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堀野開さん/ギター/バークリー音楽大学ギターセッションコース/アメリカ・ボストン

 

堀野開さん

堀野開さんプロフィール

10歳頃ビリージョエル、クイーン、レッドツェッペリンを聞いて洋楽に目覚め、父親に基本的なコードを教えてもらいながらギターをはじめる。

高校入学後、約半年掛けてネットなどでバンドメンバーを捜し、現在のバンドReckless Rush を結成、活動中。

 

-では、自己紹介をお願いします。
 
堀野 堀野開(ほりのかい)です。17歳です。両親の影響でずっとロックを聴いていました。ギターは小学校5,6年生の時に父親から教えてもらいましたが、中学生になって本格的に自分で勉強しながら覚えました。現在、バンド活動をして1年ほど、ギタリストです。
 
-過去に講習会に参加されたことはありますか?
 
堀野 いえ、今回のバークリーが初めてです。
 
-今までに海外へ行かれた経験はありますか?
 
堀野 叔母がベトナムの方と結婚をして住んでいるので、ベトナムには3回ほど行っています。他は、英語の習得プログラムで10日間ほど、イギリスへ行きました。
 
-今回の講習会である「バークリー音楽大学ギターセッションコース」に参加されたきっかけを教えて下さい。
 
堀野 バークリー音楽大学のことは、好きなバンドのミュージシャンの出身校だったので知っていました。実はこのプラグラムについては、母がインターネットでみつけてきて僕に勧めたのです。勧められたものの費用もかかることですし、気軽には決められないと悩みましたが、行くことによって変えられることがあるかもしれないと、あらためて両親にお願いしました。
 
-実際に行ってみて、何か変わった事とかありましたか?
 
堀野 変わったと思います。今までの海外経験は周囲も日本人で安心でしたが、今回はすべて自分ひとりでこなさなきゃならない、今までとは違った経験でした。お陰で困ったときの対処方法もわかりました。アメリカはフレンドリーな国で気軽にしゃべりかけることが出来て良かったです。ギター面では、本場のミュージシャンの方たちとの交流がとても勉強になりました。
 
-参加者はどのくらいの人数ですか?
 
堀野 僕が参加したギターセッションで100人以上はいたと思います。
 
-参加者はアメリカの方がほとんどでしたか?
 
堀野 7割くらい、ほとんどがアメリカ人だと思います。あとはイギリスなどヨーロッパの人たちが多かったです。
 
-講習会のスケジュールは、どんな感じで組まれていましたか?
 
堀野 主に3つの授業に分かれていて、1つ目がコードの仕組みなど音楽理論に関する講座で、2つ目がセッションの授業でプロのセッションミュージシャンと合わせていきます。3つ目は自分が選んだ題材をもとに、みんなでリフを弾いたり仕組みの説明があったりする授業です。僕はクラッシックロックを選びましたが、各授業1時間半です。
 
-毎日そんな感じで授業があるのですか?
 
堀野 毎日あります。講習会のラストの日はセッションコンサートのライブが2時間目にあって、セッションミュージシャンとのリハーサルそしてライブと続きます。最後に奨学金の説明会がありました。
 
-セッションコンサートでは、ギター以外の生徒さんも参加されるんですか?
 
堀野 ベースやドラムはセッションミュージシャンの方が担当し、ひとりずつ必ずギターソロが出来るようになっていてアレンジをしていきます。クラス自体は5、6人です。
 
-かなり盛り上がりそうですね。
 
堀野 すごく盛り上がりますね、音に乗る、グルーブ感があって気持ちよくプレーが出来ます。
 
-他の参加者の方々は、やはりバークリー音楽大学に入学したい方がほとんどですか?
 
堀野 そうですね、バークリーに入りたい人が多いです。僕はイギリスの音大に入ってアメリカと比較してみたいとは思います。
 
-担当の先生はどんな方でしたか?
 
堀野 当然なんですが、3人ともすごく上手くてプロから先生になったような方ばかりだと感じました。英語に慣れていなかったので、音楽理論の授業は少し辛く感じましたが、セッションはとても楽しかったです。50代位の先生だと思いますが、とてもフレンドリーで、先生と生徒が対等な感じがいいなと思いました。
 
-セッションの授業で印象に残っていることはありますか?
 
堀野 特別な説明はなかったのですが、とりあえずみんなに任せるという感じでした。実際にプロのセッションミュージシャンと合わせることによって、グルーブの出し方をなんとなくつかめた感があります。
 
-そのグルーブというのは大切ですか?
 
堀野 はい。日本とアメリカでは随分違うしとても勉強になりました。
 
-授業以外では何をされていましたか?
 
堀野 時差ぼけがなかなか治らなくて寝ていました。解消法を聞いていなかったのが原因です。少し良くなってからは、近くを散歩してハンバーガー屋や楽器屋さん、CDショップやおみやげ屋さんをぶらぶらしました。
 
-友だちはできましたか?また友だちとはどのように過ごしましたか?
 
堀野 同室の人とは友人になって、部屋でご飯を食べたり一緒にジャムセッションをしたりしました。
 
-楽しそうですね、街の治安はどうでしたか?
 
堀野 思っていたより良かったです。ホームレスの人たちも見かけましたが、大丈夫でした。
 
-滞在中、どこか遊びにいきましたか?
 
堀野 最終日の前日に、バークリーの生徒さんに(彼はプログラムの期間の案内役的な方でした)ハンバーガー屋で声を掛けられて仲良くなりました。ニューベリーストリートにある雑貨屋でおみやげを買ったり、向こうで友だちになった日本人と一緒に街で大きな楽器屋に遊びに行ったりしました。
 
-ボストンの中心街のダウンタウンは大きいですか?
 
堀野 通り自体は大きくないですが、店はたくさんありました。
 
-学生寮は快適でしたか?
 
堀野 僕自身は良くなかったです。ルームメイトと2人一部屋なので、なかなか自分の時間が取れなくて。
 
-設備的にはどうでしたか?
 
堀野 とてもシンプルでベッドと電気と机しかありません。洗面道具やタオルなど細々としたものは、自分で用意をして持ち込みをしなくてはなりません。不便なこともありますが、入寮した方がムダもなく友だちが出来ますよ。
 
-食事は学生寮で取られたのですか?
 
堀野 はい、時間が決まっていてバイキング形式です。朝は8時から10時までで、サラダやフルーツ、コーンフレイクなど意外にヘルシーでした。自分で選べるので良かったです。ハンバーガーやソーセージなども食べ放題でした。味は普通です。
 
-海外の人たちと上手く付き合うコツはなんでしょうか?
 
堀野 自分から話しかけることです。ずっとイヤホンをしていないで、自分から質問をして頑張って話かけることです。そして挨拶をすることです。
 
-素晴らしいですね。
 
堀野 自分から積極的に進んで行かないとダメです。せっかく両親が応援してくれるのだから、かけた費用以上のものを学びとって帰らないともったいないと感じました。
 
-逆に困った事はありましたか?
 
堀野 移動です。学生寮での必要な荷物が多くて、50キロ前後のキャリーケースとギターを入れたハードケースを両手に持って、空港からバスそして電車ととても大変でした。それにアメリカでは、日本のように運転手は待ってくれないし戸惑うばかりでした。とにかく、大きな荷物を持ってウロウロでしたね。でも親切な外国人の方がいたので、道がわからない時でもたくさん訊きました。とにかく、コミュニケーション能力を高めなきゃいけませんから。それから、学生寮ではインターネットが使えない環境なので、それも不便でした。日本のように自宅で道を調べることもできず、スターバックスまで出かけてやっとインターネットが繋がる状態でしたね。なので、プリペイド携帯の契約時にネット契約がオプションなどである場合は、しておいた方がいいです。
 
-参加して良かったことや、成長を感じた事はありますか?
 
堀野 ギターもそうですが、コミュニケーション能力が高まったように思います。自分でもとても積極的になったと感じます。音楽的にはアメリカのグルーブがとても勉強になりました。
 
-先生からはグルーブについて何か講義がありましたか?
 
堀野 特には言われなかったです。テクニックなどの理論は講義にありましたが、グルーブについては語らなくても体で感じるというか、体から出ているような、そんな感じでした。
 
-音楽以外に日本とアメリカとの違いで何か感じたことはありますか?
 
堀野 アメリカのいいところは、先生と生徒が対等な立場であることだと思います。日本は丁寧で案内なども親切ですが一方で時間に厳しくてきっちりとしていてますが、僕にはアメリカのラフなところが合っていると感じました。ただ、アメリカでは、電車やバスまた階段などの施設がアメリカサイズで大きいので、日本人には不便です。あと、運転も日本と違って荒くて大雑把だとは感じました。
 
-今後留学を考えている方に何かアドバイスはありますか?
 
