当はピアニストになりたかったという恨みは残っています。やはりレパートリー的には魅力的な楽器ですから。ピアノをあきらめたときは悲しくて激しく泣いたことをいまだに覚えています。

-パリにご留学されたのは何歳のときですか?

千々岩 大学の四年生のときです。卒業するまで待つとパリ国立高等音楽院の年齢制限に合わなくなるので四年の秋に入試を受け、その時には芸大の必修単位は卒業試験以外ほぼ取り終わっていたので、半年間のうちに数回パリと東京を往復して芸大も卒業しました。

-ご留学を考えるようになったのは何歳のときですか?

千々岩 国際コンクールを受けるために、18歳のときに初めてヨーロッパに渡ったときにヨーロッパの文化に初めて接し、その空気の中で生活したいという気持ちを強く持ったんです。それから、講習会などに参加するようになり、留学を具体的に考えるようになりました。

-初めからフランスへの留学を希望されていたんですか?

千々岩 最初はロシアへの留学を考えていて、大学時代はロシア語も学んだりもしていました。ところが、当時のロシアでは、留学の学生ビザが下りなかったんです。他の可能性を考えたときに、初めて教わったピアノの先生や大学でのバイオリンの先生(田中千香士氏)がパリに留学されていたこともあってフランスには親近感を覚えていたので、ロシア以外だったらフランスを留学先として自然に考えるようになりました。

-どのように師事する先生を探されたんですか?

千々岩 国内の講習会で、ピエール・ドゥカンというパリ国立高等音楽院の教授と知り合いまして、留学を大学3年と4年の間の春休みに決めました。パリのオペラ座のコンサートマスターを長く勤められた方で、講習会で接した演奏も素晴らしく、留学が決まったときはとても嬉しかったです。東京では壁にぶちあたっていたので、心機一転、いちからやり直す気でした。

Image-パリ国立高等音楽院というとトップレベルの学校ですが、入試はどんなものでしたか?

千々岩 年齢制限があって、バイオリンの受験資格は22歳までだったんです。僕は、当時2か月ほど22歳を超えていたので本来なら資格がなかったのですが、先生が音楽院と交渉してくださったんです。その結果、特別に許していただいて入試を受けることができました。フランスの場合、なにか規則に引っかかって実現が無理なように見えても、交渉次第でなんとかなることがよくありますね。入試は、そんな事情もあったので他の受験生がだいぶ若く見えました。

-留学前にフランス語の勉強はされていたんですか?

千々岩 大学の第一外国語をフランス語でとっていました。学校で学ぶフランス語は文法中心で、会話のテクニックはほとんどこちらに来てから覚えたという感じです。

-そうすると、入学後に語学の面で少し苦労されましたか?

千々岩 フランス語はなかなか発音が難しくて、自分では文法的にきちんと話しているつもりでも、通じていないことがあったり(笑)。いまではパリ音楽院の入学資格の条件のひとつにフランス語能力もあるようですし、当時の音楽院のカリキュラムでは、フランス語を習う時間というのはまったくなかったので、友だちと会話する中で、実地で学んでいったという感じです。

-ご留学後、日本の音楽とフランスの音楽で感じた違いは何でしたか?

千々岩 日本だと、合奏をしてもまず縦の線を常に意識するところがあると思うんです。パリ音楽院の選択授業でグレゴリオ聖歌を一年間やったときに、横に流れていく音楽を実感しました。そのとき特にフランスでは、縦の動きよりも横の動きへの志向が強いのかもしれないということを肌で感じました。

-フランスの音楽というのは、色彩的できらきらしているイメージがありますものね。

千々岩 そうですね、それはドビュッシーやラヴェルが活躍した時期が、印象派絵画の最盛期だったのでそれらが短絡的に結びついて、フランス音楽イコール印象派という先入観をあたえるからかもしれないですね。僕はとくにフランスものだけが色彩感が豊かというわけではないと思います。

-なるほど。パリ国立高等音楽院は何年間、在籍されていたんですか?

千々岩 いわゆる普通の大学のコースだと当時のカリキュラムとしては卒業のために最低3年、最高5年かかりました。そのあとに日本語に直訳すると完成科という課程がありました。その課程を直接受験することも考えたのですが、そこは大学院というよりもむしろディプロマコースのような感じで、バイオリンだけに専念するコースだったのであまり興味がわかなくて、まずは本科で3年間学びました。専門楽器のレッスン以外に楽曲分析、室内楽、オーケストラ、合唱(混声合唱、またはグレゴリオ聖歌)が必修、在学中にシステムが変わってオプションで指揮や即興、エクリチュール(書法)など興味に応じて単位を取ることができるようになりました。バイオリン科を卒業した後、バイオリンの完成科に2年いて、その後、カルテットで室内楽の完成科に2年いました。

-計7年の間、在籍されたのですね。

千々岩 日本を発つときから、将来はいずれフランスで仕事を見つけて食べて行こうと思っていたので、様子を見るためにもなるべく学校には長く在籍した方がいいなと思っていたんです。やはり、すぐに食べられるようになるわけではないし、学生をしながら少しずつ演奏活動をして、仕事に繋げていこうと思っていたんです。さいわい両親も協力的で、フランス政府の給費が三年で終わった後も援助を続けてくれました。結局、6年目にオーケストラに入って、音楽で食べて行けるかどうかとても心配していた両親を安心させることができたことが、何よりも嬉しかったです。

Image-一番最初からパリ管弦楽団ですか?

千々岩 はい。最初から今のポストで入団しました。

-すごいですね。フランスでオーケストラに入団したいと希望する方は多いと思いますが、履歴書を送って推薦状をもらってテストを受けられるという感じですか?

千々岩 ドイツなどはそうだと思いますが、フランスの場合は割ともっとオープンで、誰でも受けられるんですよ。例えば、オランダなど他のヨーロッパの国では、ヨーロッパの市民権を持っていないと受けられなかったりもしますが、フランスではそんなことはなくて、外国人でも誰でも受けることはできます。例えば、日本に住んでいて紹介状がなくても受けられます。要は楽器さえ弾ければ入ることができるんですよ。

-募集の情報は、どういったかたちで手に入れることができますか? 大々的に公表していますか?

