ブラジル連邦共和国

ブラジル国旗

ブラジルは元々世界からの移民で構成されており、さまざまな文化が融合した国である。それは『楽天主義とダイナミズム』、『感情的で無頓着』などの新しい 特徴をもった人種を生み出し、現在も多面性を見せる国として目が離せない。アマゾンの大自然や、ブラジリアの人工都市、サルバドールの黒人文化、リオの カーニバル、コパカバーナ海岸、サン・パウロの商業都市、イグアスの大瀑布など、さまざまな面を持つブラジルは、文化的にも懐の深い国だ。

基本情報
正式国名&英語表記 ブラジル連邦共和国 Federative Republic of Brazil
首都 ブラジリア
面積 851万1965平方キロメートル(日本の約23倍)
人口 1億8,352万人(2005年地理統計院推定)
人種 欧州系(55%)、混血(38%)、その他(アフリカ系東洋系等)
言語 ポルトガル語
宗教 カトリック教徒約90%
通貨 レアル。補助通貨としてセンターボ。
為替レート R$1=100センターボ=44.3840円(2005年6月3日)
紙幣 R$1、R$2、R$5、R$10、R$50、R$100の6種類
硬貨 1、5、10、50、100、500
電圧 110/220V ,60Hz
時差 3つの時間帯に区分プラス12〜14時間。リオ、サン・パウロ、ベレンなどの東部はプラス12時間。北西部のマナウス、サンタレンなどはプラス13時間。リオ・ブランコはプラス14時間。サマータイムを採用する年もある。
祝日 1/1 元旦、1/25サンパウロ市創立記念日(サンパウロのみ休日)、2/5〜2/8 カルナバル、●3/25聖金曜日、●3/27 イースター、4/21 チラデンチス記念日、5/1 メーデー、5/26 聖体祭、7/9サンパウロ州革命記念日(サンパウロのみ)、9/7 独立記念日、10/12 聖母アパレシーダ祭、11/2 諸聖人の日、11/15 共和制宣言記念日、12/25クリスマス
●=移動祝祭日
在留邦人数 69,019名(2004年10月現在)
(長期滞在者:2,116人、永住者:66,903人)
(日系人総数 約140万人)
在日ブラジル人数:約27万人
電話国番号 55
緊急電話番号 警察190、消防193、救急車136(リオ・デ・ジャネイロでは192)

物価
ブラジルの物価は南米の中でも1,2を争う高さで、決して安くない印象を受ける。 1食当たり安くて15レアルから高くて60レアルぐらい。宿泊は60レアルから500レアルぐらいだが、シーズンにより料金が全く異なるので、事前の調査が必要だろう。
GDP 6,049億ドル(2004年)
一人当たりGDP 3,331米ドル(2004年)
経済成長率 5.2(2004年)
物価上昇率 7.6%(2004年)
失業率 11.5%(2004年)
主要貿易品目 (1)輸出 基礎産品(29%)(鉄鉱石、コーヒー、大豆、鶏肉等)、工業製品(69.3%)(鉄鋼、航空機、乗用車、アルミ、パルプ、原油等)
(2)輸入 資本財(21.4%)、原材料・中間財(53.5%)、消費財・原油等(11.5%)
主要貿易相手国 (1)輸出 EU(24.8%)、米(23.1%)、中南米(17.7%、内メルコスール7.8%)、アジア(14.3%、内 日本:3.2%)
(2)輸入 EU(26.3%)、米(20.2%)、中南米(17%、内メルコスール11.8%)、アジア(18.4%、内 日本:5.2%)

気候
ブラジルの気候は広大な国土ゆえ、熱帯性気候、亜熱帯性気候、半砂漠型乾燥気候、高地の亜熱帯性気候、温帯性気候とさまざまに分かれる。国土の90%は熱帯地域に属するが、人口の多い都市部などはだいたい高原地帯にあり、温暖な気候ですごせる。一日の中で温度差があるので、服装には注意を。
現在の天気
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ビザ ビザが必要。ビザについては管轄の領事館に確認してください。
パスポート 残存有効期間が有効期限が6カ月以上であること。

大使館などの在日政府機関
ブラジル連邦共和国大使館 Embassy of the Federative Republic of Brazil in Japan
〒107-8633 港区北青山2丁目11-12
Tel: 03-3404‐5211
在東京ブラジル連邦共和国総領事館 Consulate‐General of Brazil in Tokyo
〒141-0022 品川区東五反田1丁目13-12 五反田富士ビル2階
Tel: 03-5488-5451
管轄区域: 北海道、東北、関東、山梨、新潟、長野
ビザ申請時間:月・水・金曜日:8:30 〜 12:00
受領時間(窓口1番にて):月曜日から金曜日8:30 〜 14:30 
在名古屋ブラジル連邦共和国総領事館 Consulate‐General of Brazil in Nagoya
〒460‐0002 名古屋市中区丸の内1丁目10‐29 白川第8ビル2階
Tel: 052‐222‐1077/8
管轄区域: 中部(山梨、新潟、長野を除く)、近畿、 中国、四国、九州、沖縄
在京都ブラジル連邦共和国名誉領事館 Honorary Consulate of Brazil in Kyoto
〒604-8511 京都市中京区西ノ京桑原町1番地 株式会社島津製作所内
Tel: 075-823-1145
在神戸ブラジル連邦共和国名誉領事館 Honorary Consulate of Brazil in Kobe
〒650-0021 神戸市中央区三宮1-4-9 株式会社上島コーヒーフーズ内
Tel: 078-392-2971
在鳥栖ブラジル連邦共和国名誉領事館 Honorary Consulate of Brazil in Tosu
〒841-0017 佐賀県鳥栖市田代大宮町408 久光製薬株式会社内
Tel: 0942-81-1501
在那覇ブラジル連邦共和国名誉領事館 Honorary Consulate of Brazil in Naha
〒900-0015 沖縄県那覇市泉崎1-15-5山里ビル1階 沖縄インターオーシャンサービス内
Tel: 098-867-3304
ブラジル観光局 ホームページによる案内(英語)

現地日本大使館
在ブラジル大使館 Brasil
Embaixada do Japao
Avenida das Nacoes, Lote 39, 70425, Brasilia, D. Federal, Brasil
(Caixa Postal 07-391)
Tel: (55-61) 442-4200 Fax: (55-61) 443-9685, 242-0738
在クリチバ総領事館 Curitiba
Consulado Geral do Japao
Rua Marechal Deodoro, 630 Edificio CCI, 18 andar, 80010-912 Curitiba Parana, Brasil
(Caixa Postal 2028)
Tel: (55-41) 3322-4919 Fax: (55-41) 3222-0499
在サンパウロ総領事館 Sao Paulo
Consulado Geral do Japao
Avenida Paulista 854, 3-andar, CEP 01310-913, Sao Paulo, Brasil
Tel: (55-11) 3254-0100 Fax: (55-11) 3254-0110
在べレン総領事館 Belem
Consulado Geral do Japao
Avenida Magalhaes Barata, 651, Edificio Belem Office Center, 7 andar 66063-240, Belem, Para, Brasil
(Caixa Postal 912)
Tel: (55-91) 3249-3344 Fax: (55-91) 3249-3655
在ポルトアレグレ総領事館 Porto Alegre
Consulado Geral do Japao
Av. Joao Obino, 467 Petropolis, 90470-150, Porto Alegre, Rio Grande do Sul Brasil
(Caixa Postal 1022)
Tel: (55-51) 3334-1299, 3334-1135
Fax: (55-51) 3334-1742
在マナウス総領事館 Manaus
Consulado Geral do Japao
Rua Fortaleza, 416-Bairro Adrianopolis, CEP:F69057-080, Manaus, Amazonas, Brasil
(Caixa Postal 4188)
Tel: (55-92) 232-2000 Fax: (55-92) 232-6073
在リオデジャネイロ総領事館 Rio de Janeiro
Consulado Geral do Japao
Praia do Flamengo, 200-10 andar, 22209-900, Rio de Janeiro, RJ, Brasil
Tel: (55-21) 3461-9595
Fax: (55-21) 3235-2241
在レシフェ総領事館 Recife
Consulado Geral do Japao
Rua Padre Carapuceiro, 733, 14 andar, Edf., Empresarial Center I, Boa Viagem, 51020-280, Recife Pernambuco, Brasil
(Caixa Postal 502)
Tel: (55-81) 3465-9115
Fax: (55-81) 3465-9140

石橋幸子さん/ヴァイオリン/チュ-リヒ・ト-ンハレ管弦楽団/スイス・チューリッヒ

「音楽家に聴く」というコーナーは、普段舞台の上で音楽を奏でているプロの皆さんに舞台を下りて言葉で語ってもらうコーナーです。今回スイス・チュ-リヒ・ト-ンハレ管弦楽団でご活躍中の石橋幸子(いしばしゆきこ)さんをゲストにインタビューさせていただきます。「音楽留学」をテーマにお話しを伺ってみたいと思います。
(インタビュー:2009年8月)


ー石橋幸子さんプロフィールー

チュ-リヒ・ト-ンハレ管弦楽団石橋幸子さん
石橋幸子さん

大阪府出身。桐朋女子高等学校音楽科を経て、桐朋学園大学ソリスト・ディプロマコ-ス首席卒業。1997年リュ-ベック音楽大学に留学し、ザハ-ル・ブ口ン氏に師事。1999年よりチュ-リヒ音楽大学大学院にて ジョルジュ・パウク氏に師事。仙台国際音楽コンクール、クライスラ−国際コンクール入賞他、ドットバイラー国際コンクール、モーツァルト音楽コンクール、キバニス国際室内楽コンクールで共に第1位受賞。青山財団より「青山音楽賞大賞」受賞。現在、ディビット・ジンマン率いるスイス・チュ-リヒ・ト-ンハレ管弦楽団に在籍し、08/09シーズンは第2コンサートマスターとして活躍中。


-まずは、簡単なご経歴を教えてください。

石橋  5歳からバイオリンを始め、桐朋女子高等学校音楽科を経て、桐朋学園大学ソリストディプロマコースを卒業しました。その後、リューベック音楽大学に留学したのち、チューリヒ音楽大学院を卒業しました。現在は、スイスのチューリヒ・トーンハレ管弦楽団に在籍し、ヨーロッパでの活動を中心としながら、日本国内でも、定期的に演奏しています。

-バイオリンを始めたきっかけは?

石橋  母が声楽家でしたので、子供達にも音楽を学ばせたい、という気持ちがあったようです。私には1歳年上の、現在はビオラ奏者として活躍している姉がおりまして(石橋直子氏)、私が物心つく頃には、すでに彼女がバイオリンを弾いていました。それを見て、私もやりたいと言って始めました。

-ご自分で、バイオリンを選ばれたんですか?