堀野 積極的になることです。そして英会話も道の尋ね方など実践的なフレーズを覚えておくといいと思います。音楽的なことでは、日本の音楽だけにこだわらないで例えばロックでも海外の音楽をたくさん聴いていた方が、課題が出されたや友達との会話の時も困らないと思います。選択する音楽の種類にもよりますが、アメリカのロックはグルーブが優先です。僕は英米ロックしか聴かなかったからスムーズに溶け込みましたが、聴いていなかったら困ったかも。
 
-では最後に今後の活動の予定や目標を教えてください。
 
堀野 今のバンドはアマチュアですが精力的に活動しています。ただ今後は機会があれば、ベトナムに行って向こうでバンド活動をしてみたい、そして場数を踏んで将来的にはイギリスかアメリカ、フランスの音楽学校へ行きたいです。
 

 

 

Y・Tさん/ピアノ/オーストリアマスタークラス/オーストリア・フリーザッハ

 

Y・Tさんプロフィール

3歳よりヤマハ音楽教室でピアノ・エレクトーン・ソルフェージュを始める。
小学4年時に専門コース修了。
その後、中学校から、大学付属の音楽教室にてピア ノ実技・音楽理論を学び、音楽高校・大学進学。
卒業後は、レストランや施設での演奏活動の他、音楽教室で子供から大人までのピアノ指導にあたっている。 
2010年9月ベネチア音楽院サルヴァトーレ・スパノ教授の講習を受講。

 

-まずは、簡単な自己紹介・現在までの略歴を教えてください。
 
Y・T  4歳のちょっと前からヤマハ音楽教室に通いはじめたのが最初です。そのあと小学校1~4年生までヤマハの専門コースに行きましたので、ピアノを本格的に始めたのは1年生からですね。幼児コースは、エレクトーンや歌ったり踊ったり、リトミックに近いものでした。6年生の時に中学受験があるので少し中断して、中学校、たまたま入ったのが洗足学園で(笑)。同じキャンパスに大学がありますので、大学の先生に習うこともできますし、音楽教室もあるし、いいんじゃないってことで、そこに行きまして、それからはずっとやっています。
 
-留学は以前にイタリアに行かれていると思うのですが、それ以外に何か参加されたものはありますか?
 
Y・T  語学留学で1カ月ほどホームステイの経験があります。ミラノと○に1カ月ずつ行ったことがあるんですけれど。
 
-今回は、それまでのイタリア方面ではなく、オーストリアにチャレンジされたのは何か理由がありますか?
 

Y・T  前回は、語学面で、イタリアなら何度か行っているし、一人で行ってもだいじょうぶかな、なんとかなるかなっていうのがあって。今回は、他の国を、ドイツ・オーストリアの音楽が好きなので、本場に一度行ってみたいなっていうのがあったし、アンサンブルの勉強を一度してみたいなと思っていたので、その条件で個人参加できるもの・・・となると選択肢も限られていて。結果ここになりました。
 
-アンサンブルは今までのご経験、学校などではおやりにならなかったのでしょうか?
 
Y・T  そうですね、ちゃんとした勉強はやっていないですね。
 
それは、ピアノという楽器の特性として、室内楽をする機会が少ないのでしょうか。
 
Y・T  学校の授業で室内楽も全員が履修する大学もあるみたいなんですけれど、うちの学校は選択制だったので。やっぱりピアノっていうとソロがどうしても中心になってしまうことが多いので。
音楽教室(お仕事)で他の楽器の先生としりあう機会も増えまして、イベントや発表会などで、講師演奏として合わせて演奏する機会も増えてきたので、一度ちゃんと勉強しておいたほうがいいなあと思い始めたんですね。
 
-勉強熱心でいらっしゃるのですね!今回参加されて、勉強になったところはたくさんありますか?
 
Y・T  たくさんありました。
 
-どのくらいの人数が参加している講習会でしたか?
 
Y・T  私が参加した14日~21日の日程だと、色々なコースをあわせて100人くらいかな。ほとんどオーストリア人が多かったですけれど、日本人も4人いました。私たち以外の日本人の方は、オーストリアやドイツに住んでいる方でした。中国人、韓国人、オランダ人、トルコ人…インターナショナルでしたね。
 
-圧倒的に地元の方が多いようですね。
 

Y・T  そうですね、小さい子15歳かな、14歳かな、そのくらいから参加できるみたいなので、10代の子たちはやはり近くの子が多かったですね。
アジアの国からは、1人、2人ずつというかんじですね。ほぼオーストリア・ドイツ…スイス人もいたかな。ほとんどはドイツ語圏の人だと思いますね。
 
-一緒にアンサンブルクラスを組まれた方たちは
 
Y・T  Hさん(チェロ・日本アンドビジョン経由で参加)は同じ歳、クラリネットの子は23歳でフランクフルトの音大生、来年卒業だって言っていました。
 
-同年代の方たちで組んであったのですね。あらかじめ経歴なども送ってあるので、ある程度考えて組み合わせてくれたのでしょうか。
 
Y・T  そうですねえ。でもアンサンブルは参加が少なくて、4組かな。フルートアンサンブルとかはいましたけれど。ピアノアンサンブルは少ないですね、私と、クラリネットの伴奏みたいな感じで参加されていた方が1人いたんですけれど、その子はコンビで参加したみたいです、お友達と。
なので、人数が少ない分、組み合わせするのも難しい面もあったかな…って思います。
相性が合う・合わないということもありますが、技術のレベルなども合わせてみないと分からないところがあるので。
 
-オーディションがない分、参加しやすいというメリットもありますが、技術レベルを均一にするのは難しいですよね。オーディションがあれば想像がつくんでしょうけれど。
 
Y・T  むこうの方は、趣味でやっていますといっても、趣味のレベルが違うっていうのもありますね。もう一つ参加したアンサンブルはビオラの方で、40歳くらいかな、意外に若くなくて、演奏家を一回辞めて、普通のお仕事について、でもやっぱり弾きたいってことで戻ってらした方が参加していたのですが、その方がまあ、弾ける方で(笑)。音楽の仕事をされているわけじゃなくて、趣味だよって方も、レベルが違うのですよね~。音楽的に弾くし、とてもできる方でしたね。私は最初ビオラまであわせるのは無理かもしれないって思って、やめかけたんですけれど、ビオラとのディオとして、最終日のコンサートに選んでもらって、最後にその方と一緒にホールで弾かせてもらえたんです、とても良かったです。
 
-それは素敵ですね!
 
Y・T  アンサンブルの参加者の中で、個人で、ピアノで、は私だけ。ですので、2つのアンサンブルをかけもちでレッスンしていたんです。かけもちなのでレッスンがひっきりなしにお昼ごはんまでびっしりつまっていて(笑)。各部屋を移動するのが大変でしたけれど、楽器がない分楽だったかな。
 
-それでは掛け持ちでなければ、レッスンはびっちり・・という訳ではなさそうなのですね。
 

Y・T  クラリネットの子はソロのレッスンも受講していましたね。トリオだけで参加ですと、1日の中で各楽器の先生の部屋をまわってレッスンを受けるので、ピアノ、チェロ、クラリネットの3コマ。わたしはそれにプラスしてビオラ、ピアノ 1日5コマうけていました。ピアノはクライナー先生が2コマです。
 
-各楽器の先生がそれぞれにみて下さるというのは良いですね!
 
Y・T  先生の専門の楽器の子を中心に、技術指導するかんじですけれど、全員の演奏のバランスとかも観て下さいます。先生方はプロフェッショナルなので、その楽器の子だけを教えるわけではない、私たちにもちょこっと注意をして、全員に同じ注意をして、と目をいきわたらせて下さるんです。良かったですよ。
 
-同じ曲の同じ部分で、違うことを言われて混乱するってことはありませんでしたか?
 
Y・T  ありました(笑)!!それはそれでおもしろかったですけれどね~。さっき、クラリネットの先生に、ここはもっと遅いほうがいいって言われたのに、チェロの先生のお部屋に来たら、早くしろって言われたりとか(笑)、ありましたね。
 
-解釈の違いで先生もおっしゃることが違うんでしょうね、そういう時はどうされたのでしょう?違うことを指導されましたって言ったりもするのでしょうか?
 
Y・T  3人で顔を見合わせて(笑)。ドイツ語ができるクラリネットの子が代表して言ってくれていたようです。
 
-レッスンは基本的には英語ですか?
 
Y・T  基本ドイツ語なので、最初のオリエンテーションは全部ドイツ語でしたけれど、中にはドイツ語が分からない人もいるので、各レッスンは英語にしたり、先生が配慮してくれていたみたいです。
 
-基本はドイツ語ですか。ドイツ語でのオリエンテーションはどうでした?
 