千々岩 音楽雑誌に掲載されていたり、音楽院に行くと募集のポスターが掲示されています。あとは、今はインターネットで見ることができるようになっていますね。どのオーケストラのウェブサイトにも求人のコーナーがあります。

-千々岩さんが受けたオーディションはどのような様子でしたか?

千々岩 僕が受けたのは、ソリスト(首席)のオーディションだったので、受験者自体がそれほど多くありませんでした。一次でイザイの無伴奏ソナタ、課題のオーケストラスタディを弾いて、二次はブラームスのコンチェルト、さまざまなスタイルのオーケストラのソロ、三次試験でバッハの無伴奏ソナタとオーケストラスタディ、ソロを弾きました。パリ管で既にトゥッティで在籍しているひとが10人くらい一次免除で二次試験から加わったと覚えています。

-そもそもパリ管弦楽団のオーディションを受けたきっかけは何ですか?

千々岩 どうしてもパリ管に入りたかったというわけではなく、あと1年しか学校に籍を置けないことがわかっていたので、その
間にとにかく空いている席を受けないと、フランスを去らなければいけなかったんです。ですので、切羽詰まって仕方なく、ですかね(笑)。

-では、当時、他のオーケストラのオーディションも受けられていたんですか?

千々岩 オペラ座のオーケストラの第一コンサートマスターの席も受けました。そのときはうまく弾けなくて、途中で落ちてしまいました。そのちょうど2か月後が、まったく違うプログラムでのパリ管の試験でした。二回の試験の間にアパートで部屋の模様替えをしたときにギックリ腰になって一週間くらい動けなくて辛かったことを覚えています。オーケストラの募集について言えば、自分が受けたいときに自分に適した席が空いているかどうかわかりませんし、せっぱつまれば火事場の馬鹿力も出てくるし、運の善し悪しがかなりあると思います。

-ドイツではオーディションのときにカーテンがあるという話を聞きますが、パリ管ではいかがでしたか?

千々岩 ないですね。他のオーケストラでもあったりなかったりだと思います。そのあたりは、毎回変わると思います。

Image-例えば、日本人が有利な面や不利な面はありますか?

千々岩 試験官の立場で審査するときに、とくに人種差別があると意識したことはありません。ただ、先入観は働くでしょうね。日本人の場合、クリーンに弾ける以上に何かないと難しいとは思います。

-そうなんですね。

千々岩 受かっても、その後半年から一年の間、試用期間があるのですが、その間にアウトになる人もけっこういるんです。外国人だとコミュニケーションの問題がある場合が多いんですよね。

-なるほど。そういう意味で、演奏以外のパーソナリティも重要視されるんですね。

千々岩 そうですね。パーソナリティと言われても、何をしていいか分からないから、本人は結構きついです。フランス人の場合、初めにエキストラで弾いて、ある程度オーケストラ独自の雰囲気が分かってから試験を受けて入ることが多いと思うんです。エキストラに呼ばれるためには一度入団試験を受けて好成績を残したり、先生からの紹介などが必要になります。僕の場合は、オーケストラの中に一人も知っている人がいなかったので、心細い感じはありました。ただ、その前にフランスの現代音楽のアンサンブルで仕事をしていたので、そこでの経験がオーケストラに入ったときに役に立ちましたね。それがなかったら、多分、中に入っていくのが難しかったのではないかなあと思います。

-今では、パリ管弦楽団の仕事の他に、パリ地方音楽院、パリ市立音楽院でも指導されているんですよね?

千々岩 はい、パリ地方音楽院(CNR改めCRR)は3年前にパリ管の首席コンサートマスターのドガレイユさんのポストを引き継ぎました。また、パリ市の音楽院でも教えています。パリ市には20区まであって各区に音楽院があるのですが、13区で指導しています。ここはパリのなかでは規模、レヴェルともに一二を争う学校のようです。

-いろいろな国の生徒さんに教えてらっしゃるのですか?

千々岩 日本人の生徒さんもいます。CRRは初めたときは6人生徒がいたのですが、そのうち3人が日本人で、あとはフランス人が2人、アメリカ人が1人でした。市立音楽院ではフランス人4人。

-アメリカ人の生徒さんに教える場合は、授業は英語ですか?

千々岩 いえ、フランス語です。英語は以前にくらべて話せなくなってしまいましたね。話してもフランスなまりの英語になってしまいます(笑)。

-今でも日本人の生徒さんは多いのですか?

千々岩 どこかの音楽院に登録して滞在許可をもらっている学生が、プライベートで僕のところにもレッスンを受けにくるという感じです。最近は、日本人に限らずオーケストラの入団試験の準備に来る人も多いです。

-なるほど、なるほど。

千々岩 せっかくフランスに来るのですから、フランス人の先生にフランス語で習うというのは、妥当なことだと思います。フランス人の先生とフランス語で話すというのは大切なことなんですよ。フランスに来てレッスンだけの学校に入ると、グループレッスンでもないかぎり音楽の話をフランス語でする機会というのが極端に少なくなってしまうんです。フランス人は、わりと排他的で、外国人の友だちを積極的に作りたいと思っている人はあまりいません。こちら側から積極的に話しかけていかないと、なかなか向こうからは仲間に入れてくれません。

-千々岩さんはどうされていたのですか?

千々岩 僕の場合は、室内楽をフランス人と演奏することで、だんだんと人の輪が広がっていった、という感じです。

Image-千々岩さんにとって、音楽とは何でしょうか?