石橋  そうらしいです。姉が練習している姿を見て、自分も弾きたいと言ったようですが、全く覚えていません(笑)。小さい頃って、よく子供達は何でも真似から入りますよね。私もそこから始まったのだと思います。

パールマン氏とお手て比べ!
パールマン氏とお手て比べ!

-では、ご家族の影響が大きかったのですね。小さい頃から、クラシックに親しまれていたんですか?

石橋  そうですね。母はオペラ歌手として沢山のコンサートに出演していましたし、父親もクラシックが大好きで、自分でレコードを聴きながら指揮をしていました。父の車の中では、いつもビバルディの「四季」の音楽が流れていて、私たち姉妹はそのような環境から、すんなりとクラシック音楽を受け入れていましたね。


-高校から、桐朋の音楽科に進まれたということですが、ご自身で進路は決められたのですか?

石橋  はい。私は小学6年生から中学2年生の頃まで、東京と大阪を往復して、東京芸術大学の(故)田中千香士先生に月1回レッスンを受けていたんです。日曜日は始発で東京へ、という生活をしていたので、大阪から離れることにも抵抗がなく、自分が行きたい学校へ行こうと思っていました。

-では、この頃からすでに、将来は音楽家の道に進もうと思われていたのですか?

石橋  目標を持ち出したのは、高校に入ってからです。周りのレベルがすごく高くて、自分もこの中の一人なんだと自覚したとき、このままではいけないと痛感しました。視聴覚室にこもっては、いろいろな方の演奏を聴いて参考にしたり、興味のあるコンサートには出来るだけ行きましたし、自分の練習を怠ることは出来ないので、朝5時の始発に乗ってよく通学していました。今思えば、高校生の時が一番練習をしてましたね。すべてを吸収したいという気持ちで、努力を惜しまずに取り組んでいましたから。・・・若さですね(笑)。

-その頃は、一日にどのくらい練習されてたんですか?

石橋  週末は、8時間練習をしてました。平日は、だいたい5時間くらいだったでしょうか。

-8時間! 周りの学生さんも同じくらい練習されていたのですか?

石橋  具体的には覚えてませんが、みんな頑張ってましたね。

-そのまま大学に進まれて、卒業後に、リューベック音楽大学に留学されましたね?

石橋  はい。桐朋で私が専攻したソリストディプロマコースというのは、特殊なコースなのです。バイオリンの実技試験で、決められた一定の得点以上を何回も持続できれば、最短3年で卒業できるというコースなのです。ソリストを育成する場所でしたから、学科はある程度免除されましたが、とにかくバイオリンの演奏に秀でていないと卒業できない、という学部でして。幸運にも私の場合も、3年で卒業できて、その年に21歳でドイツに留学しました。

-素晴らしいですね!では、ずっと良い成績をキープされてたということですね?

石橋  決して簡単ではなかったんですよ。高校時代からの6年間、良い成績というよりも、思うような演奏が出来ずに、たくさん挫折もしました。大事な場面で緊張しすぎたり、自分の力が出せなくなってしまった時期もありました。だから、とにかくたくさん練習して、常に自分の弱い部分を克服出来る様、格闘していくしかなかったんです。ですから、表面的には、高校もソリストディプロマコースも首席で卒業しましたが、そこに辿り着くまでは決して楽な道ではなかったんです。

-厳しい努力のたまものだったのですね。

石橋  そうですね。実際先生から、「キミは、精神的に弱い部分があるから、少し修行をするとか、座禅を組めば!」と言われたこともあるんですよ(笑)。その言葉で、これではいけない、何とかせねば!と思いましたね。それ以来、練習以外にも書物を沢山読んだり、周りの友人や先生からも助言をいただいた、とにかくトンネルの中を必死でさまよいながら、光を探していた感じです。ですので、当時を振り返れば、全く順風満帆ではなかったんですよ(笑)

-練習を重ねたり、書物を読んだりすることで、緊張や精神面の弱さを克服できたということですか?

石橋  はい、少しは!(笑) でも、今だに格闘してますよ!一つの事がクリア−出来たら、また新たな壁が見つかるので‥(笑) それに、コンサートでは毎回新しい課題が出てきます。ですので自分をどの様な状況に持っていくと、一番ベストな演奏が出来るかというのを、毎回のコンサートで見つけ出している感じです。経験を積みながら、少しずつ成長していければ嬉しいですね。

-さて、留学に関してですが、具体的に留学を意識し始めたのは、いつごろですか?

石橋  ソリストディプロマに入って2年目のとき、ロシア人のブロン先生に出会いました。当時先生は、たびたび来日されていて、私も何度かレッスンを受けていました。そしてそのレッスン内容がとても素晴らしかったので、1年以上かけて、「卒業後は、ぜひ先生のもとで勉強したい」という強い気持ちを、お伝えし続けたんです。そして、先生が受け入れて下さることになりまして、出会って2年後に留学という形になりました。

-留学するに当たっては、先生としっかり意思疎通をとっておくことも大切なんですね。

石橋  ええ。私のところに、留学の質問をしに来る方もいますが、私が言えることは、習いたい先生がいるのであれば、その先生ときちんとコンタクトを取っておくべきだ、ということです。その先生のところで学びたい、という自分の意思をしっかり伝え、先生にも、育てたいという気持ちがあるかどうか、きちんと確認をとっておくべきだということです。そして、その時点で、クラスでの順番待ちの人がいる場合もありますから、空いている枠があるかどうかも確認しておかなければいけません。渡航したは良いけれど、習いたい先生に習えなかったり、やりたいことができずに、宙ぶらりんになってしまう人も多いですから。

-それは、非常に重要なことなんですね。

石橋  はい。と言いつつ、私の場合、ブロン先生のところには数ヶ月しか勉強出来なかったんです。実は、肘を壊してしまって・・・。腱鞘炎にかかり、全く弾けない状態になり、休学することを余儀なくされました。そして、日本に戻って数ヶ月治療に専念しました。

-そうだったんですか。弾けないという状況は、お辛かったでしょうね・・・。

石橋  そうですね。それまで、挫折はたくさん経験しましたが、あの状態まで弾けなくなったことはなかったので、本当に厳しくて大きな試練でした。

チューリッヒ市内
チューリッヒ市内

-それでも、海外で勉強することを諦めずに、再挑戦されたんですよね。

石橋  やっぱり、音楽の基本は、ヨーロッパだと思っています。これは、ヨーロッパに住んで約10年経った今でもそう感じます。日本にいて、本や資料で勉強したり、口で説明を受けても、やはり肌で触れてみないと分からないことが多々あると思うんです。たとえば、バロック音楽にしても「なぜ教会で、なぜあの奏法で弾かなければいけなかったか」というのが、その教会に立って空間を感じるだけで理解できることもありますから。ですので、ヨーロッパに身を置いて、自分自身で体感したいと思ったんです。実際、休学してから1年間は、先生を探しにヨーロッパを周り、そして肌で音楽を吸収することに専念しました。オーケストラのコンサートを聴きに行ったり、バイオリンに限らず、いろいろなレッスンも聴講したり、音楽家が住んでた場所を訪ねる旅もしました。

-強いお気持ちがあったのですね。では、次のパウク先生とは、どのように出会われたのですか?

石橋  実はパウク先生との出会いは16歳の時でした。パウク先生が、桐朋でのマスタークラスを聴きに来られた時、「もし海外で勉強したいのであれば、是非僕のところに来なさい!」と声をかけて下さっていたんです。しかし、すぐに先生のところへ飛び込んだわけではありません。まず、先生の講習会に参加して、「本当にこの先生に習いたい!」という確信をもってから、パウク先生に私を生徒にしていただけるかお尋ねをしました。腱鞘炎の事も含めて、今までの事情や自分の強い気持ちをお伝えして、先生のお話やレッスン内容の素晴らしいさを体験した上で、この先生となら絶対信頼関係を築けると思えた時点で、チューリッヒに移る事を決意しました。

-やはり、留学する上で、良い先生との出会いというのは、本当に大事なんですね。

石橋  その通りです!留学には、良い先生を探すことと、強い意志と目標を持つことが、とても大事なんです。これがなければ、海外で生きていくことは難しいですよ。実際、挫折して帰国する人も、たくさん見てきました。事前に先生と連絡を取り合って、きちんと受け入れ先を見つけることと、ある程度の語学は身につけてから渡航する、ということも大切です。また、私の経験からいっても、奨学金制度があるのであれば、出来るだけチャレンジしたほうが良いと思います。

-ちなみに、ドイツ語はいつごろから勉強をされていたのですか?

石橋  留学の1年前から勉強を始めましたが、結局まったく通じませんでした。それで、後々かなり苦労しましたね。最初の頃は英語でコミュニケーションを取っていたんですが、やはり、だんだんドイツ語を話す必要性が出てきました。そこで、ドイツ語の集中講義を受けたのですが、コンクール前など、とにかく練習したい時期に、講義に時間を取られたりして、非常に辛かったです。留学1年前に始めても遅かったくらいですから、この先、留学を考えているのであれば、語学の勉強を始めるのは、早いに越したことはありません。

-リューベックやチューリッヒに入学されたときは、語学力を問われたりはしなかったのですか

石橋  リューベックのときは、勉強をしたという証明書が必要でしたね。チューリッヒは、ドイツで勉強していたという経歴があったからか、免除されました。

-やはり、言葉は出来るに越したことはないですね。

石橋  本当にそうです。10年経った今でも、まだまだ苦労していますので!早ければ早いほうがいいです。そして、英語も少しは理解出来ると役立ちますよ。

チューリッヒ市内
チューリッヒ市内

-では、チューリッヒに行かれてみて、ドイツとスイスで、音楽の勉強の仕方に違いはありましたか?

石橋  国による違いというより、習った先生の違いでもあるんですが・・・。ブロン先生からは、ピエロ的な要素を学びました。誰もが想像のつかないような、ニュアンスの取り方や、間の取り方などです。パウク先生からは、音楽性の導き方や演奏技法、曲の様式観を学びました。どのようにしたら、自分の味や音楽性を活かして表現ができるのか、ということも多く学びました。それぞれの先生から、違った部分を学べて、本当に幸せでしたね。

-素晴らしい先生方に出会われたんですね。

石橋  はい。留学して、まず大切なのは「音楽」だ、ということを学びました。流れを感じ、自分の心からあふれ出てくる歌を信じて、そのまま弾けばいいということです。テクニック的なことは、あとで補っていけるものですから、小さいことを気にせず、まず弾いてみる。パウク先生の生徒は、みんな違ったカラーを持っていて、私も私自身の個性をのばしていただきました。そして自分の味を活かしつつ、のびのびと演奏ができるようになりました。

-どれくらいの期間、パウク先生に師事されたのですか?

