T.Aさん/ヨーロッパサマーアカデミー

山形大学地域教育文化学部地域教育文化学科音楽芸術コース4年生。 -まず簡単な自己紹介とこれまでの略歴を教えていただけますか? T.Aさん:私は6歳からピアノを始めて、自分としては別にピアノをやりたいとか全然考えていなくて、アパートに住んでいたとき、違う階の子がバレエをやっていたので、クラシックバレエも見に行ったこともあって。 それで、バレエいいなと思っていたり、テレビで見た和楽器のお琴もカッコイイと思って、やりたいなと思っていたんですけど、両親は小さい頃からピアノをさせたかったみたいで、ずっと先生は探していたみたいなんですけど、近所で知っている人も全然いなかったんです。 探し続けていて、幼稚園の年長のときに担任の先生が、自分の知り合いにピアノの先生いるよ、ということで紹介してもらったんです。ピアノをやってみない?と言われて、全然反発しなかったので、じゃあいいよと言ってピアノに行きました。 自分の同級生のお母さんでもあったんですけど、そういうつながりもあってピアノを始めることになりました。 両親としては、長く続けさせるつもりはなくて、簡単に特技として、ずっと長く続けられる趣味とか、ピアノを弾けると合唱コンクールとか、小学校にも上がったときにも活躍できるかな、ぐらいに考えていたみたいです。 ずっと大人になるまで続けさせようとは思っていなかったみたいです。 でも、習った先生のつながりで、ピアノの先生たちの小さなグループがあって、そこで2カ月に1回東京からピアニストの先生を呼んで、レッスンを定期的にやっているから、そこに入ってみない?と言われてました。 その先生もその会に入会したばかりだったみたいで、自分の教室からもいっぱい生徒を出したいということで、全然弾けない始めたばかりだったんですけど、ちょっと受けるだけでも、みたいな感じで。 両親としてもそんなに本格的にさせるつもりでもなかったので、すごい先生に習える機会だし、15分の無料体験レッスンだから、思い出作りに受けさせてみようか、ということで受けることになりました。 その先生が、この子、今年度の最後の演奏会出られるんじゃない?ということを言われて、こっちとしても逆らえないというか、すごい先生に言われたから従うしかない、といった感じで、親も断れなくて、そこからの縁でピアノを続けることになりました。で、その先生は今年亡くなられてしまったんですが、今まで続けて、その門下生の方も全国にいらっしゃるんですけど、その方ともつながりができて、今も長くピアノに携わっている感じです -今まで海外の講習会には参加されたことはございましたか? T.Aさん:1回もないです。 -ヨーロッパサマーアカデミーに参加しようと思ったきっかけは何かあったんですか? T.Aさん:とりあえず海外に出て勉強するのが一番いい、というのは先生からも言われていたので、向こうに行ってみたいというのがまず一つだったんですけど、漠然と、ドイツかな、というところもあって、今回のサマーアカデミーがドイツだったので、決め手になったかなという感じです。 -今回シェプス先生のクラスだったかと思うんですけど、参加者はどれぐらいいらっしゃいましたか? T.Aさん:4回レッスンがあって、その4回を受けていたのが5人で、あとは違う先生と掛け持ちで、というのが4人ぐらいいたので、計9人ぐらいでした。 -何人の人がいらっしゃいましたか? T.Aさん:日本人が私を含めて3人で、韓国、中国系の方が2人であとは掛け持ちしていたのが日本人2人と、アジア系の方が、兄弟だと思うんですけど、ご家族で2人ぐらい受けられていました。 -講習会の全体のスケジュールはどんな感じでしたか? T.Aさん:レッスンに関しては4回先生の都合で入れられて、結構等間隔で受けることが出来ました。 最後の終わる3、4日前にクラスコンサートがあって、そこで全員演奏するというかたちでした。 あと最後は、ずっとクラスコンサートを、ほかのいろんな楽器のクラスとかも朝から詰められていて、演奏会聞き放題でした。 夜は、1日2日以外ずっと教授コンサートみたいなものがありました。 -参加者のレベル的にはどうでしたか? T.Aさん:すごく高かったです。 私は全然ノウハウがわからないで行ったので、自分の練習している曲をとりあえず見ていただこうという感じで持っていきました。 ほかの方は、受け方がわかっているというかしっかり準備されていました。 曲もたくさん持っていって、その曲を全部暗譜して、1曲コンサートで弾けるぐらいの完成度で持っていかれている方がほとんどでした。 なので、想像よりはるかにレベルは高かったです。 -先生はどうでしたか? T.Aさん:直接的におっしゃる方、と言うのは通訳の方も言っていて、伝え方、ちょっと困るんだけど、っていう。 でも、言ったことをそのまま言おうと思っているから、ということで、大丈夫?と言われたんですけど、私ははっきり言ってもらったほうがよかったので、全部そのまま伝えてもらいました。 言っていることはきついのかもしれないんですけど、音楽的なこととか、基本的な弾き方とか、先生はロシアの方なので、ロシアのメソッドはこうやっているんだよ、ということも教えてくださったりしました。 