千々岩 僕にとって音楽はコミュニケーション・ツールです。フランスに来たばかりで、言葉が出来ない頃でも、音楽を通してだったらコミュニケーションがとれているという実感はずっとありました。ですので、音楽も言葉の一つという意識が強いです。

-長い間、パリで活躍してこられたわけですが、これから先の目標があれば教えてください。

千々岩 実は、自分がやりたかったことは、もうほとんど実現してしまったんです。現代音楽をすることもできたし、カルテットをする夢もかないました。それから、コンチェルトを弾くという目標も果たすことができました。これまでに自分が積極的にしてこなかったことで言えば、録音を残したいなと思っています。自分の企画でアルバムを残したいですね。これが、外面的な目標です。もっと内面的なことで言えば、演奏の際に音楽とよりいっそう一体化できるように、深めていきたいと思います。

-最後に、留学を考えている方にアドバイスをお願いいたします。

千々岩 自分で求めることがあれば、環境が整えば得ることができます。でも、何がやりたい、と具体的に求めることがないと、どうにもなりません。それは日本でも同じだと思います。とりあえず行けばなんとかなる、ということはありません。

-具体的にやりたいことを定めてから留学をしたほうがいいということですね。

千々岩 言葉が通じないなど、外国に来ると壁が立ちはだかることもあるかと思いますので、そこで味わう辛さにくじけない強さが必要になってくると思います。今は、情報がかなりあふれている時代で、留学生のブログなどを目にすることもあるかと思います。そこに書かれているのを読むと、おいしいもの食べて、コンサート聴きに行って楽しそうだな、なんて思うんですが、負の部分は、なかなか目にすることができないのではないかと思います。また、留学をしたからといって、それでいきなり自分がグレードアップされるわけではないということも、肝に銘じておかなければなりません。

-千々岩さんご自身は、そういった留学後の言葉が通じない辛さはどうやって乗り越えられましたか?

千々岩 僕は、逆に日本にいる頃、居場所がない感覚を感じていたんです。だから、居場所をどうしても見つけなきゃいけないという思いで日本を出たので、言葉が通じないという状況に対して、あまり辛いとは感じませんでしたね。試練の一つと思っていました。ただ、振り返ってみると、僕は友だちに恵まれていたんです。外国人の友達、そして日本人の友達。よく「言葉を覚えるために、わざと日本人とは関わらないように努力する」なんて話も耳にしますが、僕は、日本人の友達もすごく大事だと思います。やはり苦労を共にする同志ですから。無理して排除するのは、気張っていて大変だなぁ(笑)と思います。

-偏らないのが大事ですね。

千々岩 本当にそうですね。若い生徒たちを見ていると、初めは友だちもいなくて、暗い顔をしているんですが、みんな伸び伸びとやっていますよ。それぞれ交流ができて、だんだん明るくなってくる、パリがだんだん自分の庭になってくる、それが目に見えて分かるんですよ。

-そういった精神的な成長とともに音楽も変わってきますよね。

千々岩 うん、それはあると思います。僕は日々を生きるうちに感じること、見聞きすることのひとつひとつすべてがフィルターになって音に表れると思います。個性というのは、無理矢理見つけなくても自分の中から滲み出てくるものだと思います。だから、普通に自然体でやっていくのがいいと思います。

-今日は本当に貴重なお話をありがとうございました。

注)パリ国立高等音楽院を目指す方は最新の情報を必ずご確認ください。2008年に改革がありカリキュラムが大きく変わっています。

コピー 葉玉洋子さん/サンタチェチリア音楽院声楽教授/イタリア・ローマ

「音楽家に聴く」というコーナーは、普段舞台の上で音楽を奏でているプロの皆さんに舞台を下りて言葉で語ってもらうコーナーです。今回、で声楽の教授としてご活躍中の葉玉洋子(ハダマヨウコ)さんをゲストにインタビューさせていただきます。「音楽留学」をテーマにお話しを伺ってみたいと思います。
(インタビュー:2012年5月)
―葉玉洋子さんプロフィール―
福岡県出身、広島大学高等教育学部音楽科卒業、大阪音大専攻科終了。大阪芸術大学音楽課声楽科講師。イタリア、ローマサンタチェチリア音楽院、サンタチェチリア アカデミーで学び、ローマを中心にイタリアの重要な国立歌劇場で数多くのオペラを歌う。パルマ国立音楽院、ボローニャ国立音楽院声楽科教授を歴任後、現在ローマ・サンタチェチリア国立音楽院声楽科専任教授としてイタリアベルカント唱法、イタリア、フランスドイツオペラを教えている。 -まずは、葉玉様の簡単なご経歴を教えていただけますか。

葉玉  イタリアに35年住んでいます。福岡県の出身です。広島大学を卒業したあと、大阪音大の専攻科に行きまして、そのあと大阪芸術大学の声楽科で2年間教えました。その後ローマに留学してローマ・サンタチェチリア音楽院に入りました。在学中に国際コンクールで第1位になり、すぐにイタリアの国立歌劇場で歌い始めました。成功の一番の要因は、ペーザロで開催される非常に重要なフェスティバル、第1回ロッシーニ・オペラ・フェスティバルの主役に抜擢されたことが大きいですね。そのことが、イタリア中の新聞に書かれたところから始まりました。

-プロの歌手としてご活躍されるようになったきっかけはありますか?

葉玉  国際コンクールで1位になって声がかかるようになり、最初はロッシーニのオペラばっかり歌っていたところ、ペーザロの主役に抜擢されたわけです。その後は、イタリア中の国立オペラ座から呼ばれて、たくさんのオペラ座で歌うことができました。ヴァチカンで、ローマ法王御前演奏、ヨーロッパ青少年オーケストラと競演したり、イタリア各地を回ったりもしました。コンサート、主にオペラを歌っていました。
そのあとに、国立音楽院の声楽の教授になる国家試験を受け、通りまして、パルマ、ボローニャ、そして今はローマのサンタチェチリア音楽院声楽課選任教授として教えています。

-出身の音楽院ですね。最初のローマへの留学のきっかけはあったのでしょうか?

葉玉  友達が留学先のローマから帰ってきて、色々なローマでの音楽文化の世界を話してくれて、それを聞いたら、行きたいなあと思って。最初からローマに行きたいと思いました。

-最初に音楽の世界に入られたのはいつからでしょう?音楽に興味をもたれたきっかけはありますか?