石橋  1999年から2003年までです。

-そのあとに、管弦楽団に入団されたんですね。これはどういったきっかけですか?

石橋  やはり、最終過程を卒業すると、日本に完全帰国するか、現地で働く場所を探すか、という選択をせまられます。私はまだまだヨーロッパで学びたかったので、もしオーケストラに入れば、また新たな発見があるのではないかと思いまして・・・・。最初は、とりあえず試用期間の1年間だけやってみよう、と思って入団しました。でもそこで素晴らしい方に出会ってしまい、スイスに残る事を決意しました(笑)

-採用試験は、募集広告が出ていたんですか?

石橋  はい。トーンハレは毎回応募人数が多いのですが、その時も200人くらい応募があったようです。そこからまず書類選考で人数を絞り、私の受けた時は1次試験に37人参加し、2次試験で5人になり、3次試験では3人だけが残りました。最終試験では、オーケストラの曲以外に初見もありました。その結果、運良く受かることが出来ました。

-審査員は何人いらっしゃるんですか?

石橋  オーケストラメンバーは約100人いるんですけど、その中のだいたい30~40人は審査に入ってます。1次試験は、誰が審査しているのか見えない形式なのですが、2次審査からは、ずらりとならんだ審査員の前で弾くことになります。かなり緊張する場所でしたね(笑)

-30人もいたら緊張しますよね。

石橋  はい。しかも、全員しかめっ面で、ジーっと見てますからね(笑)

-日本人が認められて、採用されると言うのは難しいと思うんですが、いかがでしょう?

石橋  たとえば日本人とドイツ人が同等の力を持っていたら、絶対ドイツ人が採用されると思うんです。ですのでそこで勝つには、個性が必要なのだと思います。私の場合は、自分の良さを伝える表現方法の一つとして「歌心」が自分にはあると思っています。ですのでいつも演奏する時、「皆さん、今日はこの場所で私の演奏を聴いてくれてどうもありがとう!」と、常に感謝しながら演奏しているんです。ちょっとでも、自分の良さというか、自分自身の個性を信じた演奏し、それが相手に伝われば、どんぐりの背比べの中でも、ピカッと光れる思います。

-技術以外で何かコツはありますか?たとえばコミュニケーション能力や語学力とか。

石橋  入団する際は、全く必要ありません。

-完全に実技の力だけを評価されるということなんですね。

石橋  はい。でも入団後は、1年もしくは2年、試用期間があるのですが、この間にドイツ語が出来ない人には、ドイツ語学校に通うように指示をいただきます。しかし最近はどこのオーケストラもインターナショナルになっていて、最低限の会話が出来れば、それほど厳しくその国の言葉を要求されることはなくなってきたと思います。

トーンハレ管弦楽団リハーサル(指揮パールマン氏)
トーンハレ管弦楽団リハーサル(指揮パールマン氏)

-試用期間後、続けられない方もいるわけですよね?その際の審査の基準は?

石橋  まずは実技が中心ですから、その1年間は常にベストを尽くし、よく準備をして本番に備える、というのが最低ラインです。あとは、人間性も必要になってくるのでしょうね。私がいつも心がけているのは、どこの国のどんな国民性をした方でも、誠意を持って接しようということです。たとえば、ドイツやスイスでは、自己主張のハッキリしている方が多いので、そういう場では、私も言いたいことをきちんと主張します。日本人らしく、ニコニコと大人しく話しを聞いているだけだと、「何を考えているかわからない」と言われて終わりです。言葉が流暢でなくても、きちんと誠意を持って対応することを心がけるようにすれば、自分の人間性を理解してもらえるのではないか、と思います。

-ところで石橋さんは、音楽的な問題にぶつかったときの解決は、ご自身で解決されますか?それとも誰かにアドバイスを求めますか?

石橋  まずは自分で解決法を見つけます。それでも何も見えてこなかったら、周りの人に聞きます。学生時代は、自分で考えた上で、「先生だったら、どのような解釈をされますか?」っと質問していました。そして、違った方向から光が見えてくる時もありました。

-新しい曲に取りかかる時もそうですか?

実は大学生の頃、桐朋の大先輩の指揮者の小澤征爾先生にお会いしたときにお話を伺ったんです。「先生は新しい曲を始めるとき、どうやって勉強されるんですか」って。先生がおっしゃるには、「まず自分でスコアを読んで勉強する」ということでした。「他の方のCDとかは聴いたりしないんですか?」と伺いましたら、「もちろん、聴かない。自分でまず勉強しておかないと、周りの音楽から影響されてしまって、他人の音楽になってしまうから。」と教えていただいたんです。これを聴いた瞬間、目からウロコが落ちました。その頃の私は、まずいろんな方のCDを聴くことから始めていたんです。でも、そのお話を伺ってからは、まず自分で楽譜を読んで、考えるようになりました。もちろん、3倍も4倍も時間はかかります。道が開けないようなときでも、何ヶ月も時間をかけて、迷いながらも自力で仕上げてみるんです。その後で、先生に意見を求めたり、他の演奏を聴いたりと、アドバイス要素を入れるんです。そうすると、根の部分は自分の音楽で固められているわけですから、ぶれることはありません。

-なるほど。先入観をもってしまうと、自分の音楽が作りにくくなるでしょうからね。では、海外留学をして、オーケストラに入りたいという方にアドバイスをいただけますか。

石橋  常に自分がどうありたいか、強い志を持って楽器に触れることですね。努力をし続ける強い精神力と、覚悟を持って始めてください。

ご主人のアンディーさんと共演
ご主人のアンディーさんと共演

-やはり信念を持たないといけないですよね。

石橋  はい。強い信念を持っていれば、一度は海外に住んでみるのも悪くありませんから!しかし永久に住むとなると色々と大変ですけども(笑)。未だに私の場合、日本に着いた瞬間、ほっとして心からリラックスしているのが分かるんです。ヨーロッパにもう10年も住み、既に慣れたとはいえ、やはり異国は異国なんですね。ずっとこちらでは私達は外国人なんです。ですので本人の希望があるのであれば、ヨーロッパ留学は本当にお勧めしますが、しっかりと心の準備をしてきてほしいです。

-石橋さんご自身は、信念が揺らいだことはありましたか?また、そのときはどうやって克服しましたか?

石橋  先ほどお話したように、一度腕を壊して帰国したのですが、その時はそのショックとホームシックもあり、一度自分を守ってあげられる場所に体を戻すことで、「怪我しちゃったけど、でも良く頑張ったね」と言い聞かせ、精神的にも落ち着け、肉体的にも解放できる環境を自分で作りました。その上で、改めてしっかりと自分の気持ちに向き合いました。そして、やはりもう一度勉強したいと強く思いましたので、再びヨーロッパに戻ったんです。でも、実際は留学というのは学びに行くことですから、先生との関係がとても大事です。先生との信頼関係がしっかりできていれば、相談も出来るし、アドバイスもいただける。乗り越えられる部分は大きいですよ。

-それでは、石橋さんにとってクラシック音楽とは、何でしょうか?

石橋  ええっ!それは難しい(笑)。 ・・・結局、やっぱり「私自身」なのかな。楽器を使って「心」を伝わる、自分からのメッセージなのでしょうか。

-これからも、スイスと日本を拠点に活動されていくかと思いますが、音楽家として今後の夢はありますか?

ご主人のアンディーさんと。
ご主人のアンディーさんと。

石橋  これまでの音楽人生で、沢山の事を学び、体験でき、とても幸せでした。それを今度は、私が色々な方々に伝えいく番だと思っています。
バイオリンを通じて今後も、感謝の気持ちや喜び、そして悲しみ、いろいろな表情の「心からの音楽」を皆さまにお伝えていきたいです。

-これから留学を考えているみなさんにとって、すごく貴重なお話でした。今日はお忙しいところ、本当にありがとうございました!

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石橋幸子さんの今後の活動は下記のホームページでご覧になれます。
http://www.yukikoishibashi.com

コンサート情報
2013年10月7日  京都 カフェ モンタージュ 20時開演 (問い合わせ先 075-744-1070)
弦楽三重奏コンサート
ドホナーニ 弦楽三重奏 ヘンデル(ヘルバーソン編曲)パッサカリア (vl&va)
ベートーベン 弦楽三重奏 0p、9-1

石橋幸子 ヴァイオリン
石橋直子 ビオラ
五味敬子 チェロ

2013年10月10日 名古屋 花山音楽プラザ 1F ロビーコンサート 18時30分開演 入場無料 
石橋姉妹による弦楽三重奏コンサート

シューベルト 弦楽三重奏 D.471
ヘンデル(ヘルバーソン編曲)パッサカリア (vl&va)
ドホナーニ 弦楽三重奏
モーツァルト ビオラとチェロの為のソナタ K292
ベートーベン 弦楽三重奏 0p、9-1

石橋幸子 ヴァイオリン
石橋直子 ビオラ
五味敬子 チェロ

2013年10月13日 名古屋 電気文化ホール 14時開演 入場料3000円
(問い合わせ先 Jプロジェクト 090-5439-8821)
石橋直子トリオコンサート