指の使い方とか、そういう基本的なところから歌い方まで幅広くレッスンしていただきました。 あと話もユーモアたっぷりにしゃべってくださったので、最初は緊張していたんですけど、でもすごく勉強になったと思います。 -先生方の演奏会は聴いてみてどうでしたか? T.Aさん:ピアノでもいろんなタイプの、決まった弾き方じゃなくて、それぞれの色がはっきりわかって、タイプの違う演奏を毎日楽しめた感じがしました。 -レッスン以外の時間はどのように過ごされましたか? T.Aさん:はい。散歩したり、ライプツィヒが行ける範囲だったのでそこへ2回ぐらい行って、バッハハウスとかメンデルスゾーンの家とか、トーマス教会の範囲を歩いてみたり、観光みたいな感じでしていました。 穏やかというか、ハレーよりは都会だな、という感じはしたんですけど、そんなに危ないというか、そういう都会感ではなくて、穏やかで住みやすそうだというのはすごく感じました。 -町の人とのコミュニケーション、買い物をしたりするのも英語でしたか? T.Aさん:そうですね。どちらかというと。 -旧東側って英語がなかなか通じないところもありますよね。 T.Aさん:そうですね。なのでハレーは、レストランに行ったとき、私じゃない方がやってくださったんですけど、英語大丈夫ですか?って言ったら、わからないんだよね、みたいな感じで。 でも一生懸命コミュニケーションしようと向こうも頑張ってくれて、温かいところもあるなと思ったんですけど、言葉はやっぱり難しいなと思いました。 -お食事とかは一緒に受けている方と行かれたのですか? T.Aさん:そうですね。あとはパン屋さんのパンを食べました。 そっちのほうが多かったんですけど、演奏会早く終わったから、ビールでも飲んでいこうか、みたいな感じでレストラン入ったり、そういうのもありました。 -パンやレストランでこんなのおいしかったな、というのはあったりしますか?逆に、口に合わなかったな、とか。 T.Aさん:意外に食事は、あれ?というのはなくて、全部おいしいなと感じました。 レストランで食べたピザはすごくおいしくて、それも種類がいっぱいありました。 最後の日に日本人だけで打ち上げしようか、みたいな感じで行ったところで、みんなでピザ頼んだんですけど、どれもおいしそうで、自分が食べたものもすごくおいしかったです。 ドイツはピザのイメージはなかったんですけど、そういう食事もおいしいなと思いました。 -講習会の中で練習はどうされてましたか? T.Aさん:練習室を5人で1部屋という感じで振り分けられていました。 朝10時から夕方7時まで、毎日1人2時間ずつ時間をとって交代で練習していました。 -雰囲気的には日本の練習室とはあまり変わらない感じですか? T.Aさん:もっといいピアノが置いてあるのかなと思ったら、結構調律もあまりなっていないというか、ひどいと言ったらあれなんですけど、そんな感じでした。 部屋も暑くて、日本みたいにエアコンがあるわけでもなくて、窓も開けてはいけないと書いてあって、なのですごくこもって暑かったです。 2時間ずっと弾いているとモンモンとしてくるぐらいの暑さのときもありました。 涼しいときはちょうどいいんですけど、気温が高いときは大変でした。 -ホテルはいかがでしたか? T.Aさん:ホテルはすごくよかったです。きれいだし、すごくスペースも広くて、よかったです。 -暑かったり寒かったりはしませんでしたか? T.Aさん:それは大丈夫でした。ちょっと暑いなと思ったこともあったんですけど、でもそんなにいられないというぐらいの感じではなくて。 -クーラーはないですよね? T.Aさん:なかったです。 -ここ最近ヨーロッパがどんどん暑くなっていて、どうしても暑いなというのもあって、クーラーないんですけど大丈夫ですか?というような話もするんですけど、やっぱり暑いですよね。 T.Aさん:これから数年後はもっと暑いのかな、とも思ったりしました。 -そうするとクーラー入れるようにもなってくるのかもしれないですね。扇風機はありましたか? T.Aさん:扇風機はなかったです。手持ちの扇風機も持ってこようかなと思ったんですけど、コンセントがどうとか考えたら持ってこれなく。 持ってきている子はいたんですけど、携帯に挿してできるものとか、そういうのがあると便利だなと思いました。 -そこまで暑いですか。 T.Aさん:外出るとなおさら暑いな、ということもありました。 なので、小型の扇風機でもあると快適かもしれないです。 -日本の暑さと違って、湿度がなくて、日差しが強いという感じですかね。 T.Aさん:日差しは強かったです。 -朝夕はどうでしたか? T.Aさん:朝夕は涼しかったです。日中だけ暑くて。 -夜とか普通にお友達と歩いていても、そんなに不安な感じではないですか? T.Aさん:そうですね。でも日本ではないので、そういう怖さはありました。 でも特に、何か暴れているとかそういうのはなかったので、そういうところは安心だったかなと思います。 -講習会のスタッフの対応は大丈夫でしたか? T.Aさん:それはすごくよかったです。 英語なので緊張はするんですけど、それでも一生懸命説明してくれて、最終日のときも、ホテルにほとんどの方がいらっしゃったので、私が出る時間に2人の方が出てきてくださっていて、バイバイ、みたいな感じで送り出してくださりました。 