葉玉  両親がクラシックをとても愛していまして、小さな頃から、親しんでおりました。母がピアノを、おばがバイオリンを弾いておりました。

-音楽一家だったのですね!

葉玉  そうですね。小さな頃から、色々な楽器を習いました。ピアノ、バイオリン、フルート、歌も大好きで、機会があれば色々なところで歌っていたんです。小さいときから、音楽家になることは、わたくしにとって普通のことだったわけです。

-たくさんの楽器の中から声楽をえらばれたのはなぜ?

葉玉  歌が大好きだったんですね、楽しくて。バイオリンは毎日6~7時間は勉強しないと、プロにはなれません。遊ぶ時間がなくなるので、バイオリンではプロにはなれないと思っていました。遊びたかったんですね(笑)。とにかくビバーチェ、活発な少女でした。スポーツもやりましたし、家の近くで蝶々取りや、木を登ることが大好きでした。オペラを歌うのには体の動きが重要ですので、スポーツ・体操のニュアンスも非常に大切です。日常生活での体の動きは小さなものだと思うのですが、オペラでは大きく動くことが大切です。
声楽というのは、高校に入るころ、15~16歳くらいでは、まだ早いんですよね、高校の3年生から正式に声楽の勉強を始めました。幼少時は、小さかったから声楽を勉強する歳になってなかったので、楽器を習ったということです。バイオリンやフルートは、レガートを勉強するのに非常に良かったです。イタリアでは、カンターレ・エ・レガーレ(Cantare è legare)と言うのですが、歌うのはレガートすることだ、と特に重要視します。のちに声楽を勉強しはじめたときに、感覚がもうすでに体の中に入っていたので、とても助かりました。

-昔やっていたことが全部つながって役に立っているんですね。

葉玉  呼吸法は、フルートが同じなんです。横隔膜を使う、長い、長い呼吸法ですね。色々な面で、楽器を経験していたのは有利だったと思います。

-声楽を勉強するにあたってイタリアに渡られました、イタリアのよい点は?

葉玉  イタリアは、全ての音楽の形式が生まれた国なんです、オーケストラ、シンフォニー、コンサート、様々な楽器…ここから生まれているんですね。イタリアで生活していると言葉自身が非常に歌にあった言葉だと分かりますし、歌を勉強する人は一度は勉強にいらしたほうがいいと思います。言葉そのものが音楽ですので。
弦楽器も全てここから始まっています。レガートを大切にする文化、声楽でも楽器でも音楽にはレガートがないといけませんし、楽器を弾いている先生たちもすごくレガートを大切にしますので、その勉強にはイタリアが一番だと思います。テクニックはアメリカなどが非常にありますけれども、楽器を歌わせることに関しては、イタリアが一番だと思いますね。アメリカはテクニックを非常に大切にする国ですね、イタリアでは、例えばリズムがちょっとおかしくても、(楽器が)すごく歌っていればそれを認めますので、レガートをすることが一番なんですね。とにかくまずはレガートを学ぶことが基本ですね。その上で、他の国をまわることも非常に有意義だと思います。
歌の場合は、大半のオペラはイタリア語ですので、イタリアで生活していないと、ニュアンスが出ないんです。言葉に沿って作曲家は作曲していますので。違った言語の人がオペラを歌うと、どうしても変になる。歌を勉強する方たちは一度はどうしてもイタリアで生活しないと、と思います。

-イタリアでも他の国の歌曲なども勉強されるんですよね?

葉玉  もちろん私もドイツの歌曲、フランス歌曲も教えます。こちらではフランス歌曲はとても重要視されています。でも、ドイツ歌曲ではメロディが一番大切になる。ドイツと比べますと、歌う方法が違う。ベルカントの唱法で息の上にのせる歌い方、というのがあります。呼吸、今はドイツもそれを取り入れていますが、20~30年前までは呼吸法が少し違っていました。ちょっと高い、支える場所がちょっと高くて、そのために声がちょっと硬くなるわけです。支える位置が低いほど、声が柔らかくなる。全ての共鳴腔を使いますのでね、柔らかくなるわけです。今はドイツでも、ヘルマン・プライ以降は、発声がすごく柔らかくなったと思います。

-イタリアの悪い点は何かありますか?

葉玉  イタリアの悪いところは、政治が援助をしない点ですね。私が来た当初は、オペラ座はたくさん開いていてシーズンがあったんですけれど、今は本当に少なくなりました。オーケストラの数も少なくなりました。それは本当に良くないと思います。伝統的な文化にお金をかけないのは非常に良くないですね。国にお金がなくて、政治家には賄賂の問題がすごくあります。本来ならば、文化にお金を投資すると、旅行者などによってもお金が還元されると思うのですが、目先のことにのみ気をとられているというか、長い視野に基づいたプログラムができない国民なんです。

-どこもにたりよったりのところがあると思います。古い劇場のとりこわしに対しての署名運動など、日本も同じですよ。

葉玉  本当に残念です。

-イタリアを留学先として選ぶ場合、特に声楽の場合は選ばれる方が多いと思うのですが、準備などで重要なことはありますか?

葉玉  第一番としては、語学を勉強してきてください。イタリアの歌を歌うためには非常に重要です。語学が分かっていないと、イタリアの歌にはならないので。
加えて、映画でもテレビでも良いのですが、ヨーロッパ人の体の使い方を良く観て、研究して来てください。日本人とは全く違いますね。日常生活でも大分違います。何とかして真似るようにできると、本当に役に立つと思います。日本人は動作が小さいのですね。体を大きく開けて。そして絶対にしゃがまないように。例えば、何か物を落としたときに、日本人はしゃがんで取りますよね、それはこちらではサマにならないので、絶対にやらないようにしてください(笑)。腰を下ろさないで。足を曲げても良いですけれど、いつも背筋をまっすぐにして、おしりをぐーっと下に下ろさないこと。日本から来た若い子を見ていると、何か書くときになど、すぐにしゃがんじゃうんですね(笑)。
それとやはり、体づくり。何かひとつ、体操、スポーツなどをして、横隔膜を強くしてこちらに来ると、ベルカント唱法が楽に自分のものになるはずです。

-そもそも、会話をするときの声の大きさなども違うイメージがありますが?