シューベルト 弦楽三重奏 D.471
ヘンデル(ヘルバーソン編曲)パッサカリア (vl&va)
ドホナーニ 弦楽三重奏

モーツァルト ビオラとチェロの為のソナタ K292
ベートーベン 弦楽三重奏 0p、9-1

石橋幸子 ヴァイオリン
石橋直子 ビオラ
五味敬子 チェロ


2013年10月14日 豊中 フェリーチェホール 14時開演 
石橋姉妹による弦楽三重奏コンサート 
問い合わせ先 090-9888-1017

シューベルト 弦楽三重奏 D.471
ヘンデル(ヘルバーソン編曲)パッサカリア (vl&va)
ドホナーニ 弦楽三重奏

モーツァルト ビオラとチェロの為のソナタ K292
ベートーベン 弦楽三重奏 0p、9-1

石橋幸子 ヴァイオリン
石橋直子 ビオラ
五味敬子 チェロ

玄玲奈さん/ダンサー・振付家・講師/オーストリア・グラーツなど

法村友井バレエ学校にて法村牧緒氏に師事。在学中、1990,1991 年にロシア・ワガノワ・バレエアカデミー、1995年にペルミ国立バレエ学校に短期留学。ジュニア科を経て同バレエ団入団。1999年〜2001年フランス、カンヌ高等バレエ学校に留学し、ロゼラハイタワーに師事。カンヌ・パレ・デ・フェスティバルでパキータの主役などを踊り、同校を最優秀の成績で修了、ディプロム・ドゥ・ロレアを授与。2001年よりオーストリア、グラーツオペラ劇場に入団。火の鳥、蝶々夫人、ロミオとジュリエット/ジュリエット・マキューシオ、春の祭典/女、眠れる森の美女/子供、他多数の作品にて主役又はソリストとして踊り、2005年よりディレクター・アシスタントを兼任。これまで30以上に及ぶ振付家とのクリエーションを経てクラシックからコンテンポラリー、オペラまでの幅広いジャンル作品に出演。ヨーロッパ内のダンスフェスティバルなどにゲスト出演し、オーストリア、フランス、スペイン、ハンガリー、ノルウェイ、スイスで踊る。また音楽家や演劇アクターと共にコラボレーションし、グラーツ芸術大学、グラーツ演劇劇場などのプロダクションに出演。2006年にスイス、チューリッヒにてS.I.W.I.C(スイス国際振付家ワークショップ)に参加。2007年ウィーン国際バレエコンクール・コンテンポラリー部門1位受賞者の作品を振付・指導。2008年8月、大阪にて“Carmen”を振付・主演。2011年7月、伊丹にて自身のプロデュース公演”Collage”を主催。2011年はオーストリア・クラーゲンフルト州立歌劇場で踊り、又ゲストティーチャーとしてヨーロッパ内のバレエ団、バレエ学校、ワークショップに招かれる。2010年、2012年には指揮者、西本智実氏が芸術監督を務める“宿命~ロミオとジュリエット”、”ロメオとジュリエッタ”の振付に携わる。現在、これまでの経験を生かしフリーランスダンサー、振付家、講師として活動する。 -まず玄さんの簡単な略歴を教えていただけますか? 玄 大阪出身です。小学校入学(7歳)の時に法村友井バレエ学校に入学しました。在学中、小学6年生の時に初めてロシアのワガノワバレエ学校に短期留学に行き、中学1年生、高校2年生と回を重ねました。高校2年生の時はペルミのバレエ学校に行きました。海外の環境に触れる機会がありましたが、その時に長期留学はせず日本で学び、高校卒業と同時に法村友井バレエ団に入団しました。バレエ団に3年少し在団してからフランスのカンヌのバレエ学校に2年留学しました。 -それはおいくつの時ですか? 玄 22歳です。その後、オーストリアのグラーツという街のオペラ劇場に入団し、そこに9年在籍し途中からダンサー兼ディレクターアシスタントもさせて頂きました。2年の留学を終え新たな気持ちでヨーロッパへ発つ時に、”ダンサーとして10年は絶対にヨーロッパにいるぞ”と自分の中で決めたんです。容易には習得出来ない芸の道ですから、まず10年必要!と。そしたら、あっと言う間に9年たって10年目という時期に、”何か違う方法で学びたい、チャレンジしたい”というのがあって、小屋を離れてフリーランスになりました。 -現地でフリーランスになったのですか? 玄 はい、現地を中心にです。劇場にいると沢山制約がありますので、チャレンジしたい事と”求められる事”との葛藤があり….。その後2年くらいフリーとして違う劇場やプロダクションで踊り、又ティーチャーやアシスタントとして劇場や学校に呼んで頂きました。ヨーロッパでは10年と決めていたのに長引いてしまい、これからどのように道を歩もうかな?と考えた時、自分がステージの中にいるよりも外に立って導いたり、作品を創ったりという比重が多くなっている事に気づき…。それらは自分にとって国や場所を選びませんでしたのでヨーロッパでなくてもいいなと。また、現地にいる間に東北の大震災があり、その惨事がとてもショックでした。確かな情報が入らず、家族や友人とも連絡も取れず。外国で長年いると家族や人の大切さを痛切に感じますから。そんな事も含めて一度日本に帰ってリスタートしようかと思い昨年帰国しました。 -7歳の時にバレエ学校に入った理由は何かあったのですか? 玄 私の父がダンサーでした。法村友井バレエ団の団員だったんです。もっと早くから習いたかった私に父が「小さいうちは筋肉も弱いし、間違ったら足の形も悪くなる。先生の仰ることが理解出来る年齢になったらバレエ学校に入学していいよ。一年生になってからかな?」と言いましたので、小学校の入学式の次の日に、バレエ学校に入学しました(笑) -いつもダンスがかなり近い所にあったのですね。 玄 そうですね。物心がついた頃には父と同じようにスタジオにいましたし、父が舞台に出る時には、一緒に楽屋入りして舞台リハーサルを観て…。と。また父は海外のバレエが大好きで家族を置いてでも、夜行に乗ってでも、東京へ公演を観にいくような人でした。幼い頃から魔術のように、”海外のバレエはいいよ〜〜”と言われていたんです。 -ワガノワに短期留学をされたということですが、もともと短期留学したいという思いはあったのですか? 玄 ”海外を見てみたい”という夢はありました。私が師事していた法村友井バレエ団の団長である法村牧緒先生が日本人で初めてワガノワバレエ学校に留学した方でした。常にロシアから先生を呼ばれて講習会をして下さりそれらを受けていました。法村先生がその当時では珍しかった”子供が海外に留学”するワガノワバレエ学校への短期留学の団長になられ「オーディションがあるので行きたい人は受けてもいいですよ」と言われ”する!”となり短期留学しました。 -22歳の時にフランスに行かれた決め手はあったのですか? 玄 幼い頃より肌で感じたロシアが大好きでワガノワスタイルでずっと学んでいましたが、身体的に恵まれない自分にはロシアの学校へ長期留学するのはハードルが高すぎて、ジレンマを持ち続けながら習得するのは厳しいだろうと考えました。あとは、その頃からコンクールを通してコンテンポラリーというものに少しずつ触れるようになったからです。 -それは22歳の頃ですか? 玄 少し前です。当時日本で難関と言われた全日本コンクールというものがありました。課題曲2曲とコンテンポラリー(創作)1曲を用意するのですが、その時に振付をして下さった先生が、「これからの時代、表現の幅を広げたコンテンポラリーすごく大切になってくる」と仰り、未知なコンテンポラリーなども勉強できたらいいな〜という夢を持ちました。私はタイプ的に様式美だけで踊れるダンサーでなかったですし、創作も好きでしたので…。また...バレエってフランス語なんですよね(笑)。なぜバレエ用語はフランス語なの?と幼い頃からの謎とバレエは紀元はルネッサンスのイタリアからきて...ルイ14世が宮廷バレエとして踊り...フランスで栄え...という、根源的なものを勉強したかったんです。だから私はフランス又はヨーロッパの方に行きたいなと…。今の若い方のように海外に出て踊るとか、向こうで職を見つけて、という為の留学の仕方ではなかったのです。 -コンテンポラリーというか、モダンも勉強したいというのがあったのですね。 玄 それは絶対的にありましたね。 -実際にフランスに行って、ロシアと比較していかがでしたか? 玄 全く違いました(笑)。メソッド的なものは勿論ですが、ロシアは行った当時、ソビエト連邦からロシアになる激動の時代。社会主義国の土壌を感じました。幼い私が感じた限りですが、戦って勝ち抜いた勝者だけバレエができる!みたいな。フランスは風土がゆったりとしていますし、バレエというよりも、文化のゆとりや民族性のおおらかさの違いの方が衝撃でした。それらから感じるバレエが”こんなに楽しくていいんだ”と思いました。レッスン場で泣いて、選ばれた子が前に行って…。みたいな感じじゃなくていいのかな?と(笑) -その後、フランスからオーストリアに行かれましたが、また違いましたか? 玄 またまた全く違いますね。オーストリアは保守的だし、言語も響きが重いし、夜も冬も長い。すべてが湿っている感じですね。”音楽の国”だけあって、幼い頃からバイオリンやチェロなどの楽器に触れている方が沢山います。オペラやオペレッタがとても盛んで素晴らしい演奏や公演を鑑賞出来ますが、ダンスについてはヨーロッパの他の国に比べて落ち着いていると思います。 -グラーツは住んでいてどうでしたか? 玄 街も人々も素朴で豊かでした。自然に恵まれている街なので、春は大きな公園へ本を読みに、夏は湖へ泳ぎに、秋はぶどう畑に行きワインを楽しみ、冬は山へ行ってスキー…。と四季折々を満喫出来ました。特に劇場の前に立つ朝市!日付も朝か昼かも忘れてしまう劇場生活をニュートラルにしてくれたんです。農家で早朝に取られるお野菜や、果物。お花やソーセージ、小麦粉臭いおばあちゃんの作ったケーキなどがいつも所狭しと並んでいて、劇場に行く前に毎朝立ち寄っていましたので朝市が私の冷蔵庫になりました。 -ダンサーとしてグラーツはいかがでしたか? 玄 ダンサーになると生活の優先順位よりも”踊る為”にその街にいます。仕事を選ぶのであっても住む街は二の次になりますが、幸運にもグラーツは生活するに快適な街!人間的な生活も豊かに営めて良いバランスを保てたかなと思いますね(笑)劇場に足を運んでくださる地元の方もとても温かかったです。 -それぞれの国での良い点、悪い点を教えていただけますか? 玄 ロシアは私が行ったのが20数年前ですから、リンゴ一つ買うにも長い列が出来、蛇口をひねれば茶色いお水が出る。日本人で正規で留学しているのは2人という時代なので12歳だった私には全てが厳しく感じました。門は重かったし伝統も外に漏れず確立し守られていたような気がします。当時の良い点は...THE ワガノワのスタイルを学ぶ事、厳しさを学ぶ事かな。あとは本当に美しい古き良きソビエトバレエの香りがまだありました。