それが最後まで見守ってもらえているんだという安心感があって、すごくよかったです。 -ホテルで洗濯機はありましたか? T.Aさん:洗濯機はなかったので、普通に手洗いしました。 ほかの子は、学校の近くにコインランドリー見つけて、旅に慣れている子だったので、そういうのを探しているみたいで。でも私は探すのも面倒くさいなと思ったので、手洗いにしました。 -宿泊先から講習会場はどう移動されていましたか? T.Aさん:トラムに乗って、最寄りから降りて、少し歩いていきました。 -すぐわかりました? T.Aさん:いただいた資料の写真を頼りに行ったので、目印見つけて行きました。 でも中に入るまでが難しかったです。 大学の中の受付にたどり着くのがなかなかできなくて、二つの棟の違うほうへ入ったりして迷って、いろんな方に教えていただいてなんかとか見つけました。 -留学中に困ったことはありましたか? T.Aさん:特になかったですね。 行って、ホテルからフリーチケットみたいなものをもらったんですけど、その使い方が最初困って、聞いて、教えていただきました。 あとトラムの乗り方も、方面しか書いてなくて、結構難しいなというのはあって、最初は困ったかもしれないです。 -今回留学された中で、すごくよかったと思う瞬間はありましたか? T.Aさん:飛行機を降りたときから全然違う空気で、それだけでもすごい刺激になりました。 違う国に来て、自分1人でなんとかたどり着かなきゃいけないということで、あまり日本ではそういうことを感じられなかったのです。 違う国に行って聞きなれない言葉とか聞いて、違う生活の仕方を感じられたことが、一番自分の中ではよかったなと思います。 -音楽的な部分に関して、先生の教え方が違うなとか、何か感じたことはありましたか? T.Aさん:私の先生はずっとドイツにいらっしゃった方で、弾き方で、鍵盤を叩かないように、ということはその先生からずっと言われていて。 私はそれを意識して弾いていたつもりだったんですけど、だんだん癖が出てきたのかもしれなくて、それをまたシェプス先生にも言われました。 日本は技術的に大きい音を出すとか、指を上げて、とか、いろんな方が弾いているのを見ていると感じることもあるんですけど、そうじゃなくて、鍵盤に手を置いて、というか、叩かないということを言われるのは海外の特徴なのかな、というのを改めて感じた気がします。 -町に関しては、日本と違うと感じたことはありましたか? T.Aさん:休日がとにかく休日だなっていう感じがしました。 日本だったら、まだお店開いているよね、みたいな時間に、入っちゃダメです、みたいな感じで、8時ぐらいに閉める準備というか、完全に閉まっているところもあって。 こっちよりも夜は長いというか、あまり暗くならないので、夜という感じはしないんですけど、お店は全部閉まって、日本よりも休む時間が長いなというのは感じました。 -今後短期留学や長期留学もそうかもしれないですけど、留学したいなと思っている方に対して、何かアドバイスがあれば。 T.Aさん:言葉ですね。私は何とかなるかなと思って行ったんですけど、言葉を聞き慣れてないというのが一番大きくて。 英語もドイツ語に聞こえるというか、全然最初は訳がわからなくなって。それが一番の不安の原因だったというのがあったので、話せなくても、理解できなくても、ちょっと単語を入れておくとか、ひたすら聞いて耳だけ慣らしておくとか、向こうの言葉に慣れておいたほうがいいかな、というのはすごく感じました。 -ちょっとしたことでも、100パーセントじゃなくても、何となくわかっているのとわかっていないのでは過ごし方も変わってきますよね。 T.Aさん:一緒に行かれた大人の方は、行く3カ月前から携帯のラジコでドイツ語を毎日聞いて、英語も毎日10分とかやっていたので、毎日欠かさず聞くようにしていて。 聞いているときは、こんなの絶対出てこないよ、と思っていたけど、行ってみたらすごく話せるというか、簡単な会話はすらすら出てきて、活用して、コミュニケーションとられていて、行ってみると出るもんだね、とおっしゃっていたので、それだけでもかなり違ったらしくて。 なので、言葉はそういうふうにやっておくといいかなと思いました。 -今後のT.Aさんの活動で、どういうふうにやっていきたいというのがありましたら教えていただけますか? T.Aさん:本当は今年で大学卒業するので、今回をきっかけに海外に留学したいというのは漠然と考えていたんですけど、行ってみて、言葉の面だったり、向こうに留学してから語学学校に行くというのは聞いたことがあるんですけど、私の場合は、それよりも気持ち的にいろいろ準備してからじゃないとダメだな、というのは行ってみてすごく感じました。 1年ぐらいしっかり自分で考えて、いろんなセミナーとか、日本で開かれるのも含めいろいろ見てみて、ゆっくり考えようかなとは思っています。 -いずれは、1年、2年ぐらいのスパンで現地で生活してみたいな、という感じですかね。 T.Aさん:それは頭にありますね。 -本日は貴重なご意見ありがとうございました。

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