葉玉  イタリア人は、横隔膜を使ってしゃべりますね。イタリア語自身が顔の前面にあたるようになっているんです。ずっと共鳴腔を使いますので、それが大きな声という感じがするってことなんです。響かせるってことです。日本語の通常の感覚では、横隔膜を使わずに、喉だけで発音するようになってしまうんです。横隔膜を使って話すことがとても難しい。日本語はすべての音に母音がある点は良いのですが、普段は母音を使わない発声なんですね。「もー」と言うとき、「もおー」とお腹を使うようには言わないと思うんです。日本語とは子音も違いますし。
必要なことは、言葉の準備、体の準備―横隔膜を鍛えることですね。

-イタリアに来るにあたって、気持ちの面で覚悟してきたほうが良いことはありますか?

葉玉  日本人は、正直さに慣れているんです。イタリア人は正直ではありません、ウソはあたりまえ、悪いことだとは思っていないんです(笑)。その点に本当に気をつけていただかないと、国民性が違いますのでね。日本人は正直でまじめでしょう?イタリアはそうじゃないんです(笑)、反対なんです(笑)。それを頭の中に入れて来てください、それでも皆だまされています、まあ些細なことですが、平気でだますのでね(笑)。たとえば、何か小さいものをお買い物に行きますでしょう、イタリア人は、おつりを少し少なく渡してきます、お勘定を確認するとおつりが足りない、それを言うと、おー間違えてしまいました~すみません、と当たり前のように言います(笑)。気がつかなければそのままですね。だから、ちょっと疲れますね(笑)。

-なるほど(笑)。イタリアでお仕事をされていますが、働くにあたって日本人が有利な点・不利な点はありますか?

葉玉  歌手の場合は、日本人はマダムバタフライ・蝶々夫人を必ず自分のレパートリーとしてください。日本人じゃないと歌えないので、非常に有利です。必ず日本人を見ると、マダムバタフライが歌えるか?と訊かれます。プロの歌手として成功するには、体の動きをヨーロッパ人のようにできるようにならないと貧弱に見えます、動きを大きくしないといけません。カリスマ性、人の目をずっと自分に惹きつけておく力、それは生まれつきが多いので、教えようと思ってもなかなか難しいものですが、元々その力がある方は表現の方面にはお勧めですね。

-カリスマ性というのは、後天的にも培うことができるものでしょうか?

葉玉  そうですね。育った環境も影響しますね。たとえば、学生の中でもひとりだけ何か違って目がいってしまう、事務所の中のある一人の人にどうしても目がいってしまう、ついその人を見てしまう、などの例があると思うのですが、生まれつきそういったカリスマ性を備えている方がいます。生まれつきではなくても、環境の影響や、本当にひとつの勉強に集中、それだけを愛して勉強しているとカリスマ性が出てきます。突然変わっていく歌手も沢山見てきました。常に、前進しよう、良くなろう良くなろう、と思っているとカリスマ性が出ますね、自信も必要ですね、最初はなかったけれど、だんだん自信がついてくると、カリスマ性が大きくなります。その点は人種や出身は関係ないですね。
あらゆる場所で、日本人でプロとして働いている人たちの真面目さ、正確さは、素晴らしいと思います。日本人は国民性が素晴らしい(イタリア語で●)と言います、まじめで正直で、評価されますね。イタリア人も真面目で正直であることは良いことだと思っているんですよ(笑)、でもイタリア人はちょっとごまかせるチャンスがあると、すぐやっちゃうわけです(笑)。日本人のような性質は素晴らしいと思うけれども、そうはできないと(笑)。各ジャンルで働いて成功している日本人の方は非常に尊敬されているんです。イタリア人も、どの点が素晴らしいのか分かっているはずなんですね。

-日本人がステージに立つ上で、何か不利な点はありますか?

葉玉  動きが小さいこと。そして、言葉が伝わらない限りは、どうしても舞台で歌っても伝わらず、観衆は受けてくれないんです。聴いていて言葉の意味が判らないと、表現として伝わらない。

-先生として活躍されるにあたっては、日本人であることはどのように影響していますか?

葉玉  イタリアの国立音楽院における、日本人の声楽の選任教授はわたくしだけです。声楽は言葉が土台になっているでしょう?イタリア人の歌手たちは、声楽は自分たちにしか理解できないという、自負があります。日本人が、どうしてベルカントを教えるのか?という壁は非常に大きかったです。他の人より10倍くらいは勉強しないといけなかったですね。言葉のニュアンスなど全てが分かっていないとオペラを歌えないのにという考え、それそのものは正しいと思うのですけれど、外国人がどうしてイタリア人に教えるのか、と。その壁を乗り越えるまでに非常に色々な障害がありました。大半の生徒さんはイタリア人なので、最初にわたくしと接触する際には、日本人がどうやって教えるのか?という訝しげな態度であることも多いのですが、教えていくうちに、私の中にどれだけの豊かなものがあるのか、ということが分かってくる、そうすると今度は反って、葉玉先生じゃないといやだと言ってくれるようになります。どうして?と最初は言われますね。

-でも教授しているうちに信頼を寄せられるのは素敵ですね!入学時から葉玉先生をご指名される生徒さんもいらっしゃると伺っています。

葉玉  留学してくるときから、わたくしをご指名される方もいらっしゃいますよね。大学院では教授を選ぶことができるんです。たくさんのイタリア人の生徒さんがわたくしを選択してくれます。それは本当に嬉しいです。やった!という感じです(笑)。クラスは全部で15人くらいですが、日本人の生徒さんも3人います。イタリア、ルーマニア、フィンランド、ブラジル、中国、アルジェンチンなど世界中から生徒さんが集まります。男性のほうが少ないですね、歌を歌う人口が女性のほうが多いですからね。最後におこなったサマースクールでは、12カ国から来ていました。それぞれに国家を歌ってもらって(笑)。のちに全員、勉強させて、サンタチェチリア音楽院入学させました。大変国際色豊かです。学ぶ分野としては、サンタチェチリア音楽院ではオペラと歌曲、ドイツ歌曲、フランス歌曲、それが主ですね。