フランスについては。。大人になって意思を固めて行った国でもあるし、お勉強の身分でしたので悪い点はあまり思い出せないですね。フランス語の響きは美しく、学ぶ事に対しては10歳の子でも沢山教えてくれ、愛に溢れた国でした。オーストリアは働く為に行った国ですのでただただ精一杯でした。あとハンガリーやスペイン、ドイツなども滞在しましたが”EU圏”を知っていたら言葉と少しの風習が異なるだけで、衝撃的な違いはありませんでした。 -当時のロシアと比較して日本も厳しい国だと思うのですが。 玄 厳しさが違います。踊る事を選んだ人間が出来る世界でなく、選ばれた人間の絶対的な競争があると思います。身体的な事だけでなく、アーティストとしても…。あの競争世界の中で生き抜こうと思ったら、人間的にクールになるくらい、人とも自分とも戦わないといけないでしょうね。しかしマリンスキー劇場で観たバレエはこの世のモノと思えないほど美しかった事を今でも鮮明に覚えています。 -ダンスの留学先として、日本人にとっていい国はありますか? 玄 何を目標に留学するのか?海外でプロのダンサーになる為なのか、日本では学べないスタイルを勉強する為なのかなど。。例えばプロになる為への準備としてだと、将来自分はどのようなカンパニーに入りたいのか?人それぞれの目標なので、日本人にとって良い国は分かりません。例えばヨーロッパでしたら大地がずっ〜と続いているので、私のようにフランスで学んだ後に、就職先がオーストリアになるという利点があります。ヨーロピアンスタイルというのは少し違いますが、国が変わってもアダプトしやすいんです。もしロシアで長年学んでヨーロッパに出ようとしたら培って来たモノや考えなどのギャップも多く、少し難しいかなと思います。ドイツオペラを学んだ方がイタリアオペラを歌うような感じ?でしょうか。ロシアで厳格なスタイルを学んだ場合はロシアや東欧などで踊られる方が多いように思います。もちろんロシアからヨーロッパに入団している方も沢山いますが、そういう方はソリストになれるような身体的資質もあり、機知にとんでいるように思います。 -逆にオーストリアで学んでフランスに行くこともできるということですよね? 玄 はい。例えばウィーン国立で学んで、フランスのカンパニーに行くというのも。国を選ぶというよりも、バレエの場合はその学校がどのようなメソッドとカリキュラムがあるかが重要になると思うんです。例えばアメリカの学校にいって、バランシンスタイルを学ぶとなった時に、ロシアスタイルのカンパニーに入れるか?となると難しいと思います。最初のスタートから、将来のビジョンを見据えた上で自分の目指すスタイルと、そのバレエ学校を通過した後にもどのような夢があるのかを問う事をお勧めします。プロを目指すならカンパニーがついている学校がいいのかな?なども…。 -カンパニーがついてる学校がいいということでしょうか? 玄 もちろんカンパニーがついていない学校も、教育面で問題はないですよ。上にカンパニーがついていても卒業後に入団出来るのはごく少数ですし、大抵の子はオーディション廻りをしないといけない。しかし将来目指すカンパニーの学校で学ぶ事は、常に憧れのダンサーの踊りや作品を肌で吸収できる素晴らしい経験だと思います。あとは学校で多くのジャンルを学べた方がいいですね。クラシック色が強い日本人生徒が”私は将来クラシックバレエが踊りたい!”と願っても、クラシック演目、いわゆる純クラシックバレエしかやっていないカンパニーはとても少ない。コンテンポラリーやジャズなども勉強できる所で自分の興味の幅を広げていき、キャパシティを増やして行けると素敵ですね。どのスタイルにも順応出来る多様性のあるダンサーが求められる時代ですし、その方が強いです。 -海外でプロになるにあたって、日本人が有利な点、不利な点はありますか? 玄 日本人に有利なことはないですね(笑)。 -逆に不利な点はありますか? 玄 アーティスティックな面よりも生活面において就労ビザの取得が難しいことです。例えばヨーロッパの人はEU圏でどこでも仕事ができます。フリーランスにもなれるし、少しダンサーとしてブレイクが欲しいと思えばパン屋さんにもなれる(笑)精神的なフリーダムが大きいと思います。外国人の場合は就労ビザを取得してくれる組織でしか働けません。そうすると、ヨーロッパでは劇場のお仕事になるか、小さなカンパニーであっても就労ビザをきちんと出してくれる所じゃないといけない。その分枠が狭く難しくなってきますよね。 -体型的な面ではどうですか? 玄 今の若いダンサーはスタイルはいいのですが、ヨーロッパの国立劇場級のダンサーになりたいなら、最低165cmはないといけません。そう打ち出している劇場が多いので小柄な日本人は身長において不利です。日本人の体型も良くなってきているけれども、それと同じく西洋人の体型もよくなってきているので、その差は埋められない気がします。その分、違うところで勝負しないといけない。 -海外でプロになるステップとしては、どのような形が一番いいのでしょう? 玄 私が考える事ですが…。若くして海外を目指すなら、まずサマーなどの短期留学などで外国に触れてみて、ダンスだけでなく生活がきちんと出来るのかを判断する事が大切ですね。日本人の若い方は特にダンスに重きを置き過ぎている気がしますので。本当に若い、高校も卒業していない人がどんどん海外に出ていますが、人としての成長を伴う事なくしてダンスの技術だけ向上しても仕方がないと考えます。現地でも中、高校と同様の規律がある学校で”郷に入っては郷に従え”も学ばないと、将来カンパニーに入っても厳しいとかな。。カンパニーでは一つの組織として一般的な会社と同じような規律がありますから。学校で現地の人たちに触れて、言葉もきちんと喋りコミュニケーションするなど日本人だけで固まらないで欲しいと思っています。するとオーディション廻りでも沢山の出会いを得る事が出来、またそこからチャンスが広がっていくと思います。 -海外でプロのダンサーになる秘訣や条件はありますか? 玄 まず一人の”人”として生活し、自分という芯、軸を持つ事です。アーティストとして自分は何が出来て、何がしたくて、何を求められているか?なども理性をもってキャッチする力。厳しい言い方をすれば、ダンサーは、掃いて捨てるほどいるんです。夢を見る人の数に対してプロとしての枠がとても少ない。そして特にクリエーション時には自分の存在が感じられない時や、チェスのピースのように感じる事もある。働く相手はこだわりの強いアーティストなの物差しで測れない感覚がある事が多いですが、人の価値観だけで自分を評価しない事です。評価での例を一つをあげると、私の踊りに対してイギリスとアメリカでレビューがあったのですが、イギリスではなんてひどい!と書かれ、一方アメリカではとても素晴らしい!書かれたんです。このように他人の言う事を軸にしてしまうと惑わされてしまう。参考にする事は大事ですが全て鵜呑みでは自分を見失いますので慎重に耳を傾けないといけません。あとはダンスだけでなく美術館に行ったり、旅に出たり、オペラや演劇を観たり、と違う方向からも視野を広げ、感性や探究心を養い続ける事はとても大切だと思います。 -技術も必要ですが、精神的な所が大きいのですね。 玄 そうですね。意固地になりすぎると入って来るものを遮断しかねないので、そこのバランスは大切だと思います。ダンスは麻薬だと思うんです。全てを投げ打ってもダンスに没頭し夢を追いかける。その気持ちに対して親御さんも応援し若くして留学する。とても素晴らしいと思いますが、今は簡単に海外に留学に行けるようになりプロになる道に近づいた気持ちになるけれど、プロになる枠は増えていない。全員が職にはつけない厳しい現実を見据えないといけない。成人にならない時期にそうなると早くに夢に破れた感で鬱のようになってしまうお子さんもいるんです。すべてを投げても賭けるという気持ちは大事ですが、あまりに早く親御さんから離れて、人として愛情を知らないとダメなんじゃないかなと思っています。 -玄さんにとってダンスとは、何でしょうか? 玄 私にとっては、血です。幼い頃から踊りに触れ、そこが軸となって今まで生かされてきました。”大切な宝物”というのは勿論ですが、ダンスを通して海外に出て土壌を感じ、留学時代には文化や言葉を学び、カンパニー時代には踊る作品を通じて音楽、美術や歴史的な事も学びました。私にとってのダンスはピルエットを5回、6回とまわる技術一辺倒のものでなく、人生を常に探求させてくれる、ワクワクさせてくれるもの。数字では表せない世界です。 -今後のダンスでの夢はありますか? 玄 これまでの経験を生かし、これからの時代を担う若い方達の応援をしていきたい思いと、”ささやかな感動”を発信していきたいです。ダンスそのものは無形のものなので、それを観てくださる方にとって有形に出来るものにしていきたいです。 -しばらくは日本で活動されるのですか? 玄 海外の同士からお声をかけて頂く事もありますので、時期が合えば行ったりしますがなかなか難しいですね。日本では指揮者の西本智実さんが率いるイルミナートフィルハーモニーオーケストラでバレエのアンサンブルも作られたのです。私もそのアンサンブルの1メンバーになっていて、昨年も”ロメオとジュリエッタ”の振付をさせて頂きました。クリエーション活動も一つの軸として、今までの経験を生かして活動できたらいいなという夢があります。自らも踊る事に触れていたいと思いますが、ダンスの道は踊るだけでなく、教えや創作、舞台との関わり全てだと思いますのでこれからは視野をもう一段階広くして行きたいと思います。 -プロになりたい、これから海外に出ようという方にアドバイスをお願いします。 玄 ダンスの世界は本当に素晴らしい!なので諦めないで欲しいし夢を持ち続けて欲しい。小学校1年生のように常にピュアでいられたらいいなと思います。あと大切な事は健康管理。ダンサーの身体は資本ですし楽器ですから丁寧にケアしないといけません。若い人に対しては食事面、海外に出ると目新しい食べ物や甘いものが沢山あって、思春期の方は特に身体の変化と共に丸くなってしまいます。だから「きちんとご飯を食べなさいよ〜」といつも言っています。あと受動態でなく能動態の行動を取る事!日本人は答えをすぐに求めて、相手は何をやったらよしと言ってくれるんだろう、と受け身から行動をスタートする傾向に感じます。ああかな、こうかなと自らが率先して行動すると目がその人にいくんですよね。ダンスの中でも特にバレエは美しく、また儚い世界。若い人達の芸術だとも言われています。アスリート的な要素を必要としますので若くエネルギーのある時期に走り抜いて欲しいと願います。そし出発時に描いた夢がどんどん移ろっていく様を楽しんでください。