Y・T  全然分からなくて…(笑)。初日は夕食後にオリエンテーションだったんですが、私たちは夕食を食べたらその日のスケジュールは終了だと思っていて。夕食後、7時にホールに集合という掲示が貼ってあったらしいんですけれど、全く見ていなくって、ご飯を食べて帰ろうと思ったら、なんか音がきこえてきて、あれ?なんかやってる!って慌てて、遅れて行ったっていう。初日から(笑)そんなんでした。部屋に入ってもまだ、何をやっているのか良く分からなかったですね。
ドイツとオーストリア在住の日本人の子がいたのですが、年齢も一つ上と一つ下の子で世代も同じだったので、ちょくちょく、今何言ってたの?ってかんじで教えて貰っていました。何時にここに集まるらしいよ、とか、夜はなるべく騒がないようにだって、とか、その都度教えてくれたので、その場はなんとかなったんですけれど。
その夕食後のレッスンでは、顔合わせなのに、いきなり弾かされたんですよ(笑)!アンサンブルの人たちだけ、ホールでさわりだけでも弾きましょうってなったみたいで、個人で参加している人なんて、まだ自分のグループメンバーの顔もわからないのに、はいじゃあ演奏発表!みたいな!
私たちの組は、本当にブラームスの一楽章の最初の部分を、さわりだけだったんですけれど、弾きました。私たちは何が行われるか分かってなかったので、楽譜も楽器も持たずにホールに行ってしまったんですが、クラリネットの子はスタンバイしてて(汗)!どうしよう!楽器も楽譜も部屋においてきたんですけれど~(汗)って言ったら、先生が急いでとってきて~!!!と。走って楽器と楽譜を取りに行って、いきなりそこで弾かされた(笑)。
 
-それはお疲れさまでした。自由に練習ができる時間は、レッスンの後や合間ですか?
 
Y・T  そうですね。毎日その日のスケジュールが発表されるのです。まあ日付だけ変えて内容は一緒(笑)みたいなものでしたけれどね、必ず貼り出されて、それを見て、自分の名前のところ、何時から何時がこの部屋でこの先生ってことを確認して、時間になったらその部屋に行く、というかんじです。だいたいは毎日同じようなかんじなんですが。そのスケジュールの合間に練習をしていました。
 
-練習するためのピアノはたくさんあったのですか?取り合いでしょうか?
 
Y・T  ピアノはソロで参加されている人がすごく多かったので、基本早いもの順ですね。講習会場が学校なのです、古城を改築した学校みたいで…
 
-音楽学校なのでしょうか?
 
Y・T  どうなんだろう。各部屋ピアノは置いてあるので音楽学校かもしれないですね。中は綺麗になっていましたけど、建物自体は古いですね、歩くとミシミシっていったり、床のタイルが割れていたりとか(笑)。
 
-参加要項にも木のスリッパは駄目だって書かれてありましたね(笑)。
 
Y・T  敷地内にいくつか建物があって、ホールがある建物が別棟なのでその建物を見に行ったりしました。
 
-楽器がピアノではない人たちは、開いている部屋で練習できるのでしょうか。
 
Y・T  開いているお部屋でもできますし、宿泊している部屋でも練習できるので、他の楽器の方は自分の部屋で練習していましたね。宿舎に帰って廊下を歩いていると、色々な部屋からよく音が聞こえてきこえてきました。レッスン以外は基本的には自由時間・練習時間なので、部屋を探して、別棟まで練習をしに行くこともありました。グランドピアノが置いてある部屋はそんなに多くないので、そこは取り合いです、早いもの勝ちです。
 
-予約のシステムなどではなかったんですね?
 
Y・T  予約制ではなくて、開いていたら使うってかんじですね。最初に、一人2~3コマにして譲りあってねってお話はあったのですけれど、まあ早いもの順ですね(笑)。空いているところがあれば、表に名前を入れて使うってかんじです。学校なので、開いている教室をさがし歩いたりしました。
そういえば、本当に(参加要項に書いてあった)卓球あったんですよ!
 
-卓球をやりたかったらもってきて下さいって書いてありましたね(笑)。
 
Y・T  本当にあって(笑)。大きな体育館が別棟にあるんですよ。大きな体育館も練習室の一つになっているのですが、カワイの小さなアップライトがおいてあって、卓球台も2台ありました。椅子がなかったので、パイプ椅子をみつけてきて練習した日もありました。そこは人気がなくて大抵いつも空いていたので。夜は卓球をしたりしていた人もいたみたいです(笑)。空き時間は自由練習のほかに、他のレッスンも出入りできるので、みんな他の先生やグループのレッスンを見学させてもらっていました。周りになんにもない田舎町なので、1週間籠城ってかんじです(笑)。
 
-お店もないのでしょうか?
 
Y・T  一度、お水を買いにいこうかってことになって、ドイツ語ができる子が、近くにスーパーありますかって訊いてくれて、みんなで買いにいったんです。小さいお店が一軒、コンビニみたいなものかなあ?歩いて数分のところにありましたけど、周囲にお店などはあまりないようですね。出歩かなかったので把握していないということもありますが。
 
-では、学校の食堂に売店が併設されているのでしょうか?
 
Y・T  売店はなかったですね。水も売ってなかったんですね。ヨーロッパによくあるコーヒーサーバーと、コーラとか炭酸飲料の自販機はあったんですけれど、普通の水は売ってなくて。土地柄、水道水がほとんどアルプスの湧水らしく、おいしいので普通に飲めるみたいで、あまり水を売っていないようでした。だから最終的には水道水で大丈夫だったんですけれど、最初はそれが分からなくて。大きなひねって出すコックの蛇口の横に、紙コップが積んであって、それを見て初めて、これは飲めるってことだよねって判断して(笑)。
そのコップに水を汲んで、部屋まで持って行って…ってかんじでした。
 
-食事などはおいしかったですか?
 
Y・T  食事はすごくよかったですねえ(嬉)!
 
-それはよかった!
 
Y・T  朝からもりもり食べていました。豪華でした!写真も撮ってきたので、一緒にみてもらえたら良かったですね。朝と夜はバイキング形式で、朝は、ハムも数種類、チーズも数種類、毎日はちみつもジャムもたくさん並んでいて、すごく豪華。コーヒーは各テーブルに温かいものを持ってきてくれて。ヨーグルトも何種類もあったし、本当に充実していてびっくりしました。
 
-学校の食堂?
 
Y・T  それがちょっとわからないんです。ワインセラーみたいな冷蔵庫にビールが置いてあったりして。学校だけども、レストランとしても使っているのかな?みたいなかんじでした。夜はその冷蔵庫から、生徒も先生もビールとかワインを出してあけて、深夜までどんちゃん騒ぎしていました(笑)!!!
 
-そして朝からまた普通に練習するのですよね(笑)
 
Y・T  そうですね、みんな元気ですね。夏休みの休暇も兼ねているところがあるので、家族で来ている方もいたし。先生方も、午後レッスンがない時間帯は、トレーニングパンツみたいな格好で走っていたり、グラウンドでスポーツして、汗を流していたり。プールもあったみたいなんですけれど、みなさんすごく元気なかんじでしたね。
 
-リラックスした雰囲気ですか?
 
Y・T  まさに夏期合宿ってかんじですね。先生たちが、夜、酔った勢いというのもあるけれど、先生たちも、もうブラームスのトリオとか教えている内に自分が弾きたくなっちゃうみたいで、夜にホールで先生たちのコンサートになったり(笑)。先生方の演奏をみる機会もあったし、実技以外の話も談話も、先生たちとの会話を楽しむ時間もたっぷりあったし。先生たちも同じところに泊っているので、おちかづきになれてとても楽しかったです。
 
-ピリピリとしたというか、厳しく臨む講習ってかんじではない?
 
Y・T  受験の前に講習会ってかんじの人もいましたけどね、ソロの方とか。日本人の方でも、一つ上の方で、日本の音大とドイツの音大を出て、プロのピアニストですけれども、コンクールを受けるために、新しい先生に教えて貰いたくて来たって方もいました。プロもたくさんいたし、レベルも色々ですけれど。中学生くらいの子は、まだまだかわいらしいかんじの子もいたけれど、基本的にはみなさんレベルが高かったです。レッスンはレベルが高く、それ以外のところではわいわいがやがや(笑)。
 
-めりはりがあるかんじでいいですね!治安などは良さそうに思えますが、街からだいぶ離れていますものね、どうでしたか?
 

Y・T  街から車で1時間半くらいでしたかね。牛・馬・キツツキの世界ですね(笑)、のどかな、なんにもない山道、動物しかいない山道をひたすら1時間半でしたね。ドライバーさんもあまり道が分からなかったようで、何回か止めて地図を確認して、引き返したりしました。iフォンをナビ代わりにして一生懸命検索してくれて(笑)、ようやっとたどり着きました。ドライバーさんは最初ドイツ語で「きみドイツ語わかるの?」って話しかけてくれて、あんまりって言うと、英語で話してくれて。日本のどこの街に住んでいるの?とか、多少は話できましたね。
 
-送迎は問題なく大丈夫でしたか?
 
Y・T  空港に着いた時は、名前じゃなくて、アンドビジョンって書いてありました(笑)。それで最初見逃しちゃったんですけれど、A4くらいの白い紙に書いてありました。あ、それわたしだよねって思ったのですが、同じ名前の他の人の可能性もあるので、念のため宿泊先が書いてある紙をみせたら、運転手さんも同じものを持っていたので大丈夫って確認できました。他の方は自分の名前だったって言っていましたね。駅での待ち合わせだったので、空港よりかわかりにくかったようですが・・・
 
-空港は出てくるルートが一つですが、駅のホームって長いので、はじからはじまで歩いて探しても、人がはけないとなかなか分からないのですよね…。
 
Y・T  空港もすごく小さい空港なんで私は全然問題なかったですね、飛行機が遅れもしなかったし、ドライバーさんが紙を持って待っていてくれて、直接宿まで連れていってくれました。翌日迎えに来てくれたときも、ドライバーさんが10分前には到着してくれて。
 
-ザルツブルグで1泊目に泊まったホテルはいかがでしたでしょうか?
 