-日本人として不利な点は、自ら克服されたということですね。

葉玉  そうであることを祈っています(笑)。そうはいっても、やはり今でも日本人の癖は出ますし、舞台の上ではやらないように気をつけていますがね、日常生活では日本人だと思います。体の動きなどはもう克服していると思うのですが、メンタリティが。

-まじめで正直なところをキープされているんですね(笑)、それはもう鬼に金棒ですね!先生にとって声楽・歌はどんなものでしょうか?

葉玉  そうですね、声楽を深く勉強したことによって、他の分野にも視野が拡がりました。文学、科学そういったものでも本当に分かるというか、理解できるようになると思います。ひとつのジャンルですごく深く勉強すると、他のジャンルのこともだんだん分かってくると思います。最初は音楽だけで、他のことには興味がなかったんですが、今は全て、歴史、科学など、知りたいと自然に思いますし、解剖学などは非常に勉強しました。様々なジャンルについて分かってきたようなかんじがします。

-深く、そして広くなっていくということですね。

葉玉  深くだけやっていたつもりでも、いつのまにか拡がっていて。わたしにとってはそうですね。それぞれの人によっても違うとも思いますが、声楽が全部の根源になっているということですね。

-これからの音楽的な夢などございましたら教えていただけますか?

葉玉  大きなおおきな夢があります(笑)!イタリアの各地に非常に綺麗なオペラ劇場があるのですが、かなりの数が閉まっているわけですね。1700年代、1800年代に作られた美しい劇場、大中小たくさんありますので、その中の1つを使ってオペラシーズンをやりたいんです。使わないのはもったいないです!1つの劇場を開けて、わたくしのオペラシーズンを行いたいなあ、というのがわたくしの夢です。そして、そこで毎年、新人の歌手がデビューできるようになる…大きな夢ですね。実は既にスポンサーを探したのですけれど、現在は経済危機がひどく、皆さんお金がないんです(笑)。タイミングを待っているかんじですね。

-生徒さんがデビューして、活躍して…

葉玉  大勢の様々な評論家やマネージャー、エージェントを招待して、たくさんの歌声を聴いていただいて、その中の誰かを世界中にデビューさせたいという夢ですね。
わたくし自身は、舞台からは引退しています。
わたくしは、教えることと歌手であることは両立できません。歌手は自分のことだけ考えないといけないので。歌手活動と教授活動を同時におこなった時期が最初の1年か2年あるのですが、そこでできないとわかりました。
歌手として、どういうことに気をつけるか、どういう表現をするか、どういうことを観客に提示できるか、それを勉強するには24時間でも少なすぎるぐらいなのです、自分のことだけを大切にしないと成り立ちません。
でもその状態では、生徒に何かをあげるという姿勢が全く生まれない。それだとお給料を貰うためだけに教えに行っているという感じです。教師というのは、自分の経験、持っているものを全てあげるんです。ですので、わたくしは完全に止めました、歌うのを。自分の持っている経験・豊かになったものをあげる、全てをあげないと良い教師ではないわけです。
私にとっては全く両立できることではないですね。勉強は常にしています、新しい曲にあたったりすると勉強しますが、あくまでも生徒にあげるためにです。わたくし自身が舞台で歌うためではありません。
今現在、生徒さんがいっぱいついてきて下さっている。先生のように、たくさんのものを、経験をあげたい、全部をあげたい、という先生には今まで会ったことがないと言われます。全てを、自分の持っているものを全て生徒にあげたいです。

-生徒さんにとっては非常に貴重な存在ですね!色々なところで、先生と歌手と両立されている方をお見かけいたしますので、それはスタンダードなことかと思っていたのですが、先生のお話を伺って、目からウロコでした。

葉玉  わたくしにとっては、ふたつを両立できる方は不思議ですね。完全に仕事の性格が違いますのでね。
先生として、シーズンを行うことが夢ですね、大きな夢です(笑)。もし実現できたらご招待いたします!

-ありがとうございます!イタリアで教師として活躍する秘訣というのはありますか?

葉玉  語学が完全に自分のものになっていること。そうでなければ、生徒たちと交流できませんのでね。そして、ヨーロッパ人の10倍くらいの豊かさを持っていないとたちうちできません。彼らは文化の素養を自然に体の中に持っているのでね、私たちにとって、それは外から入ってきたものですからね、やはり勉強はいつもしていないとだめだと思います。勉強とは、文化を感じることを含めてですね。たくさんの展覧会に行くことや、演劇を観に行ったりすることは、大切な勉強ですね。歴史を調べたり、解剖学などを学んだりする家の中で行なう勉強もさることながら、ファッションの歴史的な違いを観に博物館に出かけることなども全て勉強の中に入っています。日常生活全てですね。
常に生徒に何を教えようかと考えています(笑)。日本の文化では、特に哲学、禅や柔道・剣道は、集中力を育てるのに大変助けになります。わたくしはイタリアに来てから始めたのですが、日本には集中力を強くするための色々な哲学、体系がありますね。

-イタリアに限らず、海外に出て勉強しようと思っている人達にアドバイスがありましたら、ぜひお願いいたします。

葉玉  第一番に留学先の語学を勉強すること、そして良い先生をみつけること。先生の選び方を間違うと成長しないんです。

-先生の選び方というのはどのようなものがありますか?