ダンス留学アンドビジョン【ダンス新着情報 vol.10. 2015-12-08 07:00:00】

☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:* 【1】ごあいさつ&ご案内 ☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:*   ┏━━━━━━━━┓ ┏━┫ 様 ┣━┓ ┃■┗┳━━━━━━┳┛■┃ ┗━━┛      ┗━━┛ こんにちは!アンドビジョンのです♪ すっかり冬モードで、もうすぐクリスマス♪ そして大みそかからの〜 お正月っとイベント盛りだくさんの年末年始になってきましたねw みなさんいかがお過ごしですか? この時期コンクールもたくさんありますし、みなさんの益々の活躍の場が広がっていくと思います♪♪ ☆…┓┏━┓☆…┓┏━┓☆…┓ ┃学┃┃校┃┃情┃┃報┃┃♪┃ ┗━┛┗…★┗━┛┗…★┗━┛ 学校情報は大学に特化しました☆ ◆アリゾナ大学ダンス学部 素晴らしい施設、多くの受賞歴を誇る指導者ら。欧米有数のダンス教育をアリゾナで受けませんか。 設立より20年ほどの間に高い評価を受けるようになったこのスクールは、パフォーマンスアーティストにも、ダンス研究者にも満足のいく教育の場です。 http://www.dance-abroad.com/program/6691-university-of-arizona-school-of-dance.html ◆マンハイム音楽舞台芸術大学ダンスアカデミー 創立は1762年。ドイツの大学にある名門舞踏学校 伝統と革新の両方を重視することで地位を築いてきたダンスアカデミー。そのハイクオリティーなトレーニングで、世界で活躍できるダンサーになろう。 http://www.dance-abroad.com/program/university/6505-staatliche-hochschule-fuer-musik-und-darstellende-kunst-mannheim-akademie-des-tanzes.html ◆ティーズサイド大学ダンス学部 イギリス内でも特に海外留学生に評価が高いのがポイント。ダンスも人気のコースです。 イングランド北部の端正な町にあるティーズサイド大学は、授業だけでなく、環境、生活費のリーズナブルさなどにおいても、満足度が非常に高い大学です。 http://www.dance-abroad.com/program/university/6509-teesside-university-dance.html ◆オクラホマシティ大学アン・レイシー・スクール・オブ・アメリカン・ダンス ザッツエンタテインメント!ピュアにアメリカのエンタメを学べるオクラホマの大学です! タップ、ジャズ、ミュージカルー「アメリカンダンス」に特化した学校でアメリカエンタメ業界を学び、ダンサーとして、業界人としてスターダムを目指す。 http://www.dance-abroad.com/program/university/6689-oklahoma-city-university-ann-lacy-school-of-american-dance.html 資料のご請求、ご質問などある方は TEL:03-3278-3450 MAIL: このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。 までご連絡ください! ;;.。:*・☆o。:・;;.。:*・☆ 【3】講習会情報 ☆o。:・;;.。:*・☆o。:・;; ◆ナショナルシアターバレエスクール冬期講習 オーストラリアで最も歴史あるバレエスクールによる人気の集中講座。 名門オーストラリア・バレエ団の現役プリンシパル、アンバー・スコットがゲスト講師!トップレベルのバレエを体感しよう。 【期間】2016年1月11日〜1月16日 http://www.dance-abroad.com/major/6390-national-theatre-ballet-school-summer-school-ntbs.html ◆トリング・パーク・スクール・フォー・ザ・パフォーミング・アーツ・スプリングコース イギリスで高い評価を受けている芸術学校のスプリングコースで、大きく飛躍しよう! 高級住宅街ハートフォードシャーにある歴史的建造物がレッスンの会場。 ロンドンへのアクセスも容易ながら大自然に囲まれ、安心して高度なトレーニングに集中できる環境。 【期間】2016年4月4日〜4月8日 http://www.dance-abroad.com/country/europe/uk/6354-tring-park-school-for-the-performing-arts-easter-dance-course.html ◆スクール・オブ・アメリカン・バレエ ニューヨーク・シティ・バレエ団付属、アメリカ屈指のバレエ名門校でプロを目指す! ニューヨーク・シティ・バレエ団付属のスクール・オブ・アメリカン・バレエは、20世紀最大の振付師と称される「ジョージ・バランシン」が設立した、国際的バレエのエリート校です! http://www.dance-abroad.com/country/america/usa/5878-school-of-american-ballet.html ↑↑↑ 夏期講習の募集が始まっております!!是非たくさんの方のお応募をお待ち申し上げます♪♪ ◆カナダ・ナショナル・バレエ・スクール 総合的なケアが魅力、世界屈指のバレエスクール カナダ最大の都市トロントにある大規模なキャンパス。ダンストレーニング・学業・寮設備の全てが揃った環境で、集中してバレエを学ぶ。 http://www.dance-abroad.com/country/america/canada/5919-canadas-national-ballet-school.html ↑↑↑↑ 夏期講習会 講習会期間:2016年7月4日から7月29日 ◆パリ国立オペラ座バレエ学校 誰もが認めるフランスの誇り、世界の至宝。パリ国立オペラ座バレエ学校の生徒をめざす。 エトワールになりたい人なら、一度は憧れる学校ーパリ国立オペラ座バレエ学校。最難関、最高峰であるこの学校への挑戦をかたく、熱く決めたあなたへ。 http://www.dance-abroad.com/major/5860-lecole-de-danse-de-lopera-de-paris.html ↑↑↑↑ 夏期講習の募集が始まっております。 講習会期間:2016年7月5日から16日 募集対象年齢12歳から19歳 ┏━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┓ ┃☆┃国┃内┃語┃学┃レ┃ッ┃ス┃ン┃情┃報┃☆┃ ┗━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┛ アンドビジョンでは留学のための語学レッスンも行っています。 先生はもちろん各国のネイティブスピーカー。 レッスン時間や内容は、すべてあなたに合わせて、 フレキシブルに更可能。 ご自分にあったカリキュラムをリクエストできます! 実際、留学経験者の多くが、渡航前に準備すべきだったこととして、語学をあげられます。 100%ダンスに集中するために、語学の準備はしっかりと! http://www.dance-abroad.com/program/language/1262-language-lesson-in-tokyo.html 資料のご請求、ご質問などある方は TEL:03-3278-3450 MAIL: このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。 までご連絡ください! \☆/────────────\☆/ ☆★☆ 【5】海外語学学校情報 ☆★☆ /☆\────────────/☆\ ◆オムニコム・スクール・オブ・ランゲージズ “もうひとつの我が家” と思える学校で、 真のカナディアンライフを体験 教科書では学べないことを楽しみながら学ぶソーシャルアクティビティー。 教室の外で更に英語力アップ。身に付けたスキルと経験が夢を叶える自信に変わります。 http://www.dance-abroad.com/program/1220-omnicom-school-of-languages.html ◆ESL ランゲージ・センター 巧みに計画された教育プランで、いつの間にか語学が上達します。 滞在都市を一箇所には絞れない!2都市滞在も可能です。 ドイツ語もフランス語も学びたい!2ヶ国語学習コースもあります。 思い通りの留学プランを立てるのにぴったりです。 http://www.dance-abroad.com/program/1329-esl-language-centers.html 回-回-回-回-回-回-回-回-回-回-回-回-回 | 回【6】海外オーディション情報 | 回-回-回-回-回-回-回-回-回-回-回-回-回 ◆サラソータバレエのオーディションがございます。 ◆カナダ国立バレエ団がダンサーを募集しております。 応募資格 ・男性ダンサー身長178cm以上 ・女性ダンサー身長163cm以上 ◆ピッツバーグ・バレエ・シアターの現地オーディションが3月にございます。 事前申し込みが必要です。 ◆ワシントンバレエの現地オーディションがニューヨーク、ワシントンDC、マイアミで開催予定です。 http://www.dance-abroad.com/order.html ▲▲▲▲▲▲▲▲ たくさんのご応募お待ちしております♪♪ 編┃集┃後┃記┃ &┃次┃回┃予┃告┃♪┃ ━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛ 気になる情報はありましたか?夢への最初のステップになれたら嬉しいです☆ 皆さんからのご意見・ご感想をお待ちしてます♪ MAIL: このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。 そして、ご友人にも是非ご紹介ください!(゜▽゜) メルマガ登録は、やメールアドレス変更は簡単に登録できます!! HPから登録できるので、やってみてくださいね! http://www.dance-abroad.com/ ::::::/\:::::: :::://\\:::: :://田田\\:: //┌─┬┐\\  ̄││ o││‖ ̄ 爻││_ ││‖彡 ""'""'""'""'""'"'""" '" '" " 次回のメルマガは、 12月22日(火)発行予定です。 お楽しみに!p(^^)q

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Y.M.さん/ウィーン冬期音楽講習会

-氏名 Y.M.様 -専攻 ピアノ -参加コース名 ウィーン冬期音楽講習会 -参加期間 2023 年 12 月 29 日~ 2024 年 1 月 5 日 -今回ご留学なさってみていかがでしたか?全体的なご感想をお願いします。 とても有為義な時間を過ごせました。レッスンがよく、(先生がよく)、ピアノに真剣にとりくめました。もう少し練習時間がとれるとなおよかったと思いました。またウィーンは音楽のあふれる街で住みやすそうで、ピアノ以外の時間も楽しくすごすことができました。 -特に印象に残ったことは何かありますか?(講習会、生活面などいろいろな点で) 講習会:先生が姿勢やひき方など基本的な所に対して指摘して下さることが多く、練習の際も意識することが変わりました。 生活面:また地下鉄に何度も乗りましたが、ゆれがひどくSバーンに乗ったらとても快適でした。 -■レッスンについて■- -担当講師名 Stefan Arnold 先生 -1クラスの参加人数 1人 -レッスン回数 4回 -レッスンの進め方 やっていただきたい曲を申告し、まず弾く。そして最初から部分的に指導して下さいました。 -講師・レッスンの印象(どんなレッスンでしたか?日本との違いなど) とてもいい先生でした。わかりやすく、音に対してすごく敏感でした。基本的な動がわかり、役に立ちました。 -通訳について(通訳はいてよかったですか?何か問題はありましたか?) Arnold 先生は英語も話せるようでしたので、英語であれば通訳はなしでもよかったです。 -■宿泊施設について■- -宿泊形態 ホテル -良かった点 駅から近く、快適でした。 -悪かった点 朝食が毎日同じで少しあきました。 -■国や都市、滞在した街について■- -実際に行ってみて、この国や都市の印象はいかがでしたか?(治安面、交通面、街の人の印象など) 治安がいいので住んでみたいと思いました。いろいろな人種の方がいましたが、みなウィーンにとけこんでいる印象でした。地下鉄はゆれがひどかったですが、シンプルでわかりやすく便利でした。 -現地でのお食事はどうでしたか?(自炊、外食など) とてもおいしかったです。日本人が経営する日本料理屋もあり、和食もたのしめました。 -留学して、ご自身が成長したと思う点や、変わった点などを教えてください。 基本的な打鍵の仕方や姿勢など指摘され、自分が今までだせなかった音が出せるようになりました。 -アンドビジョンのサービスは、いかがでしたか?(良かった点、悪かった点) とても楽しかったです。現地スタッフさんもとてもいい方たちでした。 -今後留学を考えている方に、アドバイスをお願いします。 留学に行ってみると、行く前とは違う何かをえられると思います。思い切って留学してみて下さい。 -今後どのようなプログラムがあると良いと思いますか? 現地の宿泊先にホテルではなくウィークリーマンションのような選択肢もふえるとなおウィーンを満喫できるのではと思います。

★2/19・ 18:00-【☆ムジカルタ春期音楽講習会☆】現地講習会担当者がプログラムについて解説致します!★

ムジカルタ春期音楽講習会
Information Session
~ムジカルタ春期音楽講習会オンライン説明会~
参加費無料・完全予約制・オンラインでの参加も可能です

ゲストスピーカー:講習会ディレクター Florence Labさん
日時:2月19日(水)18:00-18:30
場所:≪アンドビジョン・東京オフィス≫
〒101-0052
東京都千代田区神田小川町3-8 神田駿河台ビル2階
JR御茶ノ水駅御茶ノ水口から徒歩7分、東京メトロ半蔵門線神保町駅から徒歩5分程度