Y・T  別に部屋も普通だし、汚いとかそういうことじゃないんですけど…。各部屋にテレビ・インターネットありみたいに書いてあったわりには、両方ないなと思って。インターネットは、1階に行けばちょっと入るんですけれど、30分2ユーロだったかな?有料でした。私は使わなかったです。
 
-講習会期中の宿泊場所は、いかがでしたか?シャワーが共有だったそうですが。
 
Y・T  シングルルームではあったのですが、シングルルームといっても実は2人で一つ。通路があって、両サイドにドアが並んでいて、各扉が101・102で一つ、103・104で一つなんです。私は日本人の方と隣同士でした。扉を開けてからベッドルームは一人ずつ右と左にわかれていて、鍵はかかるようになっているんですけれど、その真ん中にシャワーやトイレがあるかんじでしたね。私たちははじめましてだけれど、年齢も同じだし日本人同士だし気兼ねなく過ごすことができましたよ。先に使うのは日で交代にして、気兼ねなく使えていましたね。
 
-外国人は部屋をシェアすることに慣れているので、そういったつくりが当たり前なのかもしれませんね。その後泊まったザルツブルグの寮ではどうでしたか?
 
Y・T  寮は設備も全部付いていますし、すごくきれいなところでした。
 
-ザルツブルグの寮はキッチンもあるし色々便利で良いところっておっしゃる方が多いんです。
 
Y・T  場所も分かり易かったです。最初は遠いかなって思っていたのだけれど、バスに乗れば15分くらいで着くし。バスもきちっとしていて、ちゃんと停留所で次はなんとかですみたいな放送も入るし、バス路線のナンバーみたいなのも分かり易く書いてあるし、ダイヤも正確だし、日曜日は本数が減るけれど、それでも本数はけっこうあるし。バスを降りてからもバス停から1本道、300メーターくらいかな、とても分かり易いところにありましたので大丈夫だと思います。
困った点は、寮なので少し騒がしい夜もありましたが、基本的にはきれいで過ごしやすかったです。
 
-音と言えば、お部屋で練習をしている音などはきこえましたか?
 
Y・T  ザルツブルグでは、私は観光毎日していて、泊るだけみたいなかんじだったので、日中のことは分からないのですけれど、練習の音がうるさいとかはなかったです。
 
-観光客は多かったですか?季節的に
 
Y・T  そうですね、結構人は出ていましたね。
 
-現地の日本人の方がいらっしゃらなかったら、レッスンやオリエンテーションでのドイツ語は難しそうでしょうか?
 
Y・T  先生たちは英語が堪能なので、英語ができれば全然問題はないです。ドイツ語ができなくても、レッスンで先生が英語で会話しているのを何度もみましたし、まず英語ができれば問題ないと思いますけれど、ドイツ語も英語も、どっちも全然分からないとなると、通訳さんがいなければきついと思います。
音楽のレッスンなので、言葉が分からなくても、ある程度は通じる・分かるところもあるのですけれど、ある程度以上にもっと分かりたい、せっかく行くのにもったいないっていう気持ちもありますね。英語で会話していた私たちでも、その気持ちはちょっとあったので。何て言っていたんだろう?何を注意されたのかなって、あとで二人で話したこともあったので、やはり、行くからには分からないと、もったいないですね。
驚いたのは、クライナー先生が日本語をしゃべることができて。びっくりでした。先生は、ベレー帽を被っていておもしろいユニークな人なんですけれど、日本語もできるし、英語ドイツ語もちろんだし、オランダ語で会話しているのもみたし、私がイタリア語をできると分かったらイタリア語で会話してくれたし、何カ国語も話すんです。後で判ったんですけれど、私のブラームスの楽譜にも、日本語で書いてくださっていて、ひらがなで「ちぇろをきく」って書いてあって(笑)。ひらがなとカタカナはできるらしいです。「はいここからもういちどおねがいします」って日本語でしゃべっていたこともありました。
日本人の教え子さんがいたので、きっかけはあったのかもしれませんが、好奇心旺盛な方なので、個人的に勉強したいと思ったので勉強したっておっしゃっていました。日本語を読めるし話せるし、小節番号も日本語で「315からもういちど」とか(笑)。
 
-レッスンも日本語でできちゃうかも?!
 
Y・T  できると思いますね、彼なら。
 
-生活していて不便だなと感じたことはありますか?お洗濯とか?
 
Y・T  滞在が1週間なので、お洗濯はしなくても大丈夫ですけれど、ちょっとしたものは部屋で洗いました。いちおう洗濯石鹸は持って行って、1回かな、洗いましたけれど。生活は特に不便なことはなかったのですけれど、すごく寒かったですね。まず10度ないし、最高でも15度あたりの日が多くて、すごく寒かったですね。山に囲まれた山の街ですし、講習会場はさらに山の中にはいっていくので、山の空気・山の天気ってかんじで変わり易いし、厚着は必ず持って行ったほうが良いですね。
 
-最近はグーグルマップなどでも現地の様子が分かりますよね、ウェブ上の地図で見ていても、本当に田舎街なんだなあって思う場所だったので、山の空気・山の天気…良く分かりました(笑)。今回の留学は全体的にいかがでしたか?
 

Y・T  アンサンブルをやりたい方にはとてもお勧めですね。ソロでも参加できますけれど。全体的には色々体験できて、レッスンをつけて下さる先生方も素晴らしい方たちですし、レッスンもレベルが高くて。本当に専門的で高レベルなレッスンを毎日、何時間も受けることができました。
宿泊所は生徒も先生も一緒で、お向かいさんがビオラの先生だったんですね。1週間本当に合宿のようなかんじで、同じところで寝泊りして生活を共にしてってかんじなので、リラックスした雰囲気の中で過ごせる、でもレッスンはすごく高度で。
レッスン自体はある程度どこでもできる、例えば先生が日本へいらして公開講座をする機会に参加するなどで可能ですよね。でも、山のいい空気、ヨーロッパのいい空気を吸いながらレッスンできる、ヨーロッパの伝統が息づいている空気を味わいながらレッスン…とかは、現地じゃないと体験できないことなので、行ってみたいなあーと思っているならぜひ参加してほしいですね。行けばなんとかなるよ!って言いたいです。
1週間があっというまで、明日で終わりなんだ!!!帰りたくないね(笑)ってみんな言っていたくらい。ごはんもおいしかったし、わいわいがやがやの毎日の中、レッスンは厳しくもあり、練習もしつつなので、本当に充実していたと思います。最後にビオラデュオとしてコンサートに出場もできて、とても良かったです。
 
-大変な面もあったかと思いますが、本当に良かったですね。演奏された曲も素敵な曲ですよね。
 
Y・T  先生も陽気なおじいさんで、すごくおもしろい人でした。教授陣がやはり日本とはちょっと違いますよね、たぶん山にきた解放感っていうのもあるし、加えて、そもそも教え方が違う。
 
-日本で受けるのとは違う内容のレッスンであることに加えて、休暇的な要素も加わってさらに楽しそうな雰囲気になったのかなって想像していますけれど。休暇といえば、今回参加されるにあたって、お休みをとるなどの手続きは大変でしたか?お仕事をされている方は参加自体がとてもハードルが高いと思うのですが。
 
Y・T  会社員としてお勤めをされているかたは、土日を合わせて8日間が限度みたいなんですけれど、まあわたしは勤め先が音楽教室なので、会社員の方よりは大変ではないと思います。
 
-まわりの方や先生仲間の間で短期留学などに行かれる方っていますか?
 
Y・T  夏期講習とかで参加されている方はいましたね、確か。たくさんは聞かないですけれど。
 
-社会人の方に対してもプライベートレッスンをして下さる先生がいらっしゃるということが分かると、ぜひ行きたいって思って下さる方は多いのですけれど、自由にお休みが取れる方のほうが参加はし易いようで、そのあたりをこれからもっと上手にアレンジができたらいいなあと思っているのですが。
 

Y・T  そうですね。他の方も来年も行きたいって言っていました!すごく楽しかったみたいです。普段は音楽関係のお仕事ではなく、一般企業で働いている方なので、すごく楽しかったって言って、参加して良かったみたいですね。参加の日本人4人でご飯を食べたりしていたんですけれど、日本人でも新しい友達ができてよかったです。
 
 
Y・T  ありがとうございました。お世話になりました!
 