葉玉  歌の場合は、50分や1時間のワンレッスンのあと、喉が疲れていないかどうかで分かります。喉が疲れない、体の気持ちがいい、それは良い先生です。悪い先生ですと、1時間歌わせると、声が出なくなったり、喉が痛くなったり、体が疲れちゃったり。それは、テクニックの問題、発声法の問題ですね。それは人によって違うということはありません。息を吸って吐く、それが正しく行なわれていれば絶対に疲れません。それと、もうひとつ、どこに行っても、必ず国立の音楽院に入るようにしてください。競争者が沢山いる、人に会う機会がたくさんある、歌だけでなく器楽もある、音楽史、音楽学も勉強しなければならない、色々な刺激が受けられますでしょう、人間が豊かになるんです。国立の学校ですと、教授陣が非常に良く吟味されている、長いキャリアを持って教えていらっしゃる先生が大半ですのでね、やはりレベルが高いと思うんです。それと、もし留学したいという希望があるならば、なるべく早く出発して下さい。若いほど筋肉も、頭も柔らかいのでたくさんの吸収力があります。できるだけ早いほうがいいですね。どうしても大学を終えてから、という場合では、22歳ではぎりぎりですのでね、大急ぎでいらしてください。

-年齢におけるハンディはありますか?

葉玉  もし、上手になれたとして、良いマネージャーについてもらうには、若いほうが有利ということはあります。やはり、年齢によって、例えば30歳だと歌手でお金を儲けることができる時間が少ししかない、とマネージャーが判断するかもしれない、常にマネーの問題はついてきますからね(笑)。若いとそれだけ活動期間が長いですからね、マネージャーはより若いかたをみつけようとするのは現実的です。

-なるほど(笑)。ローマという街は日本人の学生は多いですか?

葉玉  ミラノのほうが多いですね、ミラノはローマの約5倍くらいいるのではないのでしょうか?ですがベルディ国立音楽院は入るのが大変難しい。ローマサンタチェチェリア音楽院も入学試験が難しいですので学生の大半は個人レッスンだけで過ごしていると思いますが、もったいないですね。

-ビザの関係からだと、個人レッスンだけでは非常に厳しいですよね。

葉玉  その通りです。やはりできれば私立の音楽院に入って、ビザを貰って…ということですね。できることならば、国立に入って簡単にビザを貰うほうがいいですが、入学試験を受けることができるレベルになるには、準備として最低5ヶ月くらいはかかります。語学の試験もありますのでね、試験の前に現地に来て、入りたい音楽院のレベルまで何とかして届くように上げて、なんとか入学にこぎつける、そのためにはやはり事前に5ヶ月は必要です。どこの国に行っても同様に大変だと思います。

-先生は留学先を決めるにあたって、イタリア・ローマだけがみえていたのですよね。

葉玉  そうですね。イタリアオペラを聴いていると気持ちが良くて、オペラを歌いたいと思っていましたので(笑)。ミラノは気候が悪くて…寒いのと湿気が多いのと、空気が悪いんです(笑)。ローマは交通量も多いのですが、海の近くなので、空気をふぁーっと、海風が綺麗にしてくれるんですね、日光もたくさん差しますし(笑)。ミラノの音楽院もすごく良いですが。

-大変楽しくお話を伺わせていただきました。本日はお忙しいところ本当にありがとうございました!