♪参加ご希望の方は、こちらからオンライン予約フォームを送信して下さい。

※説明会予約を選択→その他ご要望等に“ムジカルタ春期音楽講習会”とご記入下さい。

お電話・FAX・メールでのご予約も承っております♪    
電話:03-5577-4500  FAX:03-4496-4903 メール:このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。

ペルー共和国

ペルー国旗ンデスの山々に囲まれ、古くはインカ文明が栄えたペルーは現在もそのインカの遺跡やなすかの地上絵などの神秘にみちた文明で注目を集めている。アマゾンの熱帯雨林を有し、一方では氷河のせり出す雪山もあるペルーは文化、地理的にも魅力あふれる国である。
基本情報
正式国名&英語表記 ペルー共和国 Republic of Peru
首都 リマ
面積 128万5,215km2
人口 2,714.8万人(2003年ペルー国立統計院推定値)
人種 先住民47%、混血40%、欧州系12%、東洋系等1%
言語 スペイン語(他にケチュア語、アイマラ語)
宗教 カトリック教徒(89%)
通貨 ソル。補助通貨センチモ。
為替レート s/.1=100Centimo =33.09円(2005年6月3日)
紙幣 s/.10、20、50、100
硬貨 s/.1、2、5、と5、10、20、50entimo
電圧 220V ,60Hz
時差 プラス14時間
祝日 1/1元旦、●3/24〜3/27セマナ・サンタ(聖週間)、5/1メーデー、6/24農民の日、6/29聖ペドロと聖パウロの日、7/28・29独立記念日、8/30サンタ・ロサの日、10/8アンガモス海戦記念日、11/1諸聖人の日、12/8聖母受胎の日、12/25クリスマス
●=移動祝祭日
※同一国内でも、州や市により独自の祝祭日を設けているところがあり、地域によって多少異なることがあります。また、年度途中に祝祭日が追加されたり、宗教上の祝祭日は確定していないものがあります。
在留邦人数 1,518人(2003年10月) 日系人推定8万人
電話国番号 51
緊急電話番号 警察431-3040・105(緊急時)、観光警察476-7708、消防・救急車116・472-3333

物価
ペルーの物価はさほど安くはないが、食費に関して言えば、安いといえる。1食当たり安いと2ドル、高くても25ドル程度。宿泊は5ドルから140ドルと幅広い。リマやクスコといった都市部では観光客相手のところは当然物価も高いので、よくチェックしてみよう。
GNP 547億ドル(2003年、世銀)
一人当たりGNP 2,050ドル(2003年、世銀)
GDP成長率 4.6%(2004年、ECLAC数値)
物価上昇率 2.5%(2003年、ペルー中銀)
失業率 9.4%(2003年都市部、ECLAC)
主要貿易品目
(1)輸出 金、銅、魚粉、衣類
(2)輸入 製造業用中間財、製造業用資本財、非耐久消費財、燃料
主要貿易相手国 (1)輸出 欧州32.5%、北米27.0%、中南米20.2%、アジア18.7%
(2)輸入 中南米37.4%、北米24.8%、アジア18.7%、欧州15.9%

気候
ペルーの気候は、南回帰線の内側にあるため、熱帯圏となるが、地域によってさまざまな地理的影響を受け、異なった気候となっている。乾燥した海岸砂漠から氷河の迫り出した雪山、熱帯ジャングルのアマゾンまで存在する国。熱帯雨林、山岳地域、海岸地帯それぞれの特徴があるので、自分の滞在する土地の気候は事前に調べておこう。
現在の天気
Click for Lima, Peru Forecast

ビザ 観光目的で90日以内なら不要。ビザについては大使館にご確認ください。
パスポート 残存有効期間が帰国時まであること。

大使館などの在日政府機関
ペルー共和国大使館 Embassy of the Republic of Peru in Japan
〒150-0011 渋谷区東4丁目4-27
Tel: 03-3406-4243/4249 Fax:03-3409-7589
在東京ペル−共和国総領事館 Consulate General of the Republic of Peru in Tokyo
〒141-0022 品川区東五反田1丁目13-12 五反田富士ビルディング6階
Tel: 03-5793-4444 Fax:03-5793-4446
管轄区域:日本全土
在京都ペルー共和国名誉領事館 Honorary Consulate of Peru in Kyoto
〒602-8688 京都市上京区小川通寺之内上ル (財)裏千家今日庵内
Tel: 075-431-3111
管轄区域:京都市、大阪市、奈良市、神戸市

現地日本大使館
在ペルー大使館 Peru
Embajada del Japon
Avenida San Felipe 356, Jesus Maria, Lima, Peru
(Apartado No. 3708)
Tel: (51-1) 218-1130 Fax: (51-1) 463-0302
在リマ総領事館 Lima
Consulado General del Jap熔
事務所は、在ペルー大使館と同じ。

布施菜実子さん/ヴァイオリン/ミュンヘンフィルハーモニー管弦楽団/ドイツ・ミュンヘン

「音楽家に聴く」というコーナーは、普段舞台の上で音楽を奏でているプロの皆さんに舞台を下りて言葉で語ってもらうコーナーです。今回ドイツ・ミュンヘンフィルでご活躍中の布施菜実子(ふせなみこ)さんをゲストにインタビューさせていただきます。「音楽留学」をテーマにお話しを伺ってみたいと思います。
(インタビュー:2009年8月)


ー布施菜実子さんプロフィールー

布施菜実子さん
布施菜実子さん

東京生まれ。4歳よりヴァイオリンを始める。桐朋女子高校音楽科を経て桐朋学園大学を1998年に卒業。在学中には仙台フィルハーモニー管弦楽団と共演したほか、東京文化会館小ホールにて新人音楽家デビューコンサートなどに出演。またカール・ライスター弾き振りのオーケストラにてコンミスを務めるなど多数の学内オーケストラにてコンミス、首席を経験。卒業後すぐに渡独。ミュンヘン音楽大学ではマイスタークラスに入学し、2000年にマイスタークラスディプロムを取得、卒業。Münchener Kammerorchesterの契約団員を経て、2000年のマイスタークラス卒業と同時にミュンヘンフィルハーモニー管弦楽団に入団。現在オーケストラ以外に、室内楽などを中心に演奏活動を行っている。これまでにヴァイオリンを故鈴木共子、朱貴珠、クルト・グントナーの各氏に、室内楽を店村眞積、堀了介、村上弦一郎、バルトーク・カルテット、アルバンベルグ・カルテット、アマデウス・カルテットなどに師事。


-では、最初に、布施さんのご経歴を教えてください。

布施  4歳からバイオリンを始め、6歳で桐朋学園大学付属「子どものための音楽教室」に通い始めました。桐朋学園女子高校音楽科を経て、桐朋学園大学を卒業し、ミュンヘン音楽大学マイスタークラス(大学院)に2年間在籍しました。卒業後、すぐにミュンヘンフィルハーモニー管弦楽団に入団し、現在に至っています。

-素晴らしいご経歴ですね!

布施  いえいえ。私はコンクールなどはほとんど受けていませんので、コンクール歴はないんですよ。

-それは意外です。では、音楽に興味を持ったきっかけは何だったのでしょうか?

布施  実は、それほど、音楽やクラシックに興味はなかったんです。バイオリンも、自分からやりたいと言って始めたわけではありませんでした。母親が、自分がバイオリンをやりたかったから、ということで、私に始めさせたんです。桐朋学園の高校に入るまでは、他のお友だちと同じように、普通にポップスなども聴いていました。その頃は、プロの音楽家になるなんて、全然考えてもいませんでしたね。

-それでは、クラシックに興味を持ち始めたのは、高校に入学してからなんですか?

布施  そうですね。音楽高校だったので、素晴らしい経歴を持つ子たちがたくさんいたんです。コンクールで全国一位とか、地方から出てきている人もいましたし。そんな中にいたら、かなり刺激を受けまして。やっと目覚めたというか、初めて、自分の意思で練習するようになったんです。

-大きな刺激だったのでしょうね。

布施   はい。そして、高校三年生の頃、ザルツブルグ夏期講習会・モーツァルテウム音楽大学夏期国際音楽アカデミーに参加したんです。そこで初めて、ヨーロッパの音楽を聴いたんです。先生だけじゃなく、参加している講習生の演奏も聴いているうちに、「ヨーロッパの音楽って、クラシックって素晴らしい!」って、感動したんです。その頃からですね、留学を考え始めたのは。

ミュンヘンフィル布施さん
ミュンヘンフィル布施さん

-ザルツブルクの講習会が、留学するひとつのきっかけになったのですか?

布施  はい。きっかけのひとつではありました。でも、師事していた先生に相談しましたら、「高校を卒業してすぐというのは、少し早いのではないか。」とアドバイスをいただきまして、大学で勉強してから、ということにしました。実は、大学2、3年の頃には、大学の先生から、「そろそろ留学してもいい時期ではないか。」と言わてはいたんです。でも、休学するよりは、やはり卒業してから留学したいと思いまして・・・。そして、4年生になってから、これがもうひとつの大きなきっかけになるのですが、スイスのレンクで行われた講習会に参加したんです。

-ザルツブルグだけでなく、スイスでも講習会に参加されたんですね。

布施  はい。そして、そこで、すごく素晴らしい先生に出会ったんです。ミュンヘンで教えてらっしゃる、とても有名な先生でした。「どうしても、この先生に習いたい!」と思った私は、講習会が終わってから、先生に直接、先生のもとで勉強させてほしいと話しに行ったんです。しかし、先生のクラスは、すでに入る順番を待っている方が大勢いたので、来年入るのは無理、とのお返事でした。でも、私は、そこで諦めなかったんです(笑)。今となっては、無謀だと思うのですが、日本に帰ってからも、先生に何度かご連絡したんです。もちろんお返事をいただくことはありませんでしたが・・・。そういう状況なのに、単純に、行ったらなんとかなるだろうと思ってたんですね。大学を卒業してすぐ、4月にはミュンヘンに渡ったんです。

-すごい勇気と行動力ですね!