 

南さゆりさん/声楽/ロンバルディアマスタークラス/イタリア・ロンバルディア

南さゆりさんプロフィール

Villa Medici

小学校4年生で声楽を始め、現在大学生。演奏旅行の経験もあり、音楽も語学も勉強熱心な学生さんです。

 

-まず、簡単な自己紹介をお願いします。
 
南さゆり ずっと合唱団で声楽を小学4年生のころからやっていまして、声楽を本格的に始めたのは高校2年生です。基本的にレッスンは最初はボーカルトレーニングということで行っていましたが、高校2年生の秋に音大を受けることを決めました。
 
-ボーカルトレーニングはクラシックのレッスンですか。
 
南さゆり そうです。合唱で、もう少しうまく歌いたいなと思って始めました。
 
-だんだんと楽しさというか魅力が生まれたということですね。
 
南さゆり はい。
 
-声楽を専門的に勉強される方というのは、どのくらいの年齢から始める方が多いのですか。
 
南さゆり 音楽高校でもう声楽をやっている方が結構多いです。でも、ピアノとかに比べたら大学から音楽科という方も多いです。
 
-今回、イタリアのほうに行かれましたが、これまでにほかの国やほかの場所とかの講習会を参加されたことはありますか。
 
南さゆり ないです。
 
-海外への旅行とかはありましたか。
 
南さゆり はい。合唱団で演奏旅行というので、アメリカ、ドイツ、スイスへ行かせてもらったことがありました。
 
-結構いろんなところに行かれていますね!高校生のときですか。
 
南さゆり 中、高のころに1回ずつです。
 
-今回のロンバルディアの講習会を選ばれたきっかけとか理由というのは何ですか。
 
南さゆり 私の先生が一度だけセッラ先生にお会いされたことがあって、骨格とかも私に似ているし、すごくいい先生だから、とすすめてくれたのがきっかけです。
 
-実際に先生とお会いしてみて、自分と近いなというのは感じられましたか。
 
南さゆり やはり海外の方なので、日本人と比べると華奢という感じの先生ではなかったですが、身長は私のほうが高かったです。
 
-自分より体格的に遠い人よりかは近い人から学べることは大きいですか。
 
南さゆり そうですね。
 
-今回の講習会での参加人数はどのくらいでしたか。
 

南さゆり 12~13人という感じでした。日本人は合計7人。日本から行った人が4人、イタリア在住の方が3人でした。
 
-あとはどこの国の人が多かったですか。
 
南さゆり イタリアの方と一人だけイギリスの方がおられました。
 
-講習会のスケジュールはどんな感じでしたでしょうか。前日に着いて翌日の朝から始まるという感じだったと思いますが。
 
南さゆり 1日目だけ11時から始まって、2日目からは10時からでした。
 
-現地に着いてすぐにスケジュールの案内はありましたか。
 
南さゆり なかったです(笑)。管理されている現地の方がイタリア語しか話していなくて、数字も英語で通じないくらいでした。次の日の朝に女の方が来られて、その方が英語も話せたので、今日は何時から始まるというのを全部教えてくださりました。
 
-朝に皆さんのお部屋にいらっしゃったのですか。
 
南さゆり それが、たまたまなんです。講習会の会場のほうしかWiFiがつながっていなくて、宿泊場所からそちらのほうに行ったときに偶然会って、「ああ、そういえば」みたいな感じでした(笑)。
 
-そこで会えなかったら、スケジュールも最初は分かりづらかったですね。
 
南さゆり そうですね。でも、もしかしたら部屋まで来てくださったのかもしれないですが・・・。
 
-泊まっていた場所と講習会の会場は離れていましたか。
 
南さゆり いえ、同じ建物の中なので、離れてはいません。
 
-レッスンの進めかたは、一人ずつレッスンをしてあとは聴講をしてという感じでしたか。
 
南さゆり はい、そうです。1人30分~45分という感じです。1人1日1レッスンでした。
 
-先生のお人柄はどうでしたか。
 
南さゆり とても気さくで親切な方でした。一人一人のレベルに合ったレッスンをしてくださるのでとてもよかったです。
 
-生徒さんたちのレベルはどうでしたか。
 
南さゆり 年齢的には私が一番下でしたが、24歳の方やあとは28歳ぐらいより上の方でした。
 
-学生さんではない人もいましたか。
 

部屋に付いているピアノ

南さゆり はい。学生じゃないほうが多かったです。でも、セッラ先生のお弟子さんがイタリア人の方でおられたみたいで、その方は音楽院に行っておられるようなことも言っておられました。レベルの高い方が多かったです。
 
-事前にオーディションもありますものね。レッスンで教わったことで印象に残っていることはありますか。
 
南さゆり 先生は口の形をとてもおっしゃる方で、それがすごく新鮮でした。口をオーボエとかラッパとかのように開ける感じというか、そういうふうに歌ってとおっしゃられる方で、演じることもすごく重点を置いておられて、オペラのアリアとかを持っていっても、オペラというのは劇のある音楽ではなくて音楽のある劇だから、まず劇が来なくちゃいけないというのをすごくおっしゃられていました。
 
-演技指導みたいなものもありましたか。
 
南さゆり そうですね。ここは歌うとこじゃなくてしゃべるところなのとかをおっしゃっていました。
 
-レッスン自体はイタリア語でしたか。
 
南さゆり はい、イタリア語です。
 
-大変でしたか。
 
南さゆり いえ、でもセッラ先生のお弟子さんの日本人の方が通訳をしてくださったので、すごく分かりやすくて、先生が言おとしていることをすごく分かりやすく伝えてくださりました。レッスンの後もレッスンでは伝えきれなかったことを個人的にお話ししてくさったので、とてもよかったです。
 
-レッスン以外の練習というのはできましたか。
 
南さゆり 行った日だけは、その日まで団体の方が泊まっていて、すごく小さな部屋に泊まったのですが、次の日からすごく広い部屋に移らせていただいて、そこには木のアップライトピアノがありました。全員、自分の部屋で練習ができるような環境でした。
 
-それは練習環境としてはすごいですね。他の講習会では練習室やピアノの部屋の取り合いとかになったりしますので・・・!みなさん、練習は熱心でしたか?
 

朝ごはん

南さゆり そうですね。皆さん朝早くと講習会が終わるのが6時半とか7時になるので、でも9時ぐらいまで外が明るいので気にせず練習をしていました。
 
-隣で歌っているなというのは聞こえましたか?
 
南さゆり ちょっと聞こえました。
 
-講習会が朝から晩まであり、あとは練習をしたりしていたかと思いますが、そのほか空き時間とか自由時間とかはありましたか。
 
南さゆり 1時から3時までがお昼なので、その間はみんなでレストランへ一緒に行ったりしました。
 
-宿泊していた周りはどうでしたか?街になっていますか。
 
南さゆり そうですね。田舎という感じだったのですが、レストランとかピッツェリアとか意外に多くあったので、全然困らなかったです。
 
-食事はおいしかったですか。
 
南さゆり おいしかったです。日曜日はレストランが開いていないと聞いていましたが、ピッツェリアが開いていたので大丈夫でした。やはりスーパーは開いていませんでした。
 
-キッチンは使われましたか。
 
南さゆり はい、簡易的なキッチンが付いていました。お湯を沸かしたりしました。
 
-それはみんな共通のものですか。
 
南さゆり 一応各部屋に付いていて、たまたま私の隣の部屋だけ付いていなくて、私の部屋とつながっていたので、使いに来られたりはしていました。
 
-期間中、どこか近所に遊びに行ったりとかはできましたか。
 
南さゆり それはできなかったです。
 
-聴講もやはり勉強になりますか。
 
南さゆり そうですね。先生がおっしゃっていることも、その人のレベルには合っているんですが、必ず一貫しているものがあるので、すごく勉強になりました。
 
-移動も特に時間がかからないですし、お話しを聞いていますと、すごくみっちりされていたんだなという感じがしますね。先生以外は、事務局みたいなお手伝いの人とかはいましたか。
 
南さゆり おられなかったと思います。ピアノ伴奏の方はいました。
 
-ピアノの先生と歌の先生と、宿泊所の人というかんじだと、こじんまりとアットホームなイメージですね。
 

宿泊部屋

南さゆり はい。 明日何時からということも全部先生が、「じゃあ、明日何時からね」みたいな感じでした。
 
-特にイタリア人とかイギリス人とか海外の参加者の方たちとうまく付き合うコツとか何かつかんだものはありますか。
 
南さゆり 向こうの方も片言や電子辞書を使いながらでしか英語が得意ではないので、些細なイタリア語でコミュニケーションを取っていました。
 
-もし事前に準備していくとしたら、現地の言葉でしょうか。
 
南さゆり そうですね。一番困ったのが、宿泊管理の方がイタリア語しか話せないことでした。初日は取りあえず朝ご飯の時間だけ聞こうみたいな感じでした。
 
-あとは生活面とかで何か困ったこととかはありましたか。
 
南さゆり すごく快適に過ごせました。ただ蚊だけかゆかったです(笑)。
 
-自然の多いところなので虫とかも出ますね。気候はどうでしたか。
 
南さゆり 思っていたより暑かったです。イタリア在住の方も今週はすごく暑いと言っておられました。
 
-気温?湿度が高いのですか。
 
南さゆり 気温でしょうか。朝晩もそんなに冷え込まないです。
 
-日本みたいに朝晩も暑いという感じでしたか。
 
南さゆり そうですね。どっちかと言うと、夜に寝苦しいときもありました。
 
-エアコンとかはないですものね。
 

部屋に付いているキッチン

南さゆり そうなんです。窓を開け過ぎると蚊が入ってくるので、閉めていたので・・。
 
-今回の講習会に参加してよかったと思えることはありましたか。
 
南さゆり イタリア語を生で聞けたことと、先生の口の形というのが、私はすごく分かりやすくて、抜きにくかったところとかもできたりとか、私の問題点は根本的に息の支えが足りないという問題点でしたが、それも的確に指示してくださって、それをしっかり練習したらどんどん歌えるようになるからというお話しをいただけたのがすごく良かったです。
 
