新倉明香さん/声楽

新倉明香/Sayaka Niikura
新倉明香さんプロフィール
国立音楽大学声楽学科卒業後、パリ・エコールノルマル音楽院に奨学金制度を受けて留学。高等演奏家ディプロム取得。パリ国際芸術都市主催コンサート、教会、サロン、室内楽コンサートに多数出演。
 
〈コンクール歴〉
flame音楽コンクール[フランス/2010年]
クレ・ドールコンクール[フランス/2010年]
レオポルト・ベランコンクール[フランス/2011年]
upmcf声楽コンクール[フランス/2011年]
 
-まずはコンクールを目指したきっかけを教えてください。
 
新倉  パリに留学していたので、直接海外のコンクールを受験しに行ったわけではないんですが、やはり自分の力を試してみたかったのと、自分の通っている音楽院以外の先生からの評価をいただきたかったので受けました。
 
-海外にはコンクールはたくさんありますが、今回のコンクールを選ばれた理由は?
 
新倉  合格不合格ではなく、レベルごとにカテゴリーとして自分がどこにいるかが分かる形だったんですね。今の自分の位置がわかるというか。
 
-コンクールの場所も重要でしたか?
 
新倉  フランスから出なかったんですが、やはり行きやすいところを選びました。フランスへはコンクールのために行っていたわけではないので、試験が重ならないようにとか、スケジュールも見ながら決めました。
 
-誰が審査員をしているとかも選ぶ理由になりましたか?
 
新倉  なるべく大人数の方が審査しているところに出ようと思いました。フランス人だけじゃなく、インターナショナルなところを調べて。先生方のお名前を見ても、どの国の方かはほとんど分からないんですけど(笑)。
 
-そのコンクールは、いろんな国の方が受けられていましたか?
 
新倉  そうですね。留学していたところが全世界から集まっているようなところでしたから、コンクールもそういう感じでした。
 
-情報収集はどのようにされましたか?
 
新倉  インターネットでコンクールの一覧表みたいなものを見て調べました。あとは友だちから聞いたり、音楽院の掲示板に資料があるので、それを見たりしました。
 
-受ける前に不安はありましたか?また、その不安はどのように解消しましたか?
 
新倉  もちろん受ける前は不安になるものですが、コンクール曲をどれだけ人前で歌ったことがあるかどうかで不安は違うなと思います。
 
-コンクールを受けるに当たって、先生に許可をいただくなどの必要はあるんですか?
 
新倉  私は必要ではなかったです。有名な先生になると、その先生が審査員を勤めるコンクールに参加するというっていうこともあるみたいですけど。
 
-なるほど。先生にはコンクールに向けてアドバイスはもらいましたか?
 
新倉  コンクールでこれをやりますと言って見てもらいました。先生からは具体的にアドバイスをいただきましたよ。前にやった曲を出さないとか、どうやったら自分を表現できるかとか、すぐに結果が出るものではなく何回も挑戦するものだから、などとアドバイスをいただきました。
 
-コンクールを前に、体調を整える秘訣があったら教えて下さい。
 
新倉  普段から気をつけてはいますが、試験の前は夜遊びしない、とかですかね(笑)。無理せずに、規則正しい生活をして集中できるようにします。
 
-現地に行かれて、練習環境はいかがでしたか?
 
新倉  どのコンクールは控え室みたいなのがあるので、声は出せます。
 
-控え室に音を取るためのピアノなどはあるんですか?
 
新倉  置いてある場合と置いてない場合がありますね。伴奏者を頼んでいた場合は、控え室で合わせたりします。
 
-練習できる場所はあると。
 
新倉  コンクールによって練習室がある場合もありますね。音楽院などで行われる場合は、そこの練習室を使えます。ホールなどの公共施設の場合だと、ここを控え室として使って下さいみたいな感じです。
 
-その場合、練習したいときはホテルなどでするんですか?
 
新倉  いえ、公共のホールなどでも、音を出してはいけませんってことはなかったので。
 
-伴奏者はフランス人ですか?
 
新倉  日本人の方もいました。もともと日本人の伴奏ピアニストが多いんですよ。
 
-手配するときに、日本人を指定したりも出来るんですか?
 