ダンス留学アンドビジョン【ダンス新着情報 vol.10. 2015-10-13 07:00:00】

*・oo・・。oo・・。oo・・。o*・ 【1】ごあいさつ&ご案内 ○*:.。..。.。o○*:.。..。.。 様 こんにちは!アンドビジョンのです♪ 早くも来年の夏の講習会の募集が始まりました♪♪ たくさんの方のご応募お待ちしております!! ■╋■━━━━━━━━━━━━━━ ╋■┛ \\【2】学校情報 // ■┛━━━━━━━━━━━━━━━ ◆スカラ座バレエアカデミー イタリアオペラ界の最高峰とされる歌劇場、ミラノ・スカラ座が誇る伝統のバレエスクール。 カルラ・フラッチやロベルト・ボッレなどのスターを次々に生み出してきた名門校。 全世界のダンサーが憧れる舞台が、あなたを待っています。 http://www.dance-abroad.com/major/6426-accademia-teatro-alla-scala-dance-department.html ◆パリ国立オペラ座バレエ学校 誰もが認めるフランスの誇り、世界の至宝。パリ国立オペラ座バレエ学校の生徒をめざす。 エトワールになりたい人なら、一度は憧れる学校ーパリ国立オペラ座バレエ学校。 最難関、最高峰であるこの学校への挑戦をかたく、熱く決めたあなたへ。 http://www.dance-abroad.com/major/5860-lecole-de-danse-de-lopera-de-paris.html ◆ウィーン国立歌劇場バレエスクール 世界で最も古い歴史を持つバレエの伝統校。名門ウィーン国立歌劇場バレエ団の学校。 世界トップクラスのダンサーを輩出し続ける、長い伝統に裏付けされた教育プログラム。 芸術の都ウィーンでバレエの本質を学ぶ。 http://www.dance-abroad.com/major/5830-ballettschule-der-wiener-staatsoper.html ◆ロイヤル・バレエスクール ロイヤルの名を冠するクラシック・バレエ専門学校。世界トップクラスの教育を提供 国際色豊かなロンドンにあるイギリス王室の勅許を受けた由緒正しいバレエスクールの名門。 世界で活躍するダンサーを数多く輩出。 http://www.dance-abroad.com/major/5837-the-royal-ballet-school.html ↑↑↑↑ ビデオオーディションの募集が始まっております!! 資料のご請求、ご質問などある方は TEL:03-3278-3450 MAIL: このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。 までご連絡ください! *:..。o○☆○o。..:*゜ 【3】講習会情報 ゜・。+☆+。・゜・。+☆+。・゜・。 ◆ナショナルシアターバレエスクール冬期講習 オーストラリアで最も歴史あるバレエスクールによる人気の集中講座。 名門オーストラリア・バレエ団の現役プリンシパル、アンバー・スコットがゲスト講師!トップレベルのバレエを体感しよう。 【期間】2016年1月11日〜1月16日 http://www.dance-abroad.com/program/course/winter-course/6390-national-theatre-ballet-school-summer-school-ntbs.html 佐藤真左美先生、ナショナルシアターバレエスクール校長補佐をされてます。 http://www.dance-abroad.com/interview/1186-masami-sato.html ↑↑↑ 佐藤先生のインタビュー記事です♪♪ ◆ブレントストリートダンスキャンプ ショウビジネスの世界に直結したシドニー有数のダンス施設が整ったプロ養成校でダンスを学ぶ ブレントストリートが開催する1月の講習会。 恵まれた環境の中、ミュージカルのスターから学ぶ濃密な時間が、あなたを次のステップへと飛躍させます http://www.dance-abroad.com/country/oceania/australia/6342-brent-street-summer-camp.html ◆ウィーン春期音楽&ダンス講習会 2016年春。世界最高峰ウィーン国立音楽大学 & ウィーン・ダンスアーツの講師陣から直接レッスンを受ける大チャンス! 【期間】2016年3月6日(日)〜3月12日(土) http://www.dance-abroad.com/program/course/spring-course/6536-vienna-master-class-in-spring-dance.html ◆トリング・パーク・スクール・フォー・ザ・パフォーミング・アーツ・スプリングコース イギリスで高い評価を受けている芸術学校のスプリングコースで、大きく飛躍しよう! 高級住宅街ハートフォードシャーにある歴史的建造物がレッスンの会場。ロンドンへのアクセスも容易ながら大自然に囲まれ、安心して高度なトレーニングに集中できる環境。 【期間】 2016年4月4日〜4月8日 http://www.dance-abroad.com/major/ballet/6354-tring-park-school-for-the-performing-arts-easter-dance-course.html ◆ロイヤル・バレエ・スクール・サマーコース ロンドンの名門バレエスクールで、この夏本格的な短期バレエ留学を! マーゴ・フォンテインやケネス・マクミラン、ダーシー・バッセル等を輩出した名門校の講習会。恵まれた環境の中、安心してトレーニングに励むことができます。 【期間】 ◇10〜13歳 第1期:2016年7月12日〜7月17日 第2期:2016年8月18日〜7月23日 ◇14歳 2016年7月12日〜7月23日 ◇15〜18歳 2016年7月11日〜7月24日 http://www.dance-abroad.com/major/ballet/6416-the-royal-ballet-school-summer-school.html ┏…┓┏…┓┏…┓┏…┓┏…┓┏…┓┏…┓┏…┓┏…┓┏…┓ ┃国┃┃内┃┃語┃┃学┃┃レ┃┃ッ┃┃ス┃┃ン┃┃情┃┃報┃ ┗…┛┗…┛┗…┛┗…┛┗…┛┗…┛┗…┛┗…┛┗…┛┗…┛ アンドビジョンでは留学のための語学レッスンも行っています。 先生はもちろん各国のネイティブスピーカー。 レッスン時間や内容は、すべてあなたに合わせて、 フレキシブルに更可能。 ご自分にあったカリキュラムをリクエストできます! 実際、留学経験者の多くが、渡航前に準備すべきだったこととして、語学をあげられます。 100%ダンスに集中するために、語学の準備はしっかりと! http://www.dance-abroad.com/program/language/1262-language-lesson-in-tokyo.html 資料のご請求、ご質問などある方は TEL:03-3278-3450 MAIL: このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。 までご連絡ください! *:・'゜☆。,:*:・'゜☆゜'・:*:,。,:*:・'゜:*:・'゜☆。,:*:・'       \\  海外語学学校情報!!  // *:・'゜☆。,:*:・'゜☆゜'・:*:,。,:*:・'゜:*:・'゜☆。,:*:・' ◆エンバシー・イングリッシュ 90%の生徒が成績を上げている、信頼と歴史のある安心の語学学校。 テクノロジーの導入とフレキシブルなプログラム。 進捗状況をいつでもネット上で確認できるオンラインシステム。 やる気のあるあなたの向上心を更に掻き立てます! http://www.dance-abroad.com/program/6151-embassy-english.html ◆ユーロ・センター アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリアなど世界各国に学校を展開する語学教育機関。 60年以上に渡って開発された教育システムを採用。 パーソナライゼーションとスペシャライゼーションでの2本柱で、弱点を克服しながら長所を伸ばします。 http://www.dance-abroad.com/program/5749-euro-centres.html ★彡:・:☆彡:・:★彡:・:☆彡:・:★彡 【5】海外オーディション情報 ,:∵⌒∵:,_,:∵⌒∵:,_,:∵⌒∵:, ◆サラソータバレエのオーディションがございます。 ◆モーリス・ベジャール・バレエ団のオーディションが迫っております!! ◆ユース・アメリカ・グランプリ参加DVD申込みの受付を行っております♪ http://www.dance-abroad.com/order.html ↑↑↑↑↑ たくさんのご応募お待ちしております♪♪ ☆;:*:;☆;:*:;☆;:*:;☆;:*:;☆ 【6】編集後記/次回予告 ☆☆.。.:*・゜*:.。.☆☆.。.:*・゜*:.。.☆ 気になる情報はありましたか?夢への最初のステップになれたら嬉しいです☆ トビタテ留学JAPAN日本代表プログラムの第4期募集の締め切りが10月30日です。 お早目にご準備いただけたらと思います。 http://www.tobitate.mext.go.jp/program/index.html 皆さんからのご意見・ご感想をお待ちしてます♪ MAIL: このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。 そして、ご友人にも是非ご紹介ください!(゜▽゜) メルマガ登録は、やメールアドレス変更は簡単に登録できます!! HPから登録できるので、やってみてくださいね! http://www.dance-abroad.com/   c c  c|| ||っ  (^エ^)   |) |   | (|   |) |   | (|   |) |   | (|   |) | 次回のメルマガは、 10月27日(火)発行予定です。 お楽しみに!p(^^)q

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