-今回の一週間で自分が成長したなという実感はありましたか。
 
南さゆり まず、一人で海外に行けたこともですし、皆さんの歌を聞いたりとか皆さんのレベルの高い歌を聞けて、自分も収穫があったのでとてもよかったです。
 
-事前にミラノで一泊されたと思いますが、ホテルや環境はどうでしたか。
 
南さゆり そのホテルがすごく良くて、WiFiも部屋で無料で使えて、本当にドゥオモに近い場所ですごく良かったです。
 
-観光は少しできましたか。
 
南さゆり はい。かなり歩き回りました。
 
-ミラノの街はどうでしたか。
 
南さゆり 思っていたよりも治安も悪くなくて、朝に出るときはすごく緊張しましたが、歩いていたら全然大丈夫でした。
 
-空港やホテルでは送迎のドライバーにすぐに会えましたか。
 
南さゆり はい、すぐに会えました。あいさつをしたり簡単な会話をかわしました。
 
-レッスンの内容とかは違うと思いますが、日本とイタリアで考え方とか違うなと感じることはありましたか。文化的なところとか、みんな夜は早く寝ているとか遅く寝ているとかありますか。
 
南さゆり イタリア人は基本的に夜も朝も遅いらしいです。朝10時から始まるというのは、イタリア人とかにしたら早いという感覚らしいです。実際にイタリアに行ってみて、文化から来るイタリア語のニュアンスとかを学ぶのはやはりイタリアじゃないと学べないのかなと感じました。
 
-生活してみたり、言葉に触れたりして、歌の理解も深くなるのですね。
 
南さゆり はい。本当にそう思います。
 
-今後留学する人に何かアドバイスはありますか。
 
南さゆり そんなにペラペラじゃなくても、イタリア語は勉強をして行った方が良いと思います。持っていく曲は、私は「アリア」を持って行きましたが、発声を見ていただきたい方はトスティ歌曲とドナウディの歌曲が先生がお好きみたいでした。特にトスティは発声とか口の形を見るためにすごく良いらしく、私も3日目くらいからトスティを持ってきてと言われてトスティを持っていって、それも一緒にやってくださいました。
 
-これは皆さんが普段、練習として使ったりすることが多い曲なんですか。
 
南さゆり そうですね。声楽の勉強は歌曲から始めるのですが、そのときに必ず皆さん勉強する歌曲集です。
 
-そういう基本も大切にされる先生でしょうか。
 
南さゆり はい、かなりそうですね。
 
-今回は、今年の夏に講習会に参加されて、今後また夏休みにどこか行ってみたいとか、イタリアの学校へ入ってみたいとかいうご希望というのはありますか。
 
南さゆり 今は取りあえず日本でもう少し自分の勉強をしようかなという感じです。でも機会があればまたセッラ先生のレッスンを受けてみたいです。
 
-歌を勉強される方でもイタリアへ行かれる方とかドイツへ行かれる方とかいろいろいらっしゃるのですが、方向性として南さんはイタリアの方向がやはり先生もそうですしいいですか。
 

最終日のお昼にパーティーをしました

南さゆり そうですね。オペラ系がすごく好きなので、やはりイタリアがいいかなと思っています。
 
-他に何か気になったことなどはありましたか?
 
南さゆり セッラ先生が厳しいというお話しを聞いていたのですが、そういう印象はありませんでした。セッラ先生のお弟子さんの日本人の方から聞いたのですが、ほかのイタリア人の先生は、聴講している生徒がドアをバンと閉めたりとか、携帯を触ったりとかおしゃべりしても特に注意をしたりはしないのですが、セッラ先生はそういうのは絶対駄目という先生でした。なので日本人からしたらそれが当たり前ですので特に厳しいという印象はありませんでした。
 
-マナーもきちんと指導する先生なのですね。その辺が厳しいと感じる人もいるということですかね。
 
南さゆり はい。レッスン中はお弟子さんには厳しい口調になる時もありましたが、理不尽なことをおっしゃるということは全然ありませんでした。
 
-いろいろとお話お伺いできて楽しかったです。ご協力いただいてありがとうございました。
 
南さゆり ありがとうございました。
 

 

 

 

M.Oさん/フルート/ニース夏期国際音楽アカデミー/フランス・ニース

 

M.Oさんプロフィール

中学で吹奏楽部に入り、フルートを始める。
現在大学生。音楽療法の勉強もおこなっている。

 

-まずは簡単に音楽に関係する自己紹介をお願いします。どのくらいから音楽を始められましたか。
 
M.O フルートは中学校で吹奏楽部に入り、そこで始めました。ピアノは保育園のころからやっていました。でもフルートは高校で辞めて、大学に入ってから音楽教育学部の音楽療法専修に最初に行ったんですが、そこでピアノと、もう一つ必ず楽器をやらないといけなくて、しょうがなくもう一度始めました。
 
-しょうがなくだったのですね(笑)
 
M.O はい。(笑)でも大学の途中から療法士ではなくて、フルートでやっていきたいと思い、フルート中心で勉強をしています。
 
-今回は、今後フルートを続けていくに当たっていい先生を見つけたいとか、いろいろな先生を見たいということで講習会にご参加を決められたのでしょうか?
 
M.O はい。今回受けた先生のいらっしゃる大学を来年受験しようと思っていて、それを兼ねてです。下見というか、ごあいさつのような感じです。
 
-今までにほかの講習会とかには参加されたことはありますか。
 
M.O いえ、ないです。
 
-ニース街の印象はどんな感じでしたか。
 
M.O 意外と汚いという印象です。ゴミが多いです(笑)。
今、フランス語のレッスンのためにフランス人の先生についていて、その先生に、日本とフランスの違うは何ですかと聞いたときに、フランスのほうが汚いと言われたのですが、確かにフランスのほうがゴミはよく転がっているのだなあと実感しました。
 
-講習会ですが・・・今回ついた先生には、何人ぐらいの生徒さんが講習会でいらっしゃいましたか。
 
M.O 私のクラスが一番多くて、33人ですね。
 
-それは多いですね。
 

M.O 多いですよね。
 
-ほかの先生はもうちょっと少な目でしたでしょうか。
 
M.O もう一人いたフルートの先生は12人でした。
 
-ベルナルド先生は倍以上ですね!
 
M.O だから、ベルナルド先生はアシスタントの先生を二人連れて来られていて、アシスタントの先生も1回ずつ2回、見てもらって、ベルナルド先生のレッスンが2回で計4回というふうに決まっていました。
 
-アシスタントの先生たちはどうでしたか。
 
M.O とても優しい方でした。
 
-アシスタントの先生たちも満足がいくレッスンを受けられたという感じでしょうか。
 
M.O はい。それぞれやっぱり違うので。いろいろな先生を体験できて、それはそれで良い経験でした。
 
-アシスタントの先生も同じ学校で教えていらっしゃる先生でしたか。
 
M.O いえ、そうではないはずですけれど…僕の友達と言われていましたが、30代前半ぐらいだったと思うのでかなり若いです。
 
-なるほど。生徒さんは33人もいると生徒さんもいろんなところから来ていましたか。
 
M.O そうですね。台湾人が結構多かった感じです。
 
-日本人はいましたか。
 
M.O 日本から来ているのは、私ともう一人男の子がいてパリの学校に通われていて来ている方が一人。もう2人の先生の方も何人か日本人はいました。
 
-この講習会は、現地での変更が多いとよく聞きますが、スケジュールはきちんと組まれていましたか。着いてから先生と相談してからという感じでしたでしょうか。
 
M.O 着いてから個人ではなくて、33人とアシスタントの先生とベルナルド先生とみんなが集まって、先生の作ったリストがあり、そのリストの順番に進めていくからと言われました。申し込みの順番なのか何なのか分からないですけれど。ローテションという感じでした。
 
-お互いのレッスンを聴いたりしましたか。
 
M.O そうですね。自由なので行く人もいれば行かない人もいるという感じでした。ただ、ベルナルド先生はすごく真面目なのか朝の9時に僕の講義をするからと言われまして、毎朝9時にお話しがありました。でもそれも強制じゃないので、日本じゃ考えられないですが、遅刻を平気でしてきたり、全く来なかったりする人がいました。
「体の使い方とは」などがテーマだったですね。
 