布施  無謀ですよ(笑)。そして、渡航してからすぐ、先生にお電話したのですが、やはり、「今年は、定員が一杯だから、突然来られても無理だ。」と言われました。当たり前ですよね(笑)。ただ、一度聴いてもらったら、「マイスターのレベルには達しているから、試験には合格するだろう」と、ミュンヘン音大のマイスターコース受験を勧められ、大学の先生も紹介していただいたんです。そして、マイスターコースに合格しまして、その先生のクラスに入ることになったんですが、いろいろな事情がありまして、さらに別の先生に教えていただくことになったんです。正直、その先生のことは、全く知らなかったのですが、レッスンに行ってみたら、この方が、素晴らしい先生で・・・! 私が今いるミュンヘンフィルで、以前、コンサートマスターをやられてた方でしたので、オーケストラスタディもよく見てもらいました。人間的にも素晴らしい方で、今思えば、偶然に偶然が重なって、結果的に私にとって、とてもラッキーな出会いとなりました。

-そういう出会いって、本当、分からないものですね。

布施  ええ、あれだけ講習会で出会った先生に習いたい!って思っていたのに・・・。結果的には、すべて無駄ではなかったですね。

-元をたどれば、講習会だったわけですからね。

布施  はい。やっぱり夏期講習っていうのは、大きなきっかけになりますから、留学したいと考えている人であれば、ぜひ、積極的に参加してほしいですね。
 

ミュンヘンフィルの皆さんと
ミュンヘンフィルの皆さんと

-では、留学に関することをお伺いしますが、クラシックを勉強するに当たって、ドイツの良い点、悪い点があったら教えてください。

布施  ドイツに限らず、ヨーロッパの街では、大小関わらず、毎日どこかでコンサートをやってます。安い値段で、気軽に良い音楽を聴くことができるんです。それがすごく良いことですね。日本だと、何ヶ月も前から予約して、頑張って予定を空けて行くって感じですけど。そんな堅苦しいイメージはなくて、「買い物のついでに行ってみよう」っていう感じで、それこそ、ジーンズを穿いてても行けてしまうんです。学生時代には、学割を使って、たくさんオペラを見ました。今思えば、それが私にとって、大きな収穫でしたね。

-日本だと、そうは簡単に行けませんものね。

布施  大ごとになりますもんね。それに、こちらでは、コンサートに行かなくても、あちこちに教会がありますから、ちょっとのぞいてみたり、街の雰囲気を味わっているだけでも、大きな価値があると思います。

-そういうことも、音楽に影響するでしょうからね。

布施  はい。音楽は、やはり人間の内面を映し出すものですから。たとえば、日本の音大生のように、部屋にこもって練習ばかりしているよりは、街に出て一息入れるのも必要だと思います。外に出て、ドイツ人の生活を直接肌で感じたり、何か感動したりすることによって、それが音楽に生きてくるのじゃないのかな、と思います。

-では、何かドイツの悪い点はありますか?

布施  あまり感じたことはないですね。自分から来たくて来たので。自分にとっては、すべてが新しくて、プラスになることばかりでした。いつもポジティブに物事を考えていないと、外国で暮らしてるというだけで、気が滅入ったりすることもあるでしょうし。

-そうですね。ホームシックで、マイナス思考になったりすることもありますからね。

布施  単純なことで言うと、食事なども全然違いますから、そこでホームシックになってしまう方も多いですよね。たぶん、自分の気持ちの持ちようではあると思うんですけど。自分が、そこで何をしたいのかっていう目的があって、楽しみになる部分が多ければ、ホームシックになっても頑張れるのではないかと思うんですけど。

-まさに、その通りですね。さて、ドイツ留学するにあたって、一番重要なことは何だと思いますか?

布施  もちろん、語学は大切だとは思います。留学前に、少なくとも簡単な会話程度はできたほうがいいと思います。ただ、渡航してからでも、コミュニケーションを通して、語学は上達しますから、一番大事なことだとは思わないんです。それ以上に、現地に知り合いがいれば、事前に、なるべく多く情報をもらうことが大事だと思います。特にドイツは、ビザを取得したり、事務的なことがとても大変です。最近は、インターネットでたくさん情報は得られると思うのですが、学校や街によって、少しずつ事情が異なることも多いですからね。

-留学前の情報収集がキーなのですね。

布施  はい。私は、来たばかりの頃、練習するより、事務的なことをする時間のほうが多かったんですよ。学校の入学手続きもそうですし、滞在ビザも、たくさん書類上の手続きを踏まなければいけなくて。だから、これらの事務手続きや書類作りは、日本で準備しておいたほうが絶対にいいです。こっちに来てから、「あの書類が一つ足りない。親に送ってもらわなくては。」などというのは、本当に時間の無駄でしたから。

ミュンヘンフィル
ミュンヘンフィル

-では、今、お仕事をされていて、日本人で有利な点、不利な点はありますか?

布施  最近では、日本人だから、というような人種差別的なことは、ほとんどないと思います。ミュンヘンは保守的な街って言われてますけど・・・。オーケストラも、外国人はなるべく入れたくないらしいって話も聞いていたんですけどね。でも、いざ入ってみたら、とてもインターナショナルなオーケストラでしたから、あまり人種的なことは気にしなくていいと思います。ただ、ドイツで、オーディションを受けるときには、招待状が必要なんですよ。ドイツの音大で勉強しました、というだけでは、なかなか招待状は来ません。そういう意味では、受けようと思ったときが、アジア人全般、たぶん不利だとは思います。ただ、オーケストラアカデミーやプラクティカント(研修生)を受験する場合には、招待状は必要ありません。そういうところで経験を積めば、ドイツのオーケストラで弾いていたという経歴を示すことが出来ます。私の考えではありますが、相手にそれ印象付けると、招待状をもらえる確率は高くなると思うんです。そこまで来れば、人種は関係ないです。

-布施さんは、招待状をもらったんですか?

布施  私の場合も、学校と並行して、ミュンヘンフィルの契約団員として、弾かせてもらっていたんです。そのオーディションは、誰でも受けられましたから。そこで採用されて、契約団員として活動を始めてから2ヵ月後に、正式オーディションを受けられたんです。最近は、日本人の方もオーケストラアカデミーやプラクティカントで、たくさん見かけるようになりましたから、皆さんもそうやって始められているのでしょうね。

-少しでも、ドイツで経験を積んでおくということが大切なんですね。

布施  はい。学校と並行してできると思うので、卒業してからと考えずに、在学中から、少しずつ始めたらいいと思います。特にドイツの場合は。

-では、続いて、難しい質問です。布施さんにとって、音楽はどういう存在ですか?

布施  私にとっての音楽は・・・、大きな「喜び」でしょうか。家で練習してても、コンサートで演奏してても、聴衆として聴いていても、曲の素晴らしさや、それによって作曲家の偉大さに感動するようになったんです。この感動は、言葉にするのは難しいのですが、本当に、喜びというか幸せというか…。その空間にいる、何千人という人々と、一つの音楽を共有できるって、なんて幸せなことなのだろう、と思うようになりました。でも、こういう風に感動できるようになったのは、こちらに来てからです。日本にいた頃は、ただ、がむしゃらに練習していましたから。試験に向かって頑張っていた、という感じで。こちらに来てから、音楽が「身の周りにある普通のもの」と感じられるようになりました。リラックスできるようになったというか、頑張りすぎなくなったというか・・・。そうしたら、突然、音楽が、自分にとって喜びに変わってきたんです。

-違った国の音楽に触れるというのは、そういう利点もあるのですね。

布施  ええ。たぶん、自分の視点が変わったと思うんです。気張らなくなったんですね。ですから、レッスンというものを、楽しんで出来るようになったんです。そして、新しいレパートリーを増やすことに専念するのではなく、今まで日本で練習した曲を、自分の新しい感覚で、もう一度弾いてみたいという欲求も出てきました。だから、レパートリーは、そんなに増えませんでしたけど(笑)。

-日本の音大生は、皆さん「テストが・・・」って、よくおっしゃってますものね。

布施  ですよね。私もその一人でしたから、すごく分かります。年に2回、試験があったんですけど、その試験に向かって曲を練習していました。試験の点数ばかり考えていて、楽しむという余裕なんか、全くありませんでした。音楽大学に限らず、学生にとって、試験の点数は常に気になるものですけどね(笑)

-プロの音楽家として活躍するコツや、成功する条件などを教えてください。

布施  成功する条件というのは、必ずしもないと思うのですが・・・。ひとつ言えることは、日本人は、謙遜する傾向にありますけど、ドイツで、それはしないほうが良いと思います。ドイツ人は、図々しいところがあるので、それに対抗できるくらいでないと、せっかくのチャンスを逃してしまうことにもなりかねません。たとえば、仕事がもらえそうなときに、謙遜して「自分で勤まるのでしょうか」などと言ってしまうと、そのまま不安として受け取られてしまいます。謙遜や社交辞令は、まったく通用しない国なので、ダイレクトに自己主張するのが大切ですね。

-自己主張は、日本人のニガテ分野のひとつですものね。

布施  ええ。日本人だと、相手のことを考えて「こういったら失礼かな?」などと考えて、自分の思っていることも言えなかったりしますよね。ドイツ人は、失礼だと思えば失礼だとハッキリ言いますから、まずは、思ったことをきちんと言うことが大事です。これは、勉強している学生でもそうだと思います。まして、ドイツ人の中で仕事をしようとしているのであれば、なおさら大切なことです。

-日本人にとっては難しいことかもしれませんが、大切なことですね。

布施  あと、よく聞くのが、こういう話です。すごく上手な方が、オーケストラのオーディションを受けて、自分でも良く弾けたと思っていたのに、不採用だったと。それは、その人の出来、不出来ではなく、オーケストラとの相性の話だと思うんです。「すごく上手だけれど、うちのオーケストラには、多分合わないな。」とか、そういうこともあるんです。受けている側にしたら、自分のレベルが低かったのか、などとショックを受けると思うのですが、プロになりたかったら、「ここと縁がなかった」って割り切って、次に向けて切り替えることも大事です。

-落ち込んでしまうでしょうけどね・・・。

布施  これに関しては、どの国の方でも同じです。どうしても入りたかったオーケストラで不採用になったら、やっぱり落ち込みますよ。でも、そこは頭を切り替えないと。
 

日本ツアー時に日本食
日本ツアー時に日本食

-最後になりますが、海外で勉強したいと考えている方々に、布施さんからアドバイスをお願いします。

布施  まず、自分が、海外で何を学びたいかを、明確にしておくことが大切だと思います。勉強できる時間は限られていますから、目的はハッキリ設定しておいたほうがいいです。たとえば、オーケストラに入りたかったら、学校は、オーケストラに入るための準備期間にする、という考え方もできます。また、留学後に日本に帰りたい、と考えているのであれば、ソロ活動に専念できるような勉強をするとか、やりたいことによって、勉強の仕方も変わってきますから。もちろん、現地に行ってから、自分の気持ちが変わることはあり得ることですが、ある程度は、しっかり目的を持っていくべきだと思います。

-目的を持って勉強するということですね。多くの学生さんにとって、とてもためになるお話だと思います!

布施  そう言っていただけると、嬉しいです。

-今日は、たくさん興味深いお話を聞かせていただいて、本当にありがとうございました!
 

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