新倉  コンクールの要項に、伴奏者を希望する人はここに連絡して下さいと、伴奏者の名前と電話番号が書いてあるんです。だから友だちに聞いたりして、知っているピアニストを紹介してもらったりしました。日本人がその中にいることもあります。
 
-初めての伴奏者とコミュニケーションをする秘訣は?語学や性格も含めてスムーズに行くものですか?
 
新倉  伴奏ピアニスト方から、「息はどこで吸うの?」とか聞いてくれますのでやりやすいですよ。彼らも仕事ですから。
 
-伴奏を自分で連れて行ってもいいんですよね?
 
新倉  はい、その方が事前に合わせられるので良いですよね。自分に合うピアニストというのも安心ですし。一か八かで知らない人にお願いして、合わないと残念ですからね(笑)。
 
-日本でもコンクールは受けられたことはあるんですか?
 
新倉  いえ、留学前は受けたことがありませんでした。最近帰国したんですけど、実は今、ちょうど日本のコンクールを受けている最中なんです。
 
-コンクールを受ける前と後で、自分の演奏やメンタリティの面で変化はありましたか?
 
新倉  コンクールを受けて、審査員の方からアドバイスをいただいたんですけど、それを受けて自分の音楽を考え直すことができました。いろんな意見が聞けるので、自分がこれからどういう風にやっていけばいいかが分かって、とても有意義でした。
 
-いろいろな先生からアドバイスをもらえるんですね。それはコンクール後に?
 
新倉  結果発表の時に。とてもフランクな感じで、皆さん丁寧に教えてくださいました。
 
-受けたことによってご自分の方向性が具体的に分かったんですね。
 
新倉  そうですね。課題曲で、ロマン派以前と以降との両方歌ったのですが、私の声にはロマン派以前の曲がすごく合うと評価していただきました。もちろん、声を作るためにしっかりした曲も練習しなきゃいけないけれど、と。あとは、たくさんの言語で歌わなければいけないので、それは常に練習した方が良いとアドバイスを受けました。
 
-コンクールからプロの道が開けるということもあるんですよね?
 
新倉  いちばん良い賞を取ると、コンクールの主催者が開くコンサートに出られるんです。そこに出たら、また違うところから声がかかる、という風に開けていくことはあります。
 
-ステップが踏める可能性があると言うことですね。コンクールを受けて良かったことや忘れられない思い出は?
 
新倉  フランスや海外のコンクールは、審査員もお客さんのように楽しんで聴いてくれているんです。一般公開なので、良かったらお客さんも拍手してくれますし、とても良い雰囲気だったのが印象的でした。歌い終わった後に、良かったですよって言っていただいたりもして。そういう小さいことが自信につながりましたね。
 
-ピリピリしてないんですね。日本に帰ってきてから、また海外のコンクールを受けたいと思いますか?
 
新倉  はい。向こうに先生がいるので、何か受けたいなと思っています。なかなか日本にいると難しいのですが、行ける時期になったらまた行きたいです。何より受験料がすごく安いんですよね。
 
-今後、海外のコンクールを受けたいという方にメッセージをお願いします。
 
新倉  まず言えるのは、「受けて損はない」ということですね。受けたら必ず何か返ってきますから。たとえ上手く出来なくても、上手く出来なかった原因を考えるきっかけになります。それにインターナショナルなので刺激になるので良い機会だと思いますよ。
 
-先生に許可を取らなくても良いとか、細かいストレスがある訳じゃないですしね。
 
新倉  それは全くないですね(笑)。それに、周りに知っている人がいないだけで緊張感は減りますから。
 
-今後、アンドビジョンがコンクール参加者をサポートをしていくときに参考にさせていただきたいのですが、「こういうサポートがあったら良かった」っていうことはありますか?
 
新倉  向こうの練習室確保でしょうか。どこで練習しようかは悩みますからね。その場に行ってから決めるというのはやはり不安なものですし。
 
-事務局とのコミュニケーションは上手く取れたんですか?
 
新倉  あまり良くなかったですね(笑)。日本人と違っていい加減なところもあるので、受けに行ってから、あれ?みたいなことも良くあります。臨機応変に対応してくれますので、がちがちに決めて行かなくても良いんですけどね。
 
-なるほど、参考になります。今日は貴重なお話を聴かせていただいてありがとうございました。

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