-みんなに共通して教えられるようなことを先にされたのですね。
 
M.O そうですね。毎日30分しっかりありました。他の先生はこういう講義は無いようでしたし、時間にもアバウトだったみたいです。
 
-生徒さんが多くいらっしゃったから、みんなとコミュニケーション取りたいと先生も思っていらっしゃったのかもしれないですね。
 
M.O そうですね。きちんと決めないと1日のレッスンをこなせなくなってしまうからかもしれません。大体7時過ぎくらいまでレッスンされていました。
 
-みっちりですね。
 
M.O すごくみっちりで、最後の最後の日曜日の朝もやっていましたね。
 
-先生は真面目な方とおっしゃっていましたが、ほかに印象がありますか。音楽で言うと、どんな系統というか、曲想を大事にする人か、テクニックを重視して見る人という印象はありましたか。
 
M.Oよくタンギングのことをおっしゃっていました。講義でもタンギングについて話した日もありましたが、そのタンギングも、ただはっきりさせるというよりは音楽の中でタンギングをやっているという、結構起草的なことも言われましたね。ざっくり曲について話をするわけではなくて、足りてないと思えば曲を見ている間でも基礎のことをさせたり、エチュードを持ってこさせたり、基礎を重要に大切にしている感じがしましたね。
ご自分でもすごくよく吹かれるし、ものすごいエネルギッシュで、手で指揮をして表してみたり、自分で吹いて教えてみたり、お話しも大好きみたいですけど、すごく熱心でした。
 
-今回レッスンで教わったことで、すごく印象に残っているがたくさんあると思いますが、特に印象に残ったことは何かありますでしょうか。
 
M.O 、一番印象的なのは、フルートの音で次の音に移るとき、例えばドからレに移るときレの指をしてドからレに移るのではなくて、結局は息で次の音に移るのだよと言われたのが印象的でしたね。指を動かして、音を変えるのではなくて息で。
 
-息を変えるということですか?
 

M.O 息で持って行くという感じです。息を止めずにずっと出しておくのだよという感じです。あとは、毎日フルボリュームで練習しなさいということも。信じられないくらい先生の音が大きくて、毎日しなさいと言われたスケールがありますが、それでも毎日本当に一番大きな音で全部練習をしていきなさい、そしたら、自ずと小さい音も出て来るということでした。まずは、全部大きい音で毎日吹けと言われたので、実行したいと思います!そしてフルボリュームというのが、私が想像するフルボリュームをかなり超えていて、そんなに出すの?みたいな感じでしたね。1回吹いたらバテバテじゃないのという感じです。
 
-それで体を鍛えていく、ということでしょうか?
 
M.O そうだと思いますね。それでどんどんどんどん自分の音が広がるということだと思います。そして体もしっかりつくられていくというか。
 
-基礎的なことをとても大事にされる先生ですね。
 
M.O そうですね。講義のことも基礎的なことばかり言っていたので、基礎を大切にされる先生だと思います。レッスンは生徒を乗らせるのが上手というか、ジョークも大好きな先生でしたね。
 
-全体的に明るいレッスンですね。
 
M.O ものすごく明るいです。だから講義のときも、毎日これだけのスケールをやってくれ、こういうタンギングの練習をしてくれという話があって、「僕はいつも冗談ばかり言ってるけど、これは本気で真面目に言っているからね」「これは本当にやってほしい」みたいなことを言っていましたね。あと、「すべて音楽だよ」ということも何度も言われていました。タンギングもブレスもスケールもすべて音楽だと。
 
-レッスンはフランス語でされますか。
 
M.O 朝の講義は英語でしていました。本当に分からないときは、英語が分かる子にちょっとだけ英語を聞いたりしていました。生徒のレッスンでも最初に「君は英語かフランス語どっちがいい」と聞いていました。英語かフランス語かのどちらかでした。
 
-今回、通訳つきのコースにご参加でしたが、フランス語から日本語ですよね。
 
M.O 私のレッスンは、気付けば英語になっていました。英語のほうが分かると思ったのかもしれません。
 
-通訳で分かりにくいことはなかったですか。
 
M.O 全然ないです。レッスン中は、私が分かっていると思ったら余計なことは言わなかったです。先生も、私が言葉の分からないのが分かっていらっしゃるので、私のときが一番吹いてくださったかもしれないですね。
 
-お手本で示してくれてみたいなことですね。
 
M.O そうですね。こうやるのだよ、みたいな。
 
-レッスン以外のときは練習されたりしていたと思うのですが、学校の空き教室とかで練習をされていましたか。
 
M.O はい。1つの練習室を3人ぐらいで使うようになっていました。部屋の入口に、日にちと時間が書いてあって、そこに自分で好きなときに名前を書いて、早い者勝ちで一週間分を書き込みます。毎日一人3時間、練習ができて、私が行くときは、もうあとの二人が全部書いていたので、私は自ずと残った時間を取ってみたいな感じでした。慣れてくると、みんな自分の部屋じゃない空き教室を使っていましたね。誰か生徒が使うはずだけど、表を見ても名前が今の時間は入っていないなみたいな空いている部屋です。部屋によっては、練習しない部屋とかよく練習する部屋とか人によって差があったようで、私の部屋は、ほかの二人が真面目にやる子だったのでぎゅうぎゅうでしたけど、日本人の子にそれを言ったら、私の部屋なんてがらがらだからいつでも来てと言われたりして、借りたりしていました。
 
-それは同じ楽器の中で3人でという感じですか。
 
M.O いえ、違う楽器でしたね。
 
-では、ピアノがお部屋にあったりしましたか。
 
M.O 部屋によって違うみたいですけど、ピアノがある部屋と私の部屋は電子ピアノがある部屋でした。寮でも午前中2時間、10時から12時と夕方の4時から6時は寮で練習ができました。
 
-現地の気候はどうでしたか?
 
M.O 夜の9時ぐらいまでずっと明るいので、夜は涼しいですが、朝9時に学校へ行く8時半に出たときはもう暑かったですね。全体的に暑かったです!みんなサンダルや原色の服を着たりしていました。
 
-レッスンの合間には海に行ったりする人もいましたか。
 
M.O そうですね。よく行っていたみたいですね。あとはアイスクリームを買いに行っていたり。
 
-街中はバスに乗ったりしてすぐに行けましたか。
 

M.O はい、すぐ行けました。ただ、バスの時間が正確じゃないので、適当に待つという感じですけど。
 
-バスとかトラムは一日目の移動は問題なく行けましたか。
 
 M.O 空港からのタクシーに乗るときに日本人の声楽の方と一緒で、ホテルも一緒だったので、二人で次の日一緒に行こうとなっていろいろ聞きながら迷いながら、学校に向かいました。無事に行けましたよ。
 
-良かったです。トラムは乗るときにチケットを買うこととかは分かりにくくなかったですか。
 
M.O 最初ちょっと早くに出て、出発する前に散歩していたんですけど、それで「これに乗るんじゃない?」となって、少し見て事前に勉強しておきました(笑)。トラムは新しくてきれいでしたし、利用客もとても多くてびっくりしました。
アナウンスなどはないのでしっかり降りる場所を確認しておかないと行けなかったです。
学校と寮の往復は徒歩でした。
 
-ニースの治安はどうでしたか?学校と寮の往復とかで特に怖いこととかはなかったですか。
 
M.O 学校と寮のところは、ちょうど犬の散歩コースみたいな感じみたいで、私は毎朝6時半ぐらいから一人で散歩していました。そのときは、みんな放して散歩するようで、犬と遭遇するという感じでした。寮から学校までの道は山道というか、ひっそりとした大きな道じゃなくて、ほとんど車も通らないような道だったので問題なかったです。
 
-コンサートの日の帰りは遅くなりませんでしたか。
 
M.O 1回目がベルノルド先生とフォルミザーノ先生のコンサートでしたが、夜の9時から0時までありました。そこに15歳のバイオリンの子たちがいたみたいで、その子たちは絶対に一人にさせちゃいけないということで必ず通訳の方が毎回いらっしゃいました。なので、偶然ですが、その方にみんな連れていってもらって帰るということをしていました。
住宅街を通っていたので、そんなに危ないことはないと思いますが、1人だと怖いかなという気はしました。
 
-寮と学校で出たと思いますが、食事はどうでしたでしょうか。
 
M.O 食事はあまりおいしくなかったです・・・町に出て食事をとっている人もいました。
 
-それはちょっと残念でしたね。
 
M.O そうですね。慣れてきたらみんな外に買物ついでにご飯を食べに行ったり、観光ついでにご飯を食べたりという感じで、私は面倒くさくて、別にどっちでもいいという感じで、スーパーで買ったものを学校に持って行ったりしていましたね。おなかが減ったときにとか。
 
-お買いものは不便なくできましたか。
 

M.O 学校での通訳の方がみんなに同じスーパーを教えていましたが、結局、私はそこに行かずに、私は自分で違うスーパーを見つけてそちらへ行っていました。
 
-それもそのエリアにあるスーパーですか。
 
M.O トラムのすごい近くにありました。そこが朝の7時から開いていて、お散歩ついでにお水を買ったり、パンを買ったりしてというふうにしていました。
 
-お忙しいようでしたが、町を散策する時間もすこしはあってよかったですね。
 
M.O そうですね。私は真面目に学校に行ったほうだと思うんですけど、本当によく遊んでいる子はいつも遊んでいましたね。自分のレッスンだけ行けば別に何していても自由なので、私はいつも教室で聴講してたほうなんですけど…。聴講しない子は本当に聴講に来なかったですね。
 
-聴講もいろいろ勉強になりますよね。
 
M.O 言葉が分からないにしても、やはり先生がよく吹いてくださる先生なので、すごく私は楽しかったし、私は先生に顔を覚えてほしいと思っていたので、絶対真面目にやってやるとなって、毎日やっていました。最終日のコンサートにも選んでいただけたのでよかったです!
 
-すごいですね!最後には演奏会に何人ぐらい出られましたか。
 
M.O 私のクラスは4人です。
 
-33人中4人とは、相当な競争率ですね。そのほか、何か気になったことなどはありましたか?
 
M.O そうですね・・どこの楽器を見ても、通訳を付けているのは日本人だけでした。最初のオリエンテーションで通訳を連れていったときに、先生もいい感じがしないみたいで、ほかの生徒も「ああ、この子話せないんだ」というふうに私のことを見るわけじゃないですか。そしたら先生は、最初のころは全然目を合わせてくださらなくて、私に目を見て話しても私は分からないというふうにも思われたようでした。最初のレッスンが私は3日目にあったんですが、そこまでは誰とも目を合わせてもらえないという感じでしたね。私は結構そのときはしんどかったです。聴講に行っても、私のことは全然見てくれなくて、私は言っても分からないからみたいな。でも、最初のレッスンを受けて真面目にやっているというのを分かっていただけたみたいで、そこからはよく目を合わせてくださるようにもなりました。やっぱりしゃべれないのは日本人ぐらいですね。
 
-通訳を付けないで受けられるのだったら、付けないで受けられたほうがいいですか。
 
M.O 絶対いいと思います。先生の心境も違うと思いますし、周りの目も違いますね。私のレッスンを聴講してくれた子は、私に後で「良かったよ」と声を掛けてくれたりしたけれど、そうじゃない子とはなかなか話すことができなかったですね。
 
-33人もいれば覚えるのも大変ですね!
 
M.O そうですね。最後まで名前も全然覚えられなかったです。
 
-クラスメートと仲良くやっていくためにも言葉はやっていったほうがいいかなということですね。
 
M.O 絶対いいですね。特に真面目に学校に通えば通うほどそれを感じるというか、私はみんなとやりたいことが違うからと思って一人で行動していましたが、日本人でも観光もする気満々で来ている子たちは、日本人の中で遊ぶわけですよね。そしたら、自分のレッスンには通訳の方が付いているし、別に聴講へ行かずに遊びに行くという形だとすごく楽しいみたいでした。でも私は全部断って、私は聴講に行っていたので、大体いつも1人でした。ご飯も約束せずに行って、行った先に誰かいれば食べるという感じだったので、誰もいなければ一人みたいな感じでやっていると、なかなか他の国のひとたちと話せませんでした。一人行動が苦手な人には絶対、無理な感じです。やらないと思うんですけどね。
 
-今回、結構みっちりといろいろと精神的にもそうやって一生懸命されていたとなると、疲れたのではないですか。
 

M.O そうですね。私は最初のレッスンがあるまでは、ものすごくしんどかったですね。最初のオリエンテーションの日から、間に合わないからといってレッスンが始まったんですけど、その日に、もう一人の日本人の男の子が、最終日の演奏会に出る子は決まっているらしいという話を私にしてきたんですよ。申し込み用紙みたいな用紙があって、何人出るかは誰も知らなかったのですが、ピアノの上にある申し込み用紙に、一人の男の子の名前が書いてあったというから、「じゃあもう決まっているんだ」と思って「決まっているし、目も合わせてもらえないし、ああ、何やっているんだろう」みたいに感じました。
 
-でもそれはデマだったということですよね。
 
M.O いや、多分、その子は本当に決まっていたんだと思います。なぜかは知らないですけれど。
 
-すごく上手い子ということですか。
 
M.O 多分、すごく上手いか、先生の弟子か、弟子になるか、なることが決まっているかみたいな感じですけど、とにかく一人男の子は決まっていたみたいで、実際に、男の子はほかに二人出ていたので、その一人の子かなと。私は最初のレッスンの最後に、「出てみる?」というように言ってもらえました。
 
-最初のレッスンのときに言ってもらえるのですね。
 
M.O そうです。だから、出る子は2、3日で決まるらしくて、私はそのときそう言われたけど、私の後にまだ先生のレッスンを受けてない子が10人ぐらいいたんですよ。それで、「一応その子たちも聞いて決めるけど、多分、君だよ」というように言われて、次の日に申し込み用紙をぱっと渡されて、「次までに書いて」と言われて、そこに私の曲名が書いてあったので、「私だ!」と。それが木曜日で、コンサートには土曜日に出ました。
 
-一週間ですものね。ペースが速いですね!
 
M.O そうですよね。水曜日の子もいて、金曜日と土曜日とで分かれていたのですが、私はその申し込み用紙に土曜日と書いてありました。本当に頑張ってよかったと思いました!
 
-あとは逆に困ったこととかはありましたか。
 
M.O 衝撃的でしたが、初日のホテル、私の部屋が雨漏りしていたんですよ。
 
 ニースはその日たまたま雨だったんですよ。本当にその日しかなかったですが、私は「どうしようかな、こんなもんなのかな」と思って迷ったんですが、一応「私の部屋が雨漏りしています」と言いきったら、オーナーさんはすごいびっくりされていて…。でも、たまたまその日はホテルが満室だったようで、近くのホテルに連れて行かれました。
 
-そうでしたか。
 
M.O でも、本当にすぐ近くで、よく分からないです。同じ系列なのか、全然分からないですけど、同じ仕組みで、そこで一晩、寝ましたが、朝ご飯は元のホテルで食べました。最初は衝撃的すぎてびっくりしましたが、そこからはフランスってこうなんだみたいな…。日本はやはり親切な国だし、日本っていい国だなと何度も思い知らされました。ホテルのレベルは高いとかいろいろ思いながら、いろいろあったおかげでその一週間を強く乗り切れた感じです。でも、また最後にそのホテルに泊まったときは、違う部屋だったのですが、その部屋はすごくきれいで何の問題もなかったです。
 
-すごく普通のホテルだったとは思いますが、雨漏り以外にほかは普通でしたか。
 
M.O はい。むしろ受付におじさんとお兄さんが交替でいましたが、二人ともすごく親切な方で、言葉が分からなくても親切にしてくださいました。
 
M.O あとは、みんながどうしていたのかは知らないのですが、みんな曲をベルノルド先生に持っていくつもりで用意していたと思うんですよ。でも実際、もう二人の先生がいらっしゃるとなったときに、何から持っていこうかなと、どれを持っていこうかなと。私はベルノルド先生と同じ曲を持っていきたくなかったので、4曲持っていっていたので、4回のレッスンで分けました。ほかの人はどうしてたのかなと思っています。
 
-そのアシスタントの先生がいつになるかということは、一応最初に言われて分かるようにはなっていましたか。
 
M.O 一日目、その日すぐに私がアシスタントのレッスンからでした。それだけはすぐ分かりましたが、その次からは勝手に通訳の方と一緒に計算して、今日一日で10人やったから、多分、次はこう回って、こう回って、こう回ってと計算して、前日に先生に私のレッスンいつですかというのを通訳の方が聞いてくださって、前日には何時かは分かったのですが、大体、急きょという感じですね。
 
-そういうのもきちんと自分から確認しないと分からないですね。
 
M.O そうですね。
 
-今回、このニースの講習会に参加していろいろ音楽のこともですが、そのほかのことでも強くなったという実感はありますか。
 

M.O そうですね。こんなに言葉が通じないのがストレスだとは思わなかったので、海外に出てみないと話に聞くだけでは分からないことはたくさんです。日本とは全然違う文化だな、街を歩いていても全然、違う国だなという感じはしましたね。あと物乞いがよくありました。
 
M.O 最後にクラス合同でお食事会をするとなりまして、自由参加でしたが、それもうわーっとざっくり集まって、迷子になった子もいましたが、ざーっと集まったらテーブルごとに注文して、テーブルごとに乾杯してテーブルごとにお会計して、自由に解散するという。日本みたいに、先生の言葉があって…とかは全然なくて、いきなり「先生の始まっている」みたいな。「あれ、いつの間にかどんどん減っている」みたいな。「え?あの人たちお会計してないのに帰った」みたいなそういった感じでしたね。
先生はテーブル回ってくださったり、私も先生ところにあいさつに行ったりとかはしましたが、全員で何かするという感覚はないです。
 
-個人主義という感じですね。
 
M.O そうですね。でも、街が汚いと言いましたが、海はすごくきれいでした。沖縄なんて話にならないですよ。すごくきれいでした。どこの写真を撮ってもきれいというか、どこにカメラを向けてもすごく絵になる。下に向けなければ問題ないという感じですね。
 
-今日はいろいろとありがとうございました。お話がお伺いできて楽しかったです。ありがとうございました!
 
M.O ありがとうございました!
